知っていればもう怖くない!内視鏡での痛みを引き起こす9つの原因
内視鏡検査は、正確性のある検査方法である反面、痛みを感じる人も少なくありません。
体質的な問題や自分では防ぎにくいことに至るまで痛みの原因は主に9つ。
快適な検査を進められるよう今回原因から改善方まで、徹底解説いたします!
川口 正春(せやクリニック 院長)
目次 -INDEX-
内視鏡検査の痛みを起こす9つの理由
内視鏡検査の痛みの理由には次のようなものが考えられます。
1.内視鏡通過時の痛み
胃の内視鏡検査では、喉を通過する際に痛みを感じたり、人によっては嘔吐することもあるようです。
一方、大腸の内視鏡検査の場合には、肛門を通過する時の違和感や、お腹の左側の脾臓近辺のコーナー(被弯曲)や、お腹の右側にある肝臓付近のコーナー(感湾曲)は特に腸の曲がりが強いため通過する時に、まるで何かに強く押されているような痛みを感じることがあるようです。
2.長い大腸による痛み
大腸はすべての人が同じ長さということはありません。
平均的な大腸の長さは約1.5メートルと言われていますが、人によっては2メートルを超える大腸を持つ人もいます。
大腸の長さが長くなればなるほど、内視鏡の管が通過するための時間が必要なため、その間に痛みを感じやすくなるのです。
3.癒着による痛み
過去に重い虫垂炎や憩室炎などの炎症を起こした事のある人の場合、お腹の中で腸の癒着が生じてしまうことがあります。
癒着した腸がある箇所は生理的でないことがあるため内視鏡が通過することで痛みが生じるのです。
4.ガスによる痛み
大腸の内視鏡検査の場合、腸内の観察をより鮮明にカメラに映すために、空気を噴出させた状態で行われます。
この空気によりお腹の張りの痛みに似た苦しみが、潮の満ち引きのように強弱を変えながら継続される場合があるようです。
5.加齢
高齢者の場合、腸を支える力が弱まるため、腸がだらりと伸び切った状態になりやすい傾向があります。
そのため、内視鏡検査の際に曲がりやすくなった腸をかき分けて内視鏡が進むため痛みを感じやすくなることもあります。
6.過度の緊張状態
内視鏡検査という非日常的な検査のため、人によっては過度の緊張状態に陥ってしまうこともあります。
体が強張ることで、内臓も内視鏡の通り道も緊張してしまい内視鏡の管が挿入されにくくなり、痛みを帯びるのです。
7.腸閉塞
大腸がんが発生してしまい、すでに腸閉塞を起こしている場合、内視鏡の管そのものが入っていかないことが痛みの理由となることもあります。
8.担当医師の技術レベル
内視鏡検査は、担当医師の技術レベルによって痛みを生じさせたり、まったく痛みを感じないまま完了することがあります。
内視鏡検査を受ける前には、事前にその病院の評判や担当医師の経験値をチェックしておくことも大切です。
9.内視鏡検査後の痛み
人によっては内視鏡検査後に痛みが残るケースもあります。
内視鏡の管が大腸内を通過したことによる違和感や、検査中に使用した空気が残ってしまうことによるお腹の張りのような痛みが考えられます。
お腹の張りに関しては、空気が排ガス(おなら)として排出されてしまえば消えてしまいますので、時間の経過とともに収まることが多いのですが、あまりにも痛みが継続する場合には、レントゲン撮影による検査を受けることが必要となるかもしれません。
痛みや不快を軽減!麻酔や鎮静剤の使用
病院やクリニックによって違いがありますが、内視鏡検査時の痛みを軽減させるために、麻酔や鎮静剤を使用することもあります。
鎮静剤や麻酔のおかげでほとんど痛みを感じないまま検査が完了することがその理由となっています。
ただし、麻酔や鎮静剤を使用することにはデメリットも存在します。
そのため、検査を受ける人が希望しない限りは、麻酔や鎮静剤を使わないという病院もあります。
