目次 -INDEX-

  1. Medical DOC TOP
  2. 介護TOP
  3. コラム(介護)
  4. グループホームとは?サービス内容や仕組み、入所条件・費用を解説

グループホームとは?サービス内容や仕組み、入所条件・費用を解説

 公開日:2026/05/12
グループホームとは?サービス内容や仕組み、入所条件・費用を解説

グループホームは、認知症のある方が少人数で共同生活を送る介護保険サービスです。名称は広く知られていますが、特別養護老人ホームや有料老人ホームと同じ住まいとしてとらえると、制度上の違いが見えにくくなります。利用できる人の条件、暮らし方、費用の内訳には、それぞれはっきりした特徴があります。入居後の生活を具体的に考えるには、まず制度の位置付けと利用条件を押さえることが大切です。

小田村 悠希

監修社会福祉士
小田村 悠希(社会福祉士)

プロフィールをもっと見る
・資格:社会福祉士、研修認定精神保健福祉士、介護福祉士、福祉住環境コーディネーター2級
・経歴:博士(保健福祉学)
これまで知的障がい者グループホームや住宅型有料老人ホーム、精神科病院での実務に携わる。現在は障がい者支援施設での直接支援業務に従事している。

グループホームとは?

グループホームとは?

グループホームは、認知症のある方が住み慣れた地域で暮らし続けるために設けられた仕組みです。名前だけでは住まいの一種に見えますが、実際には地域密着型サービスとして細かな基準が定められています。対象者や支援内容を理解すると、ほかの入居系サービスとの違いが見えやすくなります。

グループホームの定義

グループホームの正式名称は、認知症対応型共同生活介護です。認知症のある方が共同生活住居で暮らし、家庭的な環境と地域との交流のなかで、入浴、排せつ、食事などの日常生活上の支援や機能訓練を受けるサービスです。支援の目的は、残っている力を生かしながら、自立した日常生活を続けやすくすることにあります

参照:『認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)』(厚生労働省)

グループホームの制度上の位置付け

グループホームは、介護保険の地域密着型サービスに位置付けられています。市区町村が指定や指導に関わり、住み慣れた地域での生活継続を支える仕組みです。
原則として施設所在地の市区町村に住む方が対象で、入居中は居宅療養管理指導を除き、ほかの居宅サービスを併用できません。住まいであると同時に、介護保険上の専門サービスでもある点が特徴です。

地域密着型サービスであるため、地域包括支援センターや市区町村、かかりつけ医などと連携しながら支援が進む点も特徴です。本人だけでなく家族にとっても、相談先が地域の中にあることは大きな意味があります。入居後の生活を支える仕組みとして考えると、単なる住み替えではなく、地域の支援体制のなかで暮らす形ととらえやすくなります。

参照:『認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)』(厚生労働省)

障害者グループホームとの違い

介護分野のグループホームと、障害福祉分野のグループホームは別の制度です。介護分野のグループホームは、認知症のある方を対象にした介護保険サービスです。これに対して障害福祉分野のグループホームは、共同生活援助として障害福祉サービスに位置付けられています。名前は似ていますが、根拠法令も対象者も異なるため、資料を確認するときは制度名まで見分ける必要があります。

グループホームの基本的な仕組み

グループホームの基本的な仕組み

グループホームの特徴は、小規模な生活単位を土台にして支援を行う点です。大人数を一括で支える施設とは違い、顔なじみの関係を保ちやすい環境がつくられています。人数規模、人員配置、運営の仕組みを押さえると、日々の暮らしがどのように支えられているかがわかります。

小規模な共同生活

1ユニットの定員は5人以上9人以下です。1事業所のユニット数は1以上3以下とされており、実際には2ユニットで運営される事業所が多くなっています。少人数であるため、入居者同士と職員の顔ぶれが固定されやすく、環境の変化を抑えやすい点が特徴です。居間、食堂、台所などを共有しながら、できる範囲で家事や役割に参加する暮らし方が基本になります。

少人数で暮らす環境は、認知症のある方にとって生活の見通しを持ちやすい面があります。関わる人が入れ替わりにくいため、顔や場所を覚えやすくなり、落ち着いて過ごしやすくなることがあります。また、食事の準備や洗濯物たたみなど、日常の動きに参加しやすいことも、小規模な共同生活ならではの特徴です。

