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要介護4でもらえるお金は?受けられるサービスと自己負担額、負担軽減方法を解説

 公開日:2026/02/23
要介護4でもらえるお金は?受けられるサービスと自己負担額、負担軽減方法を解説

ご家族が要介護4の認定を受け、これからの生活費や介護費用に不安を抱く方もいるでしょう。要介護4は日常生活の多くで介助が欠かせない状態で、サービスの利用が増える分、金銭的な負担も大きくなりがちです。“もらえるお金”があるのか、具体的にいくら戻るのかなど、疑問を感じるかもしれません。

この記事では、要介護4の方が利用可能なサービスや、介護保険で使える金額の上限を解説します。あわせて、家計の負担を抑える軽減制度や手続きの方法も解説します。
経済的な見通しを立て、心にゆとりを持って介護に向き合えるよう、ぜひ参考にしてください。

※この記事は2026年1月10日時点の制度に基づいています。

小田村 悠希

監修社会福祉士
小田村 悠希(社会福祉士)

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・資格:社会福祉士、研修認定精神保健福祉士、介護福祉士、福祉住環境コーディネーター2級
・経歴:博士(保健福祉学)
これまで知的障がい者グループホームや住宅型有料老人ホーム、精神科病院での実務に携わる。現在は障がい者支援施設での直接支援業務に従事している。

要介護4でもらえるお金|基本は現物給付

要介護4でもらえるお金|基本は現物給付

要介護4の認定を受けても、国や自治体から現金が直接振り込まれるわけではありません。日本の公的介護保険制度は、現金ではなくサービス(現物)を受け取る仕組みです。しかし、毎月約31万円分のサービスを、一部の自己負担で利用できる権利が得られます。
現物給付が原則となっている主な理由は以下のとおりです。

  • 専門家による適切なケアを高齢の方へ届けるため
  • 介護の専門性や質を確保するため
  • 家族のみに介護負担が集中するのを防ぐため

利用者は訪問介護などのサービスを所得に応じた1割〜3割の自己負担で利用できます。
一方で、特定の条件を満たせば例外的に現金が支給される、特別障害者手当などの福祉制度もあります。

要介護4|介護保険で使える金額の上限

要介護4|介護保険で使える金額の上限

介護保険で受けられるサービスには、保険が適用される月ごとの上限額が設定されています。ここでは、限度額の仕組みや、要介護4の方が実際に利用できる金額の目安を解説します。

介護保険制度の区分支給限度額の仕組み

介護保険では、高齢の方の状態に応じて、1ヶ月間に保険給付を受けられる総額の限度を定めています。この仕組みを区分支給限度額と呼びます。

区分支給限度額には以下の2種類あります。

  • 自宅で生活する方のための居宅介護サービス等の限度額
  • 特定の施設に入居する方のための外部サービス利用型特定施設の限度額

自宅で生活しながら訪問介護などを組み合わせる場合は前者が適用されます。限度額内であれば、所得に応じた自己負担でサービスを受けられます。一方で、限度額を超えてサービスを組み込む場合、超過した費用はすべて自費(10割負担)となります。要介護4のような重度の場合、必要不可欠なサービスだけで限度額ぎりぎりになるケースも珍しくないため、家計を守りながら適切なケアを受けるには、ケアマネジャーと限度額の範囲内でケアプランを立てる必要があります。

要介護4の方が使える金額の上限

要介護4の方に適用される、1ヶ月あたりの居宅介護サービスの区分支給限度額は、30,938単位です。要介護4は「常時介護を必要とする」状態であるため、限度額も高めに設定されています。在宅生活を維持するためには、早朝から深夜におよぶ頻繁な訪問介護や、医療的ケアを含む訪問看護、あるいは日中の長時間にわたる通所介護など、多岐にわたる支援が不可欠であると想定されているためです。

地域ごとの人件費や物価の差を反映するため、1単位あたりの単価は地域で異なります(例:東京23区では1単位=11.40円、地方部では10円など)。
1単位を10円とした場合の1ヶ月に使える金額の目安は以下のとおりです。

