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在宅か施設か介護の場所を悩んでいる方へ|サービスの差や、メリット・デメリットを解説

 公開日:2026/02/06
在宅か施設か介護の場所を悩んでいる方へ|サービスの差や、メリット・デメリットを解説

高齢の家族を介護する際、「自宅で世話を続けるべきか、それとも施設に預けるべきか」と悩む方は少なくありません。介護は長期戦になることが多く、どのような環境で介護するかによって家族の負担や本人の生活環境が大きく変わります。在宅介護と施設介護にはサービス内容や費用、メリット・デメリットに違いがあり、それぞれに向き不向きがあります。本記事では在宅介護と施設介護の違いや特徴について解説します。

小田村 悠希

監修社会福祉士
小田村 悠希(社会福祉士)

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・資格:社会福祉士、研修認定精神保健福祉士、介護福祉士、福祉住環境コーディネーター2級
・経歴:博士(保健福祉学)
これまで知的障がい者グループホームや住宅型有料老人ホーム、精神科病院での実務に携わる。現在は障がい者支援施設での直接支援業務に従事している。

在宅介護と施設介護|サービス内容の違い

在宅介護と施設介護|サービス内容の違い

在宅介護の定義を教えてください

在宅介護とは、老人ホームなどの施設に入所せず、自宅で家族が介護を行うことを指します。住み慣れた自宅や地域で過ごせるため、要介護者本人の精神的な安定や生活の質(QOL)に寄与しやすい点が特徴です。一方で、介護する家族にとっては24時間365日休みなくお世話をする負担が発生するため、専門知識の不足も相まって介護の負担が大きくなることもあります。

在宅介護の場合はどのような支援を受けられますか?

在宅介護では、公的介護保険などを利用して多様なサービスを組み合わせることが可能です。主なサービスとしては、ヘルパーや看護師が自宅を訪問し、身体介護や生活援助、健康チェック、医療的ケアなどを行う訪問系サービスがあります。

また、デイサービスやデイケアなどの施設に日中通い、食事や入浴の介助、機能訓練、レクリエーションなどの支援を受ける通所系サービスは、要介護者の日中活動の場を提供するとともに、介護者の負担軽減(レスパイト)にも役立ちます。

さらに、一定期間だけ介護施設に宿泊して介護を受ける短期宿泊(ショートステイ)は、家族の休養や緊急時の預かり先として活用できます。そのほかにも、介護ベッドや車いすなどの福祉用具のレンタルや購入、自宅の段差解消や手すりの設置などの住宅改修も支援の一部です。

これらの在宅サービスは、要介護度や利用者の状態に応じて利用できる頻度や自己負担額が異なります。ケアマネジャーが要介護者や家族と相談しながら、必要なサービスを組み合わせたケアプランを作成してくれるため、状況に合わせて柔軟に支援を受けられるのが在宅介護の大きな強みです。

施設介護とは何ですか?

施設介護とは、特別養護老人ホームや有料老人ホーム、介護老人保健施設など介護施設に入所して専門スタッフによるケアを受ける形態です。介護保険法に定められた介護保険施設や、認可外の有料老人ホームやグループホームなどで、食事、入浴、排泄など日常生活上の介助や機能訓練、健康管理、療養上の世話など包括的な介護サービスが提供されます。要介護者はその施設で生活し、食事やお風呂、リハビリやレクリエーションまで含めたケアを受けます。

施設介護で受けられる支援やサービスを教えてください

施設介護の最大のメリットは、介護福祉士、看護師、理学療法士などの専門職による24時間体制のケアが受けられる点です。食事、入浴、排泄などの日常生活全般の介助に加え、下記の支援やサービスを受けることができます。
  • 看護師による健康管理や痰の吸引や経管栄養などの医療的ケア
  • 機能訓練指導員によるリハビリ
  • 管理栄養士による栄養管理と食事サービス
  • 生活相談員による心理的サポート

これら多岐にわたる手厚いサービスがチームで提供されます。夜間の見守りや緊急時の対応も可能で、家族の負担を軽減し、適切な環境で生活できます。

在宅介護と施設介護のメリット・デメリットを比較

在宅介護と施設介護のメリット・デメリットを比較

在宅介護のメリットとデメリットを教えてください

在宅介護のメリットは、住み慣れた環境での精神的安定と、介護サービスの内容や頻度を柔軟に調整できる自由度、そして施設に比べて費用を抑えられる経済性です。

一方、デメリット(課題)としては、介護者である家族に24時間体制の肉体的および精神的負担が集中し、介護離職や共倒れのリスクを伴う点、また、専門職が常駐しないため、急変時の対応や重度の介護には限界がある点が挙げられます。

在宅介護を続けるには、メリットを活かしつつ、家族が無理なく介護を継続できるよう、公的サービスを積極的に利用し、負担軽減を図ることが重要です。

施設介護にはどのようなメリットとデメリットがありますか?

施設介護のメリットとしては、介護や看護の専門家による24時間体制のケアが受けられることがあるでしょう。また、家族の介護負担が軽減され安心感を得られること、バリアフリー設計や栄養管理された食事などで安全かつ快適な生活環境が提供され社会的な孤立感の緩和にもつながることなどもメリットとして挙げられます。

一方、デメリットとしては、在宅介護より費用負担が大きくなること、住み慣れた環境を離れるストレスや環境変化への適応が必要なこと、集団生活のため個人の自由が制限される場面があることが挙げられます。

これらメリットとデメリットを抑え、施設選びは、費用、本人の性格や希望を考慮し、入居前に確認することが大切です。

在宅介護と施設介護の費用負担

在宅介護と施設介護の費用負担

在宅介護にはどの程度の費用がかかりますか?