参照:『認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)』(厚生労働省)

日中・夜間スタッフの配置基準

介護従業者は、日中は利用者3人に対して1人以上を常勤換算で配置します。夜間は原則としてユニットごとに1人です。計画作成担当者は事業所ごとに1人以上必要で、少なくとも1人は介護支援専門員が担います。管理者には、3年以上の認知症介護の経験と所定の研修修了が求められます。人員配置は小規模な共同生活を支えるための基盤であり、見学時には人数だけでなく、夜間の見守り体制医療連携の取り方まで確認したいところです。

見学時は、配置基準を満たしているかだけでなく、実際にどのような体制で支援しているかを見ることも大切です。例えば、夜間に体調が変わったときの連絡先、協力医療機関との連携、急変時の対応方法がわかると、入居後の生活を具体的に考えやすくなります。数字だけでなく運営の実際まで確認すると、ホームごとの差が見えやすくなります。

参照:『認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)』(厚生労働省)

運営主体と行政の関係

運営主体は、営利法人、社会福祉法人、医療法人などです。厚生労働省の資料では、設置主体は営利法人が54.4%、社会福祉法人が24.2%、医療法人が15.6%でした。どの法人が運営する場合でも、地域密着型サービスとして市区町村の指定と指導監督を受けます。また、運営推進会議の設置や外部評価も求められており、家族や地域住民など外部の視点が入りやすい仕組みが整えられています。

参照:『認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)』(厚生労働省)

グループホームを利用できる人の条件

グループホームを利用できる人の条件

グループホームは、空室があれば誰でも入れる住まいではありません。介護保険サービスとして対象者が決まっており、主に要介護度、認知症の有無、住所地の条件が確認されます。入居相談を始める前に、この3点を確認しておくと、候補を絞り込みやすくなります。

要介護度の要件

対象は、原則として要介護1以上の認定を受けた方です。要支援2の方は介護予防認知症対応型共同生活介護の対象で、要支援1の方は利用できません。グループホームは、認知症のある方の生活を支える場であり、介護度だけではなく、共同生活を送れるかどうかも入居判断の材料になります。

参照:『認知症対応型共同生活介護 グループホームとは』(健康長寿ネット)

認知症の診断

グループホームは認知症のある方を対象にしたサービスです。そのため、認知症の診断が入居の前提になります。実際の入居申込みでは、主治医の診断書などで認知症であることを確認するホームもあります。診断名だけを見るのではなく、生活上の困りごとや行動面の特徴まで含めて受け入れ可否を判断する流れが一般的です。

入居の可否は、認知症の診断があるかどうかだけで決まるわけではありません。身体の状態や医療的な管理の必要性、ほかの入居者と共同生活を送りやすいかどうかも確認されるポイントです。そのため、入居相談では現在の症状だけでなく、普段の生活の様子や困りごとを具体的に伝えることが大切です。

参照:『認知症対応型共同生活介護 グループホームとは』(健康長寿ネット)

住所要件

グループホームは地域密着型サービスであるため、原則として施設所在地と同じ市区町村に住民票がある方が対象です。別の市区町村に住んでいる場合は、希望するホームに空きがあっても、そのままでは利用できないことがあります。住み替えを伴うケースでは、住民票の扱いと保険者の確認を早い段階で進める必要があります。

参照:『認知症対応型共同生活介護 グループホームとは』(健康長寿ネット)

グループホームでの一日の流れと生活の様子

グループホームでの一日の流れと生活の様子

グループホームでの生活は、医療機関への入院生活とも、大規模施設での集団生活とも少し異なります。介護を受ける場でありながら、日々の暮らしを続ける生活の場でもあります。見学時は設備の新しさだけでなく、1日の流れや職員との関わり方まで見ることが大切です。

一日の流れ

朝は起床、整容、朝食から始まり、日中は体操、散歩、家事参加、レクリエーションなどを行うホームが多くみられます。昼食後は休息や入浴、夕方は夕食準備や団らん、就寝前のケアへ進む流れが一般的です。時間割はホームごとに異なりますが、生活のリズムを整え、顔なじみの人と同じ空間で過ごせることが、日常の落ち着きにつながります。