  • 支給限度基準額:309,380円
  • 1割負担の方の最大支払額:30,938円
  • 3割負担の方の最大支払額:92,814円

参考:『介護報酬ハンドブック』(シルバー産業新聞社)を基に計算

地域やサービスの種類により、市区町村ごとに多少の差が生じます。おおむね31万円分までのサービスを、自己負担額のみで利用できると考えておきましょう。

要介護4で受けられるサービスの内容と自己負担額

要介護4で受けられるサービスの内容と自己負担額

要介護4になると生活の多くで介助が必要になり、サービスの利用頻度も増えます。ここでは、具体的なサービスの種類や費用の考え方を解説します。

要介護4で受けられるサービスとは

要介護4の方は身体機能の低下により、身体介助と医療連携の手厚い支援が欠かせません。 利用できる主なサービスは以下のとおりです。

サービス区分 サービス名 要介護4での役割・内容例
在宅サービス 訪問介護・看護 自宅での排泄(はいせつ)介助などの生活介助、医療的ケア、褥瘡処置
通所介護(デイサービス) 施設での食事提供や特殊浴槽を用いた入浴介助
定期巡回型訪問介護看護 24時間体制での巡回や、緊急時の随時訪問
短期入所(デイサービス) ご家族の休息(レスパイト)を目的とした数日の宿泊
施設サービス
(公的施設)
特別養護老人ホーム 原則要介護3以上が対象。終身にわたる生活支援
介護老人保健施設 在宅復帰を目指し、リハビリや医療ケアを集中提供
介護医療院 長期的な医療ケアと介護の両方を必要とする方向け

ご家族の介護負担を軽減するためにショートステイを定期的に利用するケースは多くみられます。
限度額の範囲内でどのような生活が送れるのか、例をもとに解説します。

【ケース1:独居の方を支える24時間見守りモデル】
一人暮らしの高齢の方を、定期的な巡回とコール対応で支えるプランです。

サービスの種類 回数・頻度の目安 費用の目安(単位)
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 1日複数回の訪問+24時間対応 約25,200単位
訪問看護(連携) 週1〜2回の体調管理 定額に含む(または追加)
福祉用具レンタル 特殊寝台(ベッド)、徘徊感知器 約3,000単位
合計 - 約28,200単位

【ケース2:家族の身体的負担を抑えるレスパイト(休息)モデル】
同居や近居で、ご家族の介護負担(力仕事や夜間の対応)を軽減するプランです。

サービスの種類 回数・頻度の目安 費用の目安(単位)
訪問介護(身体介助) 週5回(月20回) 約11,000単位
短期入所(ショートステイ) 月1週間(7日間) 約7,000単位
通所介護(デイサービス) 週2回(月8回) 約6,000単位
福祉用具(リフト、マット) 移乗リフト、床ずれ防止マット 約4,500単位
合計 - 約28,500単位

参考:『介護報酬ハンドブック』(シルバー産業新聞社)をもとに計算

要介護4の自己負担の考え方

サービス利用時の支払額は、保険が適用されるサービス費用と、全額自己負担となる実費の合計で決まります。

  • 介護保険が適用される費用(1〜3割負担)
    ・国が定めたサービスごとの料金
  • 全額自己負担となる費用(10割負担)
    ・在宅で生活する場合のおむつ代、日常生活用品費
    ・施設利用時の食費、居住費、理美容代など

利用者は総額のうち、負担割合に応じた金額を支払います。一方で、おむつ代や施設での食費は保険が適用されないため、実費を含めた総額を事前にシミュレーションしておくことで、家計の不安を解消しやすくなります。

要介護4で生じやすいお金の不安と相談窓口

要介護4で生じやすいお金の不安と相談窓口

要介護4の状態では生活全般に介助が必要なため、ご家族の精神的、経済的な負担が増大しがちです。ここでは、直面しがちな金銭的な悩みや、一人で抱え込まずに頼れる相談窓口を解説します。

要介護4で生じやすいお金の不安

重度の介護を要する生活では、支出の増加に加え、仕事との両立に伴う家計への影響が不安の要因となります。

ご家族は以下のような不安に直面しやすいです。

  • 介護保険サービスの自己負担額増
  • おむつ代など保険外の生活備品の購入費
  • 働き方の調整や勤務制限に伴う減収の懸念
  • 将来的な施設入居への費用的な備え

在宅介護を継続する場合、おむつ代やショートステイの利用料などの出費は増えていきます。ご家族の仕事については、雇用形態を変える方もいれば、介護休業制度を利用してフルタイムを維持する方もいます。どのような形を選択するにせよ、現在の貯蓄で将来の施設費用まで賄えるのか、多くのご家族に共通してみられる悩みです。

お金に関する相談窓口

お金の悩みはデリケートですが、専門職へ早めに相談することで、制度を活用した解決策がみつかる可能性が高まります。
代表的な相談窓口は以下のとおりです。

  • 地域包括支援センター
  • 市区町村社会福祉協議会
  • 市区町村の介護保険課、高齢福祉課
  • ケアマネジャー(介護支援専門員)

地域包括支援センターは高齢の方やご家族を支える総合相談窓口です。社会福祉協議会と連携した制度の案内なども行っています。

社会福祉協議会は、生活福祉資金貸付制度など、低所得世帯の生活を維持するための公的な貸付相談を受け付けています。

市区町村の介護保険課や高齢福祉課は、負担限度額認定証の発行や高額介護サービス費の申請手続きなど、制度の利用申請や認定手続きの窓口です。自治体独自の紙おむつ支給事業や家族介護慰労金制度がある場合、詳細を確認できます。

また、ケアマネジャーは家計の状況に合わせたケアプランの調整を担うパートナーです。経済的な限界を率直に伝えることで、負担を抑えながら必要なケアを受ける方法を検討できます。

要介護4の介護にかかるお金を軽減する制度と手続き

要介護4の介護にかかるお金を軽減する制度と手続き

要介護4はサービスの利用頻度が高まり、家計の負担が重くなりがちです。しかし、国や自治体の制度を正しく活用すれば、支払ったお金の還付や税金の軽減を受けられる場合があります。ここでは、経済的な不安を軽減するために知っておくべき4つの軽減策を解説します。

高額介護サービス費制度

1ヶ月の介護保険サービスの自己負担額が一定の上限を超えた際、超過分が払い戻される仕組みです。家計の負担を一定額に抑えられるため、重度の介護を必要とする世帯を支える制度です。
高額介護サービス費制度の主な特徴は以下のとおりです。

  • 世帯の所得状況に応じた上限額の設定
  • 同じ世帯に複数のサービス利用者がいる場合の合算
  • 申請による後日の還付

負担の上限額は所得区分で決まります。一般的な所得世帯(住民税課税世帯)であれば、1ヶ月の上限額は44,400円です。一度申請すれば、以降は自動的に超過分が指定口座へ振り込まれます。

特別障害者手当

精神や身体に著しく重い障害があるため、日常生活で常時特別な介護を必要とする方に支給される手当です。介護保険制度とは別の福祉制度で、在宅介護における貴重な現金給付です。
特別障害者手当に関する主な要件は以下のとおりです。

  • 20歳以上の在宅生活者が対象
  • 月額28,840円の支給
  • 本人や配偶者、扶養義務者の所得制限

要介護4であれば認定基準を満たす可能性があり、年間で約35万円の受給は大きな助けとなります。ただし、施設に入所している場合や3ヶ月を超えて入院している場合は対象外です。申請には医師の診断書が必要なため、市区町村の福祉窓口へ早めに相談しましょう。

医療費控除

一年間に支払った医療費や介護費用が一定額を超えた際、確定申告を行うことで所得税や住民税が軽減されます。生計を同じくするご家族の分を合算して申告できるため、世帯で所得が高い人がまとめて手続きすると節税効果が大きくなります。

医療費控除の対象となる主な費用は以下のとおりです。

  • 訪問看護(医療保険適用の場合)などの医療系サービス費用
  • 医師が証明したおむつ代
  • 特定の介護施設で支払ったサービス費や食費の2分の1相当

要介護4で欠かせないおむつ代も、医師が発行するおむつ使用証明書があれば控除の対象に含まれます。ドラッグストアで購入した際の領収書も有効です。2年目以降は、自治体が発行する確認書で代用できる場合もあります。還付を受けるため、領収書は保管しましょう。

そのほかの支援制度

介護保険や直接的な手当以外にも、世帯の状況に合わせて負担を抑えられる仕組みがあります。
活用を検討したい制度や工夫は以下のとおりです。

  • 高額医療・高額介護合算療養費制度
  • 障害者控除(自治体の認定による適用)
  • 特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)
  • 自治体独自の家族介護慰労金や紙おむつ給付

高額医療・高額介護合算療養費制度は、医療費と介護費の年間合計が基準を超えた場合、超過分が戻ります。

障害者手帳がなくても、要介護認定を受けていれば所得税の障害者控除を受けられる場合があります。要介護4なら自治体の確認書により特別障害者として扱われ、40万円の控除が適用される場合もあります。さらに、施設利用時は負担限度額認定の申請で、食費や居住費の大幅な減額が見込めます。

また、自治体によっては、要介護4以上の方を自宅でお世話しているご家族に対し、家族介護慰労金を支給する制度を設けています。ただし、この慰労金は一年間介護保険サービスを利用しなかった場合などの条件が付く場合が多いため、お住まいの市区町村の窓口で詳細を確認しましょう。そのほか、紙おむつの現物支給や購入費の助成を行う自治体も多く、これらの活用で日々の消耗品費を抑えられます。

まとめ

まとめ

要介護4の介護は、サービスを受ける現物給付が基本です。区分支給限度額の範囲で訪問介護やデイサービスをご本人の状態に合わせて組み合わせ、限度額内であれば所得に応じた1〜3割の負担で利用できます。超過分は全額自己負担となるため、ケアプランの調整が重要です。高額介護サービス費制度や特別障害者手当、医療費控除、障害者控除などを活用すれば、負担を軽減できます。適用要件や申請方法はケアマネジャーに確認し、漏れなく手続きしましょう。

介護とお金の問題は、ご本人の状態や世帯の状況で解決策が異なります。一人で悩まず地域包括支援センターなどへ相談し、適切な制度の活用で、経済的な不安を和らげ、心にゆとりを持って介護と向き合えるようになります。

この記事の監修社会福祉士