男性よりも女性の方が副反応リスク高い理由は、抗体量と副反応の強さと判明!
藤田医科大学の研究グループは、新型コロナワクチンの副反応と抗体の量の関連性を裏付けることに成功しました。今回は、副反応と抗体の量の関連性について中島先生に詳しくお伺いします。
監修医師:
中島 由美 医師
目次 -INDEX-
今回の発表の詳細は?
今回の発表について、詳しく教えてください。
中島先生
愛知県の藤田医科大学の研究グループは、富士フイルムや国立感染症研究所などと共同研究を行い、新型コロナワクチンの接種後の抗体量が1回目よりも2回目の接種後の方が多く、また男性よりも女性の方が多く発生したことを発表しました。
1回目よりも2回目、男性よりも女性の方が強い副反応を訴える例が多いことから、今回の発表によって抗体の量と副反応の強さの関連性が裏付けられました。
研究の詳細は?
今回の発表の研究内容について教えてください。
中島先生
調査対象は、アメリカのファイザー社製の新型コロナワクチンを接種した藤田医科大学の医療従事者のうち、同意を得た219人(男性69人・女性150人)です。新型コロナワクチンの「接種前」と「1回目、2回目それぞれの接種から約14日目」にそれぞれ採血し、IgG抗体の量を調べました。
その結果、1回目よりも2回目の方が抗体の量が増加しました。また、性別と年齢の差異を調べたところ、男性よりも女性の方が抗体の量が増えていることに加え、男性は年齢が高いほどに抗体の増加量が少なく、女性は年齢による差が見られないことが判明しています。
今回の発表について、藤田医科大学院の保健学研究科の藤垣英嗣講師は、「抗体量の測定が、個々に適したワクチンの接種間隔や接種量、接種回数などを決める判断材料になる可能性がある」としています。
強い副反応とはどのような症状?
そもそも強い副反応とは、どのような症状を指すのか教えてください。
中島先生
新型コロナワクチンの副反応は、注射部位の痛みや赤み、筋肉や関節の痛み、頭痛、発熱、めまいなどです。強い副反応に定義はありませんが、これらの症状が強く現れたりアナフィラキシー(急性のアレルギー反応)が起きたりした場合は、強い副反応が現れたと言えるでしょう。
まとめ
今回の研究発表によって、副反応の強さには抗体の量が関連していることが裏付けられました。今後も、副反応の頻度や強さに関連している要因について、研究が進むことが期待されています。副反応を懸念してワクチン接種をためらっている方は、今回の研究発表を踏まえて検討することが大切です。今後も、ワクチンの副反応について最新の情報をチェックしましょう。