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定期的な内視鏡検査で大腸がんは予防できる!

 更新日:2023/03/27

食生活の欧米化にともなって大腸がんの患者数が増加しています。定期的に大腸がんの内視鏡検査を受けた方が良いということはわかっていても、仕事に忙殺されて、または怖いというイメージがあって、検査を受けていないという方が多いのではないでしょうか。怖いというイメージの大腸がんの内視鏡検査ですが、実際にはどういうものなのか。内視鏡検査では大腸のどのような疾病がわかるのか、また、検査の流れなども解説します。大腸がんの内視鏡検査についてMedical DOC編集部がお届けします。

この記事の監修医師
中村 靖幸 (中村クリニック 院長)

内視鏡検査でわかる大腸の主な疾病

大腸内視鏡検査でわかる疾病「大腸憩室症」

ポリープは腸の内側にできますが、大腸憩室症は腸の外側に向かってポケット状に憩室ができる症状です。大腸の壁は4mmから5mmほどで、筋肉の蠕動運動によって消化物を肛門へ移動させています。大腸壁には筋肉の強い部分と弱い部分があり、弱い部分が圧力で外に押し出されることで大腸憩室が発生します。大腸憩室は珍しいものではなく、高齢になるにつれて増加します。自覚症状などはなく、普段の日常生活に支障はありませんが、たまに大腸憩室に便が溜まり炎症を起こす場合があります。また、まれに炎症部分に穴があいて、腹膜炎などの重大な疾病を引き起こすことがあります。

大腸内視鏡検査でわかる疾病「大腸ポリープ」

大腸だけでなく胃などにもポリープができます。胃の場合は良性のものが多く切除しなくても良い場合がほとんどです。しかし、大腸にできるポリープは徐々に大腸がんへと進行していくものが多く、内視鏡検査で見つけ次第その場で切除することがあります。特に腺腫(せんしゅ)と呼ばれるタイプは、大腸がんへ進行する恐れの高いポリープです。

大腸内視鏡検査でわかる疾病「大腸がん」

かつての日本では大腸がんは珍しい病気でした。しかし食生活の欧米化にともない近年は増加傾向にあります。特に女性の場合、臓器にできる「がん」の死亡率1位となっています。開腹手術を行った場合のデータですので、内視鏡で切除した「大腸がん」を入れると、他の臓器よりもはるかに多くなるはずです。大腸がんの発生の仕方には、腺腫(せんしゅ)タイプのポリープが進行する場合と、突如前触れもなく小さい「がん」が発生する場合があります。また、表面型とよばれる扁平で見つけにくい「がん」などもあります。定期的な内視鏡検査によって、がんが進行する前の小さい段階で切除が可能です。小さい「がん」でしたら検査を行いながら見つけ次第、内視鏡の先端に付いた器具で切除できます。

大腸内視鏡検査の流れ

検査日前日から検査日の朝まで

下痢や便秘を繰り返すなどの腸に不安を感じたら、医師に相談してください。医師に相談して大腸がんの内視鏡検査を行うことになったら、検査の前日から、検査を受ける準備が始まります。検査日の前日は17時頃に消化の良い食事をして、それ以降は検査が終了するまで食べてはいけません。場合によっては下剤を飲んで就寝することもあります。指定された薬剤を服用して、腸内をきれいにします。検査当日の朝は、水分のみで食事はできません。着替えがしやすい服装で病院へ向かいましょう。

検査日当日・検査室に到着してから検査終了まで

検査日に病院に到着したら、場合によっては前処置室で下剤を服用して腸内をきれいにします(自宅できれいにして検査に臨む場合もあります)。数回に分けて下剤を2リットルほど服用して、腸内をきれいにします。何度かトイレに通ううちに、便が透明な液体になってきます。前処置が終わったら、検査着に着替えて検査室に入り、大腸がん内視鏡検査の受診です。肛門にジェル状の薬剤を塗布して、内視鏡を腸に挿入して検査を行います。検査時間は10分程度です。モニターに腸内が映し出されます。医師によっては説明してくれる場合があるので、受診者は自身の腸内を見ながら説明を聞いて検査を受けることが可能です。

検査終了後

検査が終了したら、横になって休憩する場合があります。休憩後、医師による検査結果の説明が行われます。病院によっては検査をしながら説明してくれる場合もあるので、その場合は検査結果の説明が短縮可能です。生研の必要性がある場合は、採取した細胞の検査に数日かかることがあります。検査当日は、車の運転はしないようにしましょう。食事は1時間後から可能です。また、激しい運動なども検査日当日は避けるようにしてください。

