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精神科と心療内科の違いとは?症状例を元に対処方法について解説

 公開日:2023/12/15

精神科と心療内科は、どう違うのだろう?と思ったことはありませんか?
本記事では、精神科と心療内科の違いについて、以下の点を中心にご紹介します!
・精神科と心療内科のそれぞれの症例
・精神科と心療内科のどちらを受診すべきか
・病院を受診する前のセルフチェック
精神科と心療内科の違いについて理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

伊藤 有毅

監修医師
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)

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専門領域分類
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医

精神科について

精神科について

精神科とは、どのような症例を扱うのでしょうか。
以下で詳しく解説します。

精神科とは

精神科は、精神疾患を専門に治療する診療科であり、不安や落ち込みなどの症状から幻覚や妄想まで心の病気を扱っており、アルコールや薬物依存症も対象となります。
精神科は精神神経科とも呼ばれ、気分症状、精神症状、認知症、不安障害、心の病気などを診療します。
精神科医は、症状や経過を観察し、必要に応じて検査を行い、適切な診断を行います。
治療法には、薬物療法、認知行動療法、精神分析療法、対人療法、家族療法などがあり、症状や疾患に応じて選択されます。
精神科と心療内科は、診療内容や診療対象が異なりますが、患者が正しい診療を受けるためには、自分の症状や状態を正確に理解し、適切な医療機関を選択することが重要です。

精神科が担当する主な症例

精神科が担当する主な症例として、幻覚や幻聴、気分の落ち込みや不安、睡眠障害、集中力の低下、認知症などがあります。
また、物忘れや食欲不振、暴飲暴食などの身体異常も、精神疾患が原因となっている場合があります。
具体的には、不安障害やうつ病、双極性障害などの気分障害、統合失調症や強迫性障害などの精神病理、摂食障害や睡眠障害などの生理的な要因による症状性障害、発達障害やパーソナリティ障害などの人格障害などがあります。
そして老年期うつ病や認知症などの高齢者における病気も対象となります。
精神科では、患者の病状を詳しく聴取し、必要な場合には身体検査や検査検査を行うことで診断を行います。
治療においては、薬物療法や認知行動療法、精神分析療法などの方法があり、患者の症状や病気に応じて適切な治療法を選択します。
これらの症状に悩んでいる方は、精神科を受診し、適切な治療を受けることが大切です。

精神科の診療科目と診療内容

精神科は、心に関連する病気や症状について診察・治療を行う医療機関です。
主な診療対象は、緊張病、精神障害、知的障害、発達障害、認知障害などです。
精神科医は、患者の症状を詳しく聞き取り、必要に応じて医学的検査を行います。
血液検査、画像検査、心電図検査、脳波検査などが行われ、適切な治療や回復を目指します。
精神科では、薬剤療法や心理療法などが一般的な治療法として使用されます。
薬剤療法では、薬剤を用いて症状の改善や回復を目指します。
心理療法では、心理カウンセリング、行動療法、認知療法、精神分析療法などがあります。
また、入院治療も必要な場合があります。
精神科医は、専門的な知識を持ち、患者の症状を診断し、治療を行います。
治療は、患者や家族に対して丁寧な説明を行うことも重要です。
精神科では、精神保健福祉士や看護師、臨床心理士、作業療法士、音楽療法士などの専門職員も関わります。
複数の専門家が協力して治療し、患者の回復を支援することが大切です。

心療内科について

心療内科について

一方で、診療内科はどのような症例を扱っているのでしょうか。
以下で詳しく解説します。

心療内科とは

心療内科は、心身症を中心に、身体に症状があらわれる心理的なストレスに対する治療を行う診療科です。
特定の場所や状況で身体に症状があらわれる場合や、検査結果に異常が認められない身体の不調の場合は、心療内科を受診することが適切です。
心療内科は、心理療法やカウンセリング、ストレスマネジメントなどを含めた総合的な治療を提供します。
心療内科医は、身体症状やストレスの状況を詳しく聞き取り、必要に応じて身体検査や血液検査などを行い、適切な診断を行います。
治療法には、心理療法、カウンセリング、薬物療法、運動療法、リラクゼーション法、食事療法などがあり、患者の状態や症状に応じて選択されます。