ただし、毎日の過ごし方が全員同じになるわけではありません。体調や性格、これまでの生活歴によって、活動量や好む過ごし方には違いがあります。そのため、ホームでは一律の時間割に当てはめるだけでなく、無理のない形で生活の流れを整えることが求められます。見学時には、入居者がどのような表情で過ごしているかを見ると、暮らしの雰囲気をつかみやすくなります。

食事や入浴、外出の様子

食事や洗濯、掃除は、職員がすべて代わりに行うとは限りません。本人ができることは一緒に行い、難しい部分を支える形が基本です。料理や買い物などの家事に関わる機会もあります。入浴や排せつでは、見守りや介助を受けながら、これまでの生活習慣を保ちやすいよう支援が行われます。ホームによっては、散歩や買い物、外食など、地域に出る機会を設けています。

面会や外泊の扱い

面会や外泊の扱いはホームごとの差が出やすい項目です。介護サービス情報公表システムには、面会時間を決めているホーム、面会簿の記入を求めるホーム、外泊届の提出を求めるホームなど、さまざまな運用例が掲載されています。自由度が高いところもありますが、一律ではありません。
契約前に、面会可能な時間帯、外出や外泊の手続き、感染症流行時の対応を確認しておくと、入居後の行き違いを減らしやすくなります

家族にとっては、面会や外泊のしやすさが入居後の関わり方に直結します。定期的に会いやすいか、受診や行事で外出しやすいかによって、家族の負担感も変わります。入居後に困らないためには、ルールの有無だけでなく、実際にどの程度柔軟に対応しているかまで確認しておくと安心です。

グループホームの入所・生活にかかる費用

グループホームの入所・生活にかかる費用

グループホームの費用は、入居時にかかる費用と、入居後に毎月かかる費用に分かれます。毎月の支払いには、介護サービス費に加えて、家賃や食費、水道光熱費なども含まれます。全体像を先に押さえておくと、契約時に確認したい項目が見えやすくなります。

グループホームの入所時にかかる費用

入居時費用はホームによって差があります。敷金や保証金を求めるところもあれば、入居時前払い金として1ヶ月分を預かる形を採るところもあります。介護サービス情報公表システムでも、敷金や保証金は契約書で確認する扱いです。退去時の精算方法や返還条件まで含めて契約前に確認しておくと、想定外の負担を避けやすくなります。

グループホームの生活でかかる費用

毎月の費用は、大きく介護サービス費と生活費に分かれます。介護サービス費は介護保険の自己負担分で、所得に応じて1〜3割です。健康長寿ネットでは、1割負担の場合、家賃や食事代などを合わせて月10万〜20万円程度が目安とされています。ホームごとに金額差があるため、あくまで大まかな目安としてとらえるとよいでしょう。

介護サービス費は、要介護度やユニット数によって異なります。令和6年度改定後の基本報酬を1単位10円で単純計算すると、1日あたりの目安は1ユニットで761〜859円、2ユニット以上で749〜845円です。実際の自己負担額は、所得区分や地域区分、各種加算の有無で変わります。

生活費のなかでも差が出やすいのは、家賃や食費、水道光熱費です。立地や建物の新しさ、居室の広さによって家賃が変わることがあります。おむつ代や理美容代、医療費などが別にかかる場合もあるため、月額表を見るときは、基本料金に何が含まれているかを確認することが欠かせません。見積もりを比べるときは、月額の総額だけでなく内訳まで見ることが大切です。

参照:
『認知症対応型共同生活介護 グループホームとは』(健康長寿ネット)
『令和6年度介護報酬改定における改定事項について』(厚生労働省)

まとめ

まとめ

グループホームは、認知症のある方が少人数で共同生活を送りながら支援を受ける地域密着型サービスです。対象は原則として要介護1以上で、認知症の診断があり、施設所在地と同じ市区町村に住む方です。暮らしの中心は生活であり、食事や家事に参加しながら、それぞれの力を保つ支援が行われます。費用は介護サービス費だけでなく、家賃や食費なども含めて考える必要があります。見学時は建物の印象だけで判断せず、職員体制、生活の流れ、面会や外泊の扱い、月額費用の内訳まで確認すると、入居後のミスマッチを防ぎやすくなります。

この記事の監修社会福祉士