実際に行われる大腸がんの内視鏡検査

着替えから検査の実施まで

大腸がんの内視鏡検査を受ける準備が整ったら検査室に案内されます。検査を行う前に鎮痛剤を使用する施設としない施設があります。いずれにしろ痛いとか怖いという話は、10年以上昔の話です。現在は検査装置が進化しており、楽に内視鏡検査が受診できるので安心してください。肛門に冷やっとするジェル状の薬剤が塗布されて、二酸化炭素(病院によっては空気の場合もあります)を大腸に注入して膨らませながら、スコープを挿入して行きます。最初に盲腸のあたり、小腸の入口付近までスコープを挿入して、抜きながら大腸内を観察します。

モニターを見ながら説明を聞く

大きなモニターに大腸内が映し出され、医師はそれを見ながらカメラを操作して観察し診断します。見にくい部分はその都度二酸化炭素を注入して腸を膨張させますが、痛みなどはいっさいありません。医師によっては、検査を行いながら説明してくれる場合があります。自身の腸内を見ながら、血色が良いとか、ポリープがあるとか、この唇のような形をしたものは大腸憩室症だといった説明をしてくれます。受診者は自身の腸内を見ながら、「先生、今のは何でしょうか?」といった質問も行えます。検査は10分から15分程度で終了します。観察中にポリープが見つかった場合、大きな物でなければ(5mm程度)、その場で切除する場合もあります。大腸がんの内視鏡検査は、ほとんどが痛みもストレスもありません。ですから、怖がらずに定期的な検査を受診するようにしてください。

検査終了・検査結果の説明や費用について

検査が終了したら、着替えをして休憩することがありますが、そのままイスに腰かけて医師の説明を受ける場合もあります。何も異常がない場合は、5分から10分程度の説明があります。所見によって、検査を受ける期間に変化があるので、医師の説明を聞いて、スケジュールを立てるようにしましょう。「所見では何もないので、次の検査はいつ頃にしましょう」といった具合に検査の時期などを教えてくれます。検査にかかる費用は、7,000円から15,000円ほどです。何も異常がなければ安くなり、ポリープなどの切除があれば料金が加算されます。また、血便などの症状があって検査を受ける場合には、保険適用になるので、さらに安い費用で検査が受診できます。

怖がらずに大腸がんの内視鏡検査を受けましょう

大腸がんの内視鏡検査について、内視鏡検査でわかる大腸の疾病や、検査の流れ、実際の検査状況などについて解説してきました。昔は日本人の大腸がんの罹患率は少ない状況でしたが、近年は食事の欧米化や生活習慣の悪化などで急増しています。特に女性の増加率が高く、便秘に悩む女性が多いことなどもその要因として考えられます。

大腸がんは自覚症状の少ない疾病です。大腸に不安がある人も、ない人も、定期的な受診をおすすめします。先述しましたが、検査機器の進化や技術の進歩で、大腸がんの内視鏡検査は痛みやストレスなく受診することが可能です。むやみに怖がらずに定期的に受診するようにしましょう。大腸がんはゆっくりとしたスピードで進行するといわれています。ですから、3年か4年に1度のペースで検査を受ければ十分です。

中村 靖幸 医師 中村クリニック 院長監修ドクターのコメント

大腸内視鏡検査は、機器の進化、挿入法の進歩や鎮静剤の使用により、苦痛のない検査ができるようになりました。治療についても、早期であれば比較的大きなものでも、内視鏡で一括切除でき、完治が望めるようになっています。以前はつらかったとか、知り合いから大変だったと聞いている方もいるかとは思いますが、ためらっていないで
自覚症状が出る前に、ぜひ検査を受けてみてください。

 

監修ドクター:中村 靖幸 医師 中村クリニック 院長

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 中村クリニック

出典:http://www.nakamura-clinic01.com/

電話番号 048-836-2888
住所 埼玉県さいたま市南区根岸3-3-10 ディア・ハイツⅢ1F
アクセス 南浦和駅 徒歩10分
診療時間 8:30-12:30
15:00-18:30
土曜日午後の診療時間は14:00~16:30となります。
休診日 木曜・日曜・祝日
対応検査項目 ・大腸内視鏡検査
・胃内視鏡検査
・経鼻内視鏡検査
・麻酔を用いた(静脈内鎮静法)内視鏡検査
URL http://www.nakamura-clinic01.com/

この記事の監修ドクター

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