【闘病】ただの「ささくれ」と侮っていたら右手が全く使えない状態に…(1/2ページ)

誰もが一度は経験したことのあるであろう「ささくれ」ですが、傷からばい菌が入ると赤く腫れ上がり、ひどくなると指を切断しなければならなくなることもあるそうです。ささくれからの感染症の「爪周囲炎(ひょう疽)」を経験した太田さんに、発症や治療時などの話を聞きました。
※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2024年2月取材。

体験者プロフィール:
太田 朱音
1999年12月4日生まれ。神奈川県在住。ささくれから菌が入り、膿がたまる。2024年1月26日、病院を受診したところ、「爪周囲炎」と診断された。

記事監修医師:
相原 大和(緑風荘病院)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。
小さなささくれのはずが、気がつくと…

編集部
最初に不調や違和感を感じたのはいつですか? どういった状況だったのでしょうか?
太田さん
そもそもの始まりは1月中旬だったと思います。ふとした拍子に、右手にささくれができていることに気づきました。誰もが一度は目にしたことのある、ごく普通のささくれでした。私の場合、当時は冬だったので空気が乾燥していたことや、年末年始の食生活の乱れが要因となっていたのだと思います。その時は「ささくれができちゃった」程度で深く考えることなく、そのまま様子を見ていたのですが、1月の下旬頃に指先に痛みを感じ、見てみると右手の中指が赤く腫れていました。
編集部
受診から、診断に至るまでの経緯を教えてください。
太田さん
「虫に刺されて少し腫れてしまった」というレベルではなく、パンパンに腫れていて、熱感もあったので、1月26日に近くの病院の整形外科を受診し、その場で「爪周囲炎」という感染症だと医師から診断されました。
編集部
どのような病気だと診断されたのですか?
太田さん
爪の周辺にできた小さな傷から菌が入り、炎症反応となって腫れや痛みが起きる感染症です。おもに、黄色ブドウ球菌やレンサ球菌、大腸菌、緑膿菌による感染が多いようで、感染すると患部は赤く腫れて痛みを伴い、症状が進行すると「膿」がたまります。手が荒れがちな人や水仕事の多い人がなりやすい傾向にあるそうです。
右手が全く使えない状態に

編集部
どのように治療したのですか?
太田さん
私の場合、受診した時には、赤く腫れているだけでなく中に膿が溜まっていたので、専用の針を使い、患部である右手の中指を刺して溜まっていた膿を押し出してもらいました。その後しばらくは、また感染して炎症を起こす可能性があるということで、化膿止めを使い、細菌が入らないよう絆創膏で保護するようにと指示されました。
編集部
「ささくれ」が大変なことになりましたね。
太田さん
はい。本当にただのささくれだと思っていたのでショックでした。針を刺した時も、膿を押し出した時もとても痛く、処置後しばらく経っても痛みが治まりませんでした。
編集部
生活に支障は出ましたか?
太田さん
出ました。右手が全く使えない状態だったので、すべての家事や作業を左手だけで行わなければなりませんでした。右利きだったので、食事や服を着る時(ボタンかけなど)など、思うように手が使えず、とても大変でした。せめて利き手でない左手だったらもう少し色々できたのではないかと思います。