心療内科が担当する主な症例

心療内科は、身体疾患でストレスが関与するもので発症した心身症や、摂食障害などを主に診療対象としています。
心療内科が扱う主な症例は、自律神経失調症による倦怠感や疲労感、動悸や胸の圧迫感、手足のしびれや震え、めまいや耳鳴り、喘息、腹痛や下痢などです。
心療内科医は、内科医が中心となって身体・心理・行動の三面から診療を行い、不定愁訴や自律神経失調症、慢性疲労症候群などの症状を診察します。
また、ストレスによる心身症によって、人間関係の問題で悩んで気分が沈んだり、朝に下痢が起こったりする症状も心療内科の対象となります。
自律神経失調症の場合、不調が放置されると、心の病気に進行することもあるので、早めに診療を受けることが重要です。
内科医が中心となって身体面から治療を行うことが多いです。
ただし、精神科と心療内科の診療領域は重複するため、どちらで受診すべきかわからない場合は、クリニックや病院の窓口に電話をして問い合わせることをおすすめします。

心療内科の診療科目と診療内容

心療内科は、身体的な症状が心理的な要因によって引き起こされる「心身症」と呼ばれる疾患や、うつ病、不安障害、睡眠障害、摂食障害などの心の病気を診断・治療する診療科です。
心療内科の診療には、心理療法やカウンセリング、薬物療法、リラクゼーション法、体操療法などがあります。
心身症は、ストレスや心理的な負担が原因で、不定愁訴や慢性疲労、頭痛、腹痛、めまい、吐き気など身体的な症状が現れる病気です。
心療内科は、身体的な症状と精神的な状態の関係を把握し、患者の心身の健康を回復させる治療を行います。
カウンセリングや心理療法は、患者の心理的な問題に対して対話を通じて支援する方法であり、薬物療法は、抗うつ薬や抗不安薬などの薬を使用して治療する方法です。
リラクゼーション法や体操療法は、患者の身体的な状態を改善するための方法です。
心療内科には、日本心療内科学会に所属する医師が診療を行っています。
日本心療内科学会は、心身症や心の病気に特化した医学団体であり、心療内科の医師養成にも取り組んでいます。
また、病院によっては、心療内科の診療が行われていることもあります。

精神科と心療内科の違いや受診

精神科と心療内科の違いや受診

ここからは精神科と心療内科の違いや受診について紹介していきます。

精神科と心療内科の違い

精神科と心療内科は、治療方法に大きな違いはなく、薬物療法や精神療法が中心です。
精神科は精神病圏や神経症性障害などの精神疾患を扱い、心療内科は心身症を主に扱います。
最近では、両方の科が併設されるクリニックも増えており、治療の入り口としてはどちらを選んでも良いです。

精神科と心療内科の治療期間の違い

治療期間については、一概には言えませんが、精神科と心療内科で治療期間に差があるというわけではありません。
治療期間は、患者さんの症状や状態によって異なります
ただし、精神科では、精神症状が中心の患者さんが受診するべきであり、心療内科では、身体症状が中心の患者さんが受診するべきとされています。

精神科と心療内科のどちらで受診するか迷った場合

心と身体の症状の両方がある場合は、精神科と心療内科どちらを受けるか迷うことがあります。
心の症状が主体の場合は精神科、身体症状が強い場合は心療内科を受診した方がよいでしょう。
精神科と心療内科が併設されている病院もありますが、電話で相談する際には症状を伝え、良い方へ案内してもらうのがおすすめです。

精神科と心療内科の入院治療と医師の資格の違い

精神科と心療内科の入院治療と医師の資格の違い

ここからは、精神科と心療内科の入院治療と医師の資格の違いについて紹介していきます。

入院治療について

精神科と心療内科では、うつ病などの精神症状を中心に治療を行いますが、専門的な薬物療法や精神療法が必要な場合は、精神科での治療が適切です。
入院治療においては、治療に専念できる環境で、患者の症状に応じた専門的な治療を受けられます。
入院治療のメリットとして、治療に専念できることが挙げられます。
患者の日常生活におけるストレスや負担が少なく、専門的な治療を受けながら、心身ともに回復を目指せます。
また、治療に専念するために休職することが難しい場合や、治療に必要な施設や設備が自宅にない場合など、入院治療を選択できます。

