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内視鏡って全部一緒じゃないの!?3種類の太さに見る内視鏡の特徴

 更新日:2023/03/27

内視鏡の太さには違いがあり、使い分けされていることをご存知ですか?

口や鼻に肛門と、挿入する患部が違えばケーブルも違います。

内視鏡の操作を行う上でのメリットやデメリットもありますので、どのように選ばれているのかを知っておきましょう。

この記事の監修ドクター:
鈴木 武志 医師 神宮の杜クリニック 院長

内視鏡の構造

内視鏡検査の際、どんなカメラを体に入れられるのか、気になりませんか?

体内に挿入する内視鏡の先端は、以下の4つの部品で構成されています。

対物レンズ

レンズ越しに状態を確認する、内視鏡で最も重要な部分です。CCDなどを用いて映像を映し出します。

ライトガイド

体内は当然ですが、真っ暗です。対象物を照らすために装備しています。

ノズル

検査中でもレンズが洗えるよう、水や空気を出す部分です。

鉗子口

粘液を除く場合の吸引口、器具を取りつけて異物を採取します。

参考:
オリンパス

一般に内視鏡と呼んでいるのは、先端部から伸び、操作するコントローラー部を含めた検査器具一式のことです。

内視鏡には鼻や口から挿入する胃カメラと肛門から挿入する大腸カメラがあり、内視鏡の構造自体は同じでもケーブルの太さが変わります。

内視鏡の太さ比較

挿入する患部によって内視鏡の太さを変えています。

一般的なケーブルの直径は以下の通りです。

経鼻内視鏡 5~6mm
経口内視鏡 7~10mm
大腸内視鏡 10~13mm

経鼻内視鏡

鼻から挿入する胃カメラは、経鼻内視鏡(けいびないしきょう)と呼ばれています。

鼻から入れる場合は細めのケーブルを使用します。

経鼻内視鏡の場合は5~6㎜の細径経鼻内視鏡を使うのが一般的です。

ただ、病院によっては7~10㎜程度のものを使う場合もあります。

経口内視鏡

口から挿入する胃カメラは経口内視鏡(けいこうないしきょう)と言い、直径は7~10mmと太めです。

鼻と口は大きく広さが違いますが、ケーブルの差は半分程度しか差がないのが意外ですよね。

ですが検査をされる側からすると、喉を通過するときに受ける違和感は、その数ミリによって大きく変わってきます。

大腸内視鏡

肛門から挿入する大腸カメラの内視鏡のケーブルは10mm~13mmが一般的です。

大腸内はヒダが多く見づらいので、負担を減らすために空気を入れながら内視鏡を進める医療機関もあります。

また、ケーブル本体は柔らかく、腸の形に添うようになっています。胃カメラと違い、長さは50cm~80cm前後、負担を軽減する目的もあります。

最近では固さが変わるものも用いられ、奥へ進むときもスムーズに挿入できるようになりました。

開発当時の胃カメラの太さ

胃カメラの歴史はオリンパスで始まりました。

戦後間もなく、医師の要望から開発が始まり、1950年には直径6㎜で白黒のフィルムを用いる胃カメラが発表されたのです。

しかし、まだまだ十分といえる機器ではなく、その後も改良が進められ現在の形になりました。

胃カメラの太さによるメリット

そもそも細ければ苦しくならないのですから、「経口内視鏡も細いものを使えばいいんじゃない?」と思いますよね。

ですが太いなりのメリットが当然あります。

経口内視鏡はケーブルが太い分、高性能のカメラを搭載することで、より鮮明な映像を映し出すことができます。

経鼻内視鏡に比べ、経口内視鏡は精度が高いと言われていたのもこのためです。

異物を切除する際なども、直径の太い経口内視鏡の方がスムーズに施術を進められるとされています。

ただ、各医療機器メーカーも経鼻内視鏡の改良を重ね、新機種では経口内視鏡に劣らない性能のモデルも登場しています。

経口内視鏡だからしっかり検査できる、経鼻内視鏡だから見落とすこともある、と判断するのではなく、設備が刷新されているかという点に着目すると良いでしょう。

内視鏡のメーカーについて

内視鏡を製造するメーカーは誰もが一度は耳にしたことのあるところが多いです。

参考:特許庁

オリンパスは胃カメラを実用化したメーカーとして、国内では4割以上と高い割合を占めています。

しかし、世界シェアは7割とより高い数値です。これは、国内に競合の富士フィルムなどがあるためです。

日本には性能の高い内視鏡が広く普及していることもあり、扱う医師の技術は世界的に見ても非常に高いのです。

内視鏡の太さは医療技術の進化で細くなる?

最近では直径1.8mmの内視鏡が発売され、性能の向上もまだまだ期待されています。

一方、ケーブルのないカプセル式の内視鏡が既に一部で実用化されている点も見逃せません。

年々身体に負担のない検査技術が登場するものの、カプセル式ではポリープなどの切除手術が直接行えないため、内視鏡の管を通す方法はまだまだ今後も続くと考えられています。

しばらくは内視鏡を利用した検査を受ける機会が多いと思いますので、それぞれの特性をしっかり理解し、検査や健康維持に役立てましょう。

監修ドクターのコメント

内視鏡検査と聞くと、「がんが見つかったらどうしよう」と、診断結果そのものへの恐怖を覚える方がいらっしゃいます。
しかし、一番の目的はがんの早期発見による「完治」です。がんと診断されるのが怖いからといって先送りしていても、潜在リスクを高めるだけではないでしょうか。
がんは早期なら完治できますので、ぜひ、定期健診の習慣を身につけてください。
もちろん、良性腫瘍であることがわかればその場でご説明いたしますし、同時に切除することも可能です。
また、体内に異物を入れることへの不安感も、ていねいにご説明することで納得いただいております。
何事にも変えがたい「健康であることの幸せ」を、ぜひ実感してみてください。

 

監修ドクター:鈴木 武志 医師 神宮の杜クリニック 院長

内視鏡検査でおすすめの医院 関東編

神宮の杜クリニック

電話番号 03-5413-7275
住所 東京都渋谷区神宮前1-19-11 はらじゅくアッシュ7F
アクセス JR山手線 原宿駅 竹下口前 徒歩0分
診療時間 【平日】9:00~13:00/15:30~19:00
【水・土】9:00~13:00
※予約制
休診日 水曜日午後・土曜日午後、日曜日・祝日は予約の方のみ(水曜日は慈恵会医科大学病院にて診療)
対応検査項目 ・大腸内視鏡検査
・胃内視鏡検査
・麻酔を用いた(静脈内鎮静法)内視鏡検査
URL http://jingunomori-clinic.com/

この記事の監修ドクター

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