新型コロナウイルス感染症の相談目安を4点見直し 2020/05/15

厚生労働省は、5月8日に新型コロナウイルス感染症における新たな相談の目安を公表しました。

感染拡大を防ぐためにも、新たな相談の目安を把握しておくことが大切です。今回は、新型コロナウイルス感染症の相談目安の見直しについて、中島先生に詳しく話を伺いました。

中島 由美 医師

監修医師
中島 由美 医師

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金沢医科大学医学部卒業後、同大学病院にて小児科・内科として研修を積む。その後は複数の病院で内科医や皮膚科医として勤務。2018年より福岡市中央区に「国を超えた新しい形の医療を提供」をコンセプトに、クリスタル医科歯科クリニックを歯科医師である夫と開院。

新型コロナウイルス感染症における従来の相談の目安とは?

新型コロナウイルス感染症における従来の相談の目安をお教えください。

中島 由美 医師中島先生

従来の相談目安は、次のいずれかを満たした場合です。

37.5度以上の発熱が4日以上続く
強い倦怠感や息苦しさがある

また、下記に該当する方は、上記の症状が2日程度続いた段階で相談することが推奨されています。

・高齢者
・糖尿病、心不全、呼吸器疾患などの基礎疾患がある
・透析を受けている
・免疫抑制剤や抗がん剤による治療を受けている
・妊婦

新型コロナウイルス感染症では、37.5度以上の発熱が4日以上続かないケースもあるため、従来の目安では感染者数を正確に把握できないことが問題でした。また、「37.5度以上の発熱が4日以上続かないと相談してはいけない」と捉えられる恐れもあります。

相談の目安に関する見直しの内容とは?

新型コロナウイルス感染症における相談の目安について、具体的な見直しの内容を教えください。

中島 由美 医師中島先生

今回の見直しの内容は次のとおりです。

【削除された症状】
37.5度以上の発熱が4日以上続く

【追加された症状】
息苦しさ
強い倦怠感
高熱

厚生労働省は、上記のような強い症状が現れた場合、続いている日数や体温に関係なく相談することを推奨しています。また、高齢者や糖尿病患者など重症化しやすい人の場合の相談目安は、「発熱や咳など比較的軽い風邪の症状がある」です。

さらに、比較的軽い風邪の症状でも、4日以上続く場合は必ず相談するように呼びかけています。新型コロナウイルスに感染すると、味覚や嗅覚に異常が起こるとの報告もありますが、現状では確実な症状ではないため、今回の見直しには含まれなかったようです。

しかしながら断定はできないものの、厚生労働省は味覚や嗅覚に異常が起きた場合は相談するように呼びかけています。

今回の見直しにおけるメリットと懸念点とは?

今回の見直しにおけるメリットと懸念点をお教えください。

中島先生

今回の見直しにより、PCR検査の数が増え、軽症患者に対して早期に治療を施せるようになることは大きなメリットになります。しかし、現場では、相談数や検査数の増加への対応が難しいとの声も挙がっているため、負担軽減や人員体制の調整などが急務と言えるでしょう。

まとめ

微熱や咳、倦怠感などの軽い症状でも、単なる風邪と思い込むのではなく、4日以上続く場合は必ず相談しましょう。新型コロナウイルス感染症の感染拡大や重症化を防ぐために、厚生労働省が策定した相談の目安を踏まえ、しかるべき行動をとることが大切です。感染を早期に発見することが、自分だけではなく周りの人を守ることにもつながるでしょう。