精神科の入院治療

精神科の入院治療では、患者に合わせた専門的な治療が提供されます。
薬物療法や精神療法に加え、作業療法や生活指導、対人関係の改善、娯楽参加、悩みや心配事の傾聴なども行われます。
患者の症状や状態に合わせて治療方針を立て、適切な治療を提供することが目指されています。

心療内科の入院治療

心療内科の入院治療においても、うつ病や不安障害などの精神症状に対する専門的な治療が提供されます。
薬物療法や精神療法の他に、ストレスマネジメントやリラクゼーション法、認知行動療法なども行われます。
患者の症状や状態に合わせて治療方針を立て、最適な治療を提供することが目指されています。

精神科と心療内科の医師の資格の違い

精神科医と心療内科医の資格要件に明確な違いは定められていません
しかし、精神科医と心療内科医の診療内容には違いがあります。
精神科医は、主に精神症状が中心の患者を診療対象としており、専門的な薬物療法や精神療法が必要とされる場合があります。
一方、心療内科医は、主に身体症状が中心の患者を診療対象としています。
心療内科医は、身体症状に対する心理的アプローチを用いた診療を行うため、ストレスや心理的な問題によって引き起こされる身体的な不調や疾患について診察や治療を行います。
精神科医と心療内科医は、患者の症状や疾患に合わせて適切な診療を提供するために存在します。
精神科医は、精神症状を中心に治療を行い、心療内科医は身体症状に対する心理的なアプローチを用いた診療を行います。
両者の専門性を理解し、必要に応じて適切な医療を受けることが大切です。

精神科と心療内科を受診する前のセルフチェック

精神科と心療内科を受診する前のセルフチェック

セルフチェックを行うと言っても、症状によってチェックする項目が変わってきます。
以下から一例を示すので、参考にしてください。
うつ病:
抑うつ、意欲低下、不眠など
うつ病のセルフチェックは、自分自身の状態を客観的に把握するための手段です。
自己評価によって、自分がうつ病にかかっている可能性が高いかどうかを判断できます。
具体的には、睡眠、食欲や体重の変化、精神運動の落ち込みなどの症状をチェックし、自分自身がうつ病の症状に当てはまるかどうかを確認することが重要です。
また、うつ病の症状は2週間から1ヶ月程度持続することが多いため、自分自身がこの期間中にうつ病の症状を感じているかどうかをチェックすることも大切です。
認知症:
物忘れ、幻視、食事の好みが変わるなど
認知症の初期症状は、自己判断できるでしょう。
自己でできる認知症の気づきチェックリスト、かんたん認知症チェック、認知機能チェック、認知症&MCIの簡易セルフチェック、認知機能セルフチェッカーなどがあります。
これらのチェック方法は、認知症や軽度認知障害(MCI)の早期発見に役立ちます。
早期に発見することで、認知機能の低下を予防するためのトレーニングなどの対策ができます。
依存症:
ネットの中傷にイラつく、ギャンブルによる借金など
これらのセルフチェックはあくまで自己診断であり、正式な診断は医療機関での受診が必要です。
また、依存症の治療には医師やカウンセラーの支援が必要であり、自己治療は危険です。
依存症について不安を感じる場合や疑わしい症状がある場合は、早期に医療機関での受診をおすすめします。
精神科や心療内科を受診する前に、自分自身で症状をチェックすることは重要です。
これらの情報を参考に、自分の症状がどのようなものかを確認できます。
自分自身の症状を理解し、適切な医療機関で適切な治療を受けることが、早期回復につながります。

精神科と心療内科の違いまとめ

精神科と心療内科の違いまとめ

ここまで、精神科と心療内科の違いについてお伝えしてきました。
精神科と心療内科の違いの要点をまとめると以下の通りです。
・精神科は幻覚や不安、集中力の低下、物忘れや食欲不振などの症例を扱い、心療内科は倦怠感や動悸、めまいや耳鳴りなどの症例を扱う。
・心の症状であれば精神科、身体症状であれば心療内科を受診する。
・病院を受診する前には、身体面・精神面・行動面それぞれの症状をセルフチェックすることが重要である。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修医師