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厚生労働省が子宮頸がんワクチン「接種勧奨」の再開を検討する方針を固める

 更新日:2023/03/27

子宮頸がんワクチンの「積極的な接種勧奨」は8年前から中止されています。政府は、「積極的な接種勧奨」の再開に向けて検討を始める方針を固めました。子宮頸がんワクチンの安全性や効果について、議論が巻き起こることが予想されます。今回の発表について中島先生に詳しくお伺いします。

中島 由美 医師

監修医師
中島 由美 医師

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金沢医科大学医学部卒業後、同大学病院にて小児科・内科として研修を積む。その後は複数の病院で内科医や皮膚科医として勤務。2018年より福岡市中央区に「国を超えた新しい形の医療を提供」をコンセプトに、クリスタル医科歯科クリニックを歯科医師である夫と開院。

今回の発表の詳細は?

子宮頸がんワクチンの積極的な接種勧奨の再開について、今回の発表の詳細を教えてください。

中島 由美 医師中島先生

子宮頸がんワクチンの積極的な接種勧奨は、8年前に中止されています。政府は、新型コロナワクチンの接種が一定以上進んだ段階で、子宮頸がんワクチンの積極的な接種勧奨の再開を検討する考えを示しました。

子宮頸がんワクチンは、小学6年生~高校1年生の女子を対象に定期接種が行われていました。しかし、体の痛みをはじめとした副反応が相次いだため、わずか2カ月で積極的な接種勧奨を中止。現在は、約1%の接種率に留まっています。

一方、先進国の子宮頸がんワクチンの接種率は、イギリスが約82%、オーストラリアが約80%と、日本と比べて多くの人が接種しています。

再開する必要性は?

子宮頸がんワクチンの積極的な接種勧奨を再開する必要性はあるのでしょうか。

中島 由美 医師中島先生

子宮頸がんの発症には、ヒトパピローマウイルスが関係していることがわかっています。性経験がある女性の50%以上が一度は感染するとされているため、子宮頸がんワクチンを接種する意味は大きいと言えるでしょう。

子宮頸がんに罹患する人は、毎年約1万人以上にのぼり、約2800人もの人が亡くなっています。早期発見、早期治療によって良好な予後が期待できるがんもありますが、子宮頸がんは早期発見でも子宮摘出が必要になるケースが多く、心身に大きな影響が及びます。

これまでに蓄積された副反応の種類や頻度、効果などを解析することで、安全性の予測が可能です。子宮頸がんワクチンを接種することで、子宮頸がんの罹患を防げる可能性が高いため、重大な副反応の懸念を払しょくできれば、積極的な接種勧奨を再開した方がよいと考えられるでしょう。

まとめ

子宮頸がんワクチンの積極的な接種勧奨が再開されると、接種希望者が増える可能性があります。再開について検討する方針を固めた段階のため、必ずしも積極的な接種勧奨が再開するとは限りません。今後も、子宮頸がんワクチンの積極的な接種勧奨の再開に関する発表を随時チェックしましょう。

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