麻酔や鎮静剤のデメリット
麻酔や鎮静剤を使用するデメリットには次のようなものがあります。
検査後の安静時間を設ける必要がある
麻酔や鎮静剤を使うことで、検査後の安静時間を作る必要があります。
麻酔や鎮静剤の使用後は少しの間ボンヤリしてしまったり、集中できなかったりする傾向があるため、少なくても1時間程度は安静にすることが求められます。
交通事故のリスクを避けるために、麻酔や鎮静剤を使用した日は運転を禁止している病院が多いです。。
検査中の会話が妨げられる
内視鏡検査をしている間に炎症などの症状やポリープが見つかった場合、検査中に質問をすることによって、適切な処置を取ることにつながります。
麻酔や鎮静剤を使用していると、そうした会話が妨げられてしまうこともデメリットとなります。
腸内などがモニターに映っていることがその場で確認できるか、後日結果がわかるのかでは、精神的な負担に非常に大きな差が生じます。
内視鏡検査中に自身で態勢の変更ができない
大腸の内視鏡検査では、カメラが通過する際に、仰向けや左右に体の向きを入れ替えるといった態勢の変更をする必要があります。
麻酔や鎮静剤を使用していますと、態勢の変更を担当医師がその都度行わなければならないので、手間と時間の他にも知らず知らずのうちに検査を受ける人の体への負担が増してしまいます。
大腸内視鏡検査前の準備
大腸内視鏡検査をする前には、前日または検査当日に下剤を服用して、便にどいてもらい腸内を内視鏡が通るためのスペースを空ける「前処置」が行われます。
病院ごとに異なりますが、前日から前処置をする場合には、前日の夜から錠剤の下剤を服用し、検査当日の朝に液体の下剤2リットルを飲むことになります。
当日に錠剤と液体の下剤の両方を飲む病院もあります。下剤は、2時間から3時間程度かけてコップに入れて少しずつ少しずつ飲んでいきます。
気になる風味はスポーツドリンクに似た味わいのため、比較的抵抗なく飲むことができるようです。
下剤のおかげで排便が促進されますが、透明な水だけが出る頃になって、ようやく検査を受けることができるようになります。
中には内視鏡の検査よりも、この下剤の服用時の方に苦痛を感じる人もいるようです。
大腸内視鏡検査前日の食事について
大腸内視鏡検査前日の食事は、基本的には「消化の良いもの」となっています。うどんやパンやおかゆを少なめに食べるようにしてください。
食物繊維を含む野菜や海藻やきのこ類や、脂肪分の多い食材は、消化に時間がかかり検査の時に残っていることがあるため、検査前には避けた方が良さそうです。
もし何を食べて良いのか迷った場合には、病院の売店や薬局で販売している大腸内視鏡検査用の「検査食」を利用するのもひとつの方法です。
大腸内視鏡検査当日の食事について
大腸内視鏡検査当日の食事は、朝食は食べずに検査を受けて、検査開始から2時間程度経過した頃から水分を摂ることができるようになります。
検査開始より4時間程度経過しますと、ようやく軽めの食事の時間となります。
食事の内容には特に制限は設けられていませんが、内視鏡検査時に使用する空気の影響でお腹が張っているため、普段通りには食べにくいかもしれません。
羞恥心
大腸内視鏡検査には、痛みとは別に「羞恥心」の問題もあります。
担当医師に肛門を見られるのでは?という意識によるものですが、実際には検査用の下着を着用し、その上からバスタオルなどをかけることによって、ほとんど見えることはなく、そのあたりの気遣いも徹底されているようです。
まとめ
内視鏡検査の痛みの理由には、内視鏡の通過時によるものや、長い大腸によるものがあります。
あまりにも痛みを感じるようであれば、麻酔や鎮静剤を使用することもできるため、事前に担当医師に相談しておくと良いでしょう。
また、検査前の備えが痛みや不快を