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RSウイルスが流行か…早産児、生後6か月までの乳幼児は重症化リスク高・流行の原因不明

 更新日:2023/03/27

乳幼児がかかることが多い感染症の1つ「RSウイルス」が流行しています。重症化すると肺炎を引き起こすこともあり、警戒が必要です。今回は、RSウイルスの流行の現状と流行の理由について、中島先生に詳しくお伺いします。

中島 由美 医師

監修医師
中島 由美 医師

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金沢医科大学医学部卒業後、同大学病院にて小児科・内科として研修を積む。その後は複数の病院で内科医や皮膚科医として勤務。2018年より福岡市中央区に「国を超えた新しい形の医療を提供」をコンセプトに、クリスタル医科歯科クリニックを歯科医師である夫と開院。

RSウイルスの流行について

RSウイルスの患者が急増しているとのことですが、現状を詳しく教えください。

中島 由美 医師中島先生

RSウイルスは、乳幼児が感染することが多い感染症の1つで、重症化すると肺炎になる恐れがあります。全国約3000の医療機関における小児科が報告した患者数は、1つの医療機関につき前週が1.82人、前々週は1人、そして今週は2.49人と前々週の2.5倍にあたり、増加し続けています。2018年以降では、RSウイルスの患者数の最多は2019年9月の3.45人です。懸念すべきは5~6月はRSウイルスが流行する時期ではないことでしょう。

通常、流行しない時期に感染者が増えている場合は、何らかの要因が考えられますが、現時点では詳しいことはわかっていません。

なお、地域別では5月24~30日で最も患者数が多かったのは山口県の11.04人、続いて奈良の10.65人、石川県の8.1人でした。さらに、大分県は5.17人、山形県は5.1人と全国規模でRSウイルスが流行しています。

RSウイルスによる感染症とは?

RSウイルスによる感染症の症状や治療法などについて詳しく教えください。

中島 由美 医師中島先生

RSウイルス感染症は、咳やくしゃみ、鼻汁などを主症状とする感染症で、毎年11~1月にかけて流行します。悪化すると、細気管支炎や肺炎が引き起こされる場合もあり、年齢が上がるにつれて重症化のリスクが低くなるとされています。早産児や生後6か月未満の乳児は重症化しやすいため、慎重に観察しなければなりません。治療薬やワクチンはなく、症状を抑える対症療法を行います。

このように、5~6月はRSウイルスが流行する時期ではありません。今後、11~1月にかけて、さらに患者数が増えるのか収束に向かうのかは現時点では不明です。

まとめ

RSウイルスが流行していますが、原因はわかっていません。RSウイルスには治療薬やワクチンがないため、疑わしき症状がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。また、早産児や生後6か月までの乳幼児はRSウイルス感染症が重症化しやすいので、注意深く観察しておくことが大切です。今後も、RSウイルス感染症の流行について随時チェックしたいところでしょう。

長引く咳の症状についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事を参照してください。

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