在宅介護の費用は、サービス内容や要介護度、家族の関わり方で大きく変わります。主な費用は、生活費に加え、訪問介護などのサービス自己負担、消耗品費、福祉用具レンタル料、住宅改修費などです。

生命保険文化センターの調査では、在宅介護の月々費用は平均約5.3万円ですが、これは家族が担う部分が多いケースです。要介護度が高くサービス利用が多い場合、月10万円以上になることも珍しくありません。

また、同調査では、在宅介護開始時にはバリアフリー改修や介護用品購入などで平均約47万円の一時的な初期費用が発生しています。これらは介護保険の給付金が利用できる場合があるため、ケアマネジャーへ相談するとよいでしょう。

施設介護にかかる費用の目安を教えてください

在宅介護の費用は、サービス内容や要介護度、家族の関わり方で大きく変わります。主な費用は、生活費に加え、訪問介護などのサービス自己負担、消耗品費、福祉用具レンタル料、住宅改修費などです。

生命保険文化センターの調査では、在宅介護の月々費用は平均約5.3万円ですが、これは家族が担う部分が多いケースです。要介護度が高くサービス利用が多い場合、月10万円以上になることも珍しくありません。

また、同調査では、在宅介護開始時にはバリアフリー改修や介護用品購入などで平均約47万円の一時的な初期費用が発生しています。これらは介護保険の給付金が利用できる場合があるため、ケアマネジャーへ相談するとよいでしょう。

『介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?』(公益財団法人 生命保険文化センター)

在宅介護にはどの程度の費用がかかりますか?

施設介護の費用は、施設の種類やサービス内容によって異なりますが、基本的に初期費用と月々の利用料がかかります。初期費用については、民間の有料老人ホームなどでは入居一時金が必要になることがありますが、初期費用が不要な施設もあります。

一方、特別養護老人ホームなどの公的施設では入居一時金は不要です。月々の費用には、居住費、食費、管理費、介護サービス利用料、お小遣い、医療費自己負担分などが含まれ、平均月額は約13.8万円です。高級志向の施設では月額が40~50万円かかる場合もあります。施設介護の費用は幅広いため、入居前には必要な介護サービスや施設のグレードを確認し、介護保険でカバーされる範囲と自己負担となる範囲を確認することが重要です。

『介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?』(公益財団法人 生命保険文化センター)

在宅か施設か選べないときの対処法

在宅か施設か選べないときの対処法

本人にとって在宅と施設はどちらがよいのでしょうか?

在宅介護と施設介護の選択は、本人の健康状態、介護度、性格、希望、家族のサポート体制によって異なります。

在宅介護は、本人が自宅で暮らしたいという強い希望を持ち、介護度が軽度な場合に適しています。住み慣れた環境での生活は安心感につながりますが、家族だけで抱え込まず、外部の支援を積極的に利用し、無理のない体制を整えることが大切です。

一方、施設介護は、常時介護や医療ケアが必要な状態、夜間の徘徊などで家族の生活が困難な場合、または本人が専門的なケアを望む場合に適しています。認知症で夜間の対応が必要なケースや、経管栄養・痰吸引などの専門的な医療ケアが日常的に必要なケースでは、施設の方がよいでしょう。施設には医療従事者が常駐している場合もあり、健康管理や緊急対応が充実しています。

いずれの場合も、在宅と施設のメリットとデメリットを理解し、本人の状態と意思を尊重して判断することがとても重要です。主治医やケアマネジャーと相談し、本人にとって何が最善かを話し合いましょう。

在宅介護にするか施設介護にするか決められないときはどうすればよいですか?

在宅か施設かで迷ったら、地域包括支援センターやケアマネジャー、主治医などに相談しましょう。また、ショートステイなどを利用して施設を体験し、本人の適応度や家族の負担軽減効果を確認しましょう。気になる施設は見学や体験入居を重ねて比較検討するのがおすすめです。最も重要なのは、本人と家族の気持ちを率直に話し合い、双方が納得できる妥協点を探ることです。

編集部まとめ

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在宅介護と施設介護のどちらにも長所と短所があり、適切な選択肢は介護を受ける本人と支える家族の状況によって異なります。在宅介護は本人が住み慣れた環境で過ごせる安心感がある反面、家族に大きな負担がのしかかります。一方、施設介護はプロの手で手厚くケアしてもらえる安心感があるものの、経済的負担や環境の変化といったハードルがあります。それぞれの特徴を理解し、無理のない範囲で在宅サービスを利用したり、必要に応じて施設の力を借りたりしながら、決して一人で抱え込まないことが何より大切です。最近では自治体や地域包括支援センターによる相談支援も充実しており、ショートステイなど一時利用で家族の休息を確保する仕組みも整っています。「在宅か施設か」で悩みすぎず、状況に応じて柔軟に選択肢を検討し、みんなが笑顔でいられる介護の形を模索しましょう。

この記事の監修社会福祉士