内視鏡検査もう痛くない!胃カメラや大腸の苦痛を軽減する検査方法
胃腸の内視鏡検査では、管を挿入する際に痛みを感じることがあると言われています。
しかし、中には内視鏡検査であるにもかかわらず「痛くない」方法を実施している病院やクリニックもあります。
ここでは、内視鏡検査で痛くない方法について解説します。
川口 正春(せやクリニック 院長)
目次 -INDEX-
胃カメラが痛くならない方法
広く胃カメラとして知られている、胃の内視鏡検査。正式名称は『上部消化管内視鏡検査』といいます。
検査方法は小型カメラのついた管を口や鼻から挿入し、胃だけでなく食道や十二指腸も同時に調べていきます。
口から挿入する経口内視鏡は7~9㎜ほどの直径で、鼻から挿入する経鼻内視鏡は5㎜ほどの太さが一般的です。
経口内視鏡の場合、人によっては喉に痛みを感じるケースがあります。
その場合は経鼻内視鏡を使用したり、または鎮静剤や局部麻酔を使用したりすることで、痛みを緩和させる方法も採用します。
一般的には全身麻酔が施されることも少ないので、検査後に1時間ほど安静にする時間を取ることで日帰りも可能です。
内視鏡検査の前には必ず問診が行われるため、薬剤の既往歴やアレルギーがある場合には、事前にきちんと話しておくことで、検査がスムーズに進行することにつながります。
大腸の内視鏡検査で痛くならない方法
大腸の内視鏡検査は、肛門から小型カメラ付きの直径1㎝ほどの管を挿入することで実施されます。
肛門を通過する時や、脾臓付近の脾弯曲や肝臓付近の肝弯曲の通過の際に痛みを感じることがあると言われています。
他にも腸を支える力が弱まっている高齢者や、内視鏡検査という非日常による過度の緊張状態のために痛みを感じてしまうこともあるようです。
水浸法を用いた大腸内視鏡検査
痛くない大腸の内視鏡検査の方法に「水浸法」があります。
大腸の内視鏡検査では空気やガスを入れることで管を通りやすくさせているのですが、一方で空気やガスを入れすぎることによる、お腹が張るような不快感や痛みを感じることもあります。
水浸法は、空気やガスの代わりに、少なめの水の注入と吸収を繰り返すことで、お腹の張りによる痛みを抑える方法です。
水の浮力を利用することで、腸内を通過する管が滑るように進んでいくため、脾弯曲や肝弯曲の通過の際の痛みも最小限にするメリットがあります。
他にも水浸法では、内視鏡が大腸に対してまっすぐに入っていくため、検査の結果、ポリープや腫瘍が見つかった場合でも、摘出手術が容易に行えるのも特徴となっています。
麻酔や鎮静剤を使用して負担軽減
胃カメラ同様、大腸の内視鏡検査にも麻酔や鎮静剤を使用することがあります。
麻酔や鎮静剤を使うことで、痛みがほぼない状態で内視鏡検査を終えることができます。
ただし、麻酔や鎮静剤の使用は、内視鏡検査中の会話ができなくなるため、ポリープなどの異変が発見された際に、医師からの質問に答えられないことから、検査を受ける人の希望や体質によって、鎮静剤や麻酔の使用の判断をする病院やクリニックもあります。
他にも麻酔や鎮静剤の使用には、検査後に1時間程度の安静時間を設ける必要があるため、電車やバスで来院する人の場合ならともかく、自身で自動車やバイクの運転することは避けるよう呼びかけています。
そのため、トータルの検査にかかる時間が増えてしまい、場合によっては1日がかりになることも考えられます。
大腸カプセル内視鏡って?
大腸の内視鏡検査で痛くない方法には、大腸カプセル内視鏡を使用する方法もあります。
大腸カプセル内視鏡は、全長約2.5~30㎜で幅が12㎜前後という、非常に小さな粒状となっているのが特徴です。
そのため、サプリメントを飲むような感覚で、大腸の内視鏡検査ができますし、水と一緒に飲むだけで済むため、管が通過する際の違和感や痛みからも解放されます。
大腸カプセル内視鏡検査の流れ
大腸カプセル内視鏡検査の流れについて、一例をご紹介します。
検査の前日
大腸カプセル内視鏡検査の前日には、基本的には消化の良いものを21時までに摂ることが求められます。
喫煙者の場合は、検査の24時間前から喫煙をしないようにしてください。
消化の良い食べ物には、うどんやパンやおかゆなどがありますが、用意することが難しい場合は、病院の売店や薬局で販売されている「検査食」もおすすめです。
野菜やきのこ類や海藻類などの食物繊維を多く含む食材や、脂肪分の多い食材は消化の妨げになりやすいため、なるべく避けましょう。
21時以降は基本的に水だけを摂って過ごします。
検査の当日
検査の当日は、朝食を摂ることはできません。
お腹にアンテナを貼り付け、腰には記録装置を装着した後に、カプセル内視鏡を水と一緒に飲みこみます。
一時帰宅が可能なこともありますが、医療機関よっては、病院内の滞在を求められることがあります。
カプセルを飲み込んでから2時間経過した頃には、水分が摂れるようになります。4時間が経過した頃にはようやく食事も可能です。
朝から何も食べていないからといって一気に大量に食べるのではなく、軽めの食事をゆっくりと味わうようにした方がお腹の調子が整いやすくなります。
普段の生活で必要な体の動きであれば問題ありませんが、トレーニングなどの激しい運動は、検査が終了するまでは控えておきましょう。
検査開始から8時間が経過した頃に、病院に装着していたアンテナと記録装置を返却することで検査が完了となります。
検査後
基本的にカプセル内視鏡は、排便の際に体外に排出されますが、中には2週間程度排出されないケースもあるため、完全に排出されるまでは様子を見た方が良いかもしれません。
もしも長期間排出されない場合には、摘出のための手術をすることもあります。
今回、ご紹介したのはあくまでも一例ですので、医療機関によって検査時間や絶食機関も若干差異があります。
手軽な方法ではありますが、リスクがないわけではないので、気になることは事前に確認しましょう。
担当医師の選び方
胃腸の内視鏡検査の痛みの中には、医師の技術不足によるものも存在します。
そのため、同じように内視鏡検査を行ったとしても、すごく痛みを感じる医師と、まったく痛みを感じない医師に分かれるケースがあるようです。
内視鏡検査の痛みを防ぐ方法として、担当医師の選び方というのも重要なポイントとなります。
内視鏡検査の実績が豊富なところや、評判などを参考にすると良いでしょう。
まとめ
胃腸の内視鏡検査で痛くない方法には、鎮静剤や麻酔を使用することや、水浸法や大腸カプセル内視鏡検査を利用することがあります。
それから内視鏡検査の痛くない方法のひとつには、担当医師の高い技術レベルによるものもあります。
そのため、良質な医師に巡り合うことも非常に大切な要素と言えるでしょう。
監修ドクター:川口 正春 医師 せやクリニック 院長
痛くない内視鏡検査でおすすめの医院 関東編
せやクリニック
出典:http://www.seya-cl.com/
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対応検査項目 | ・大腸内視鏡検査 ・胃内視鏡検査 ・経鼻内視鏡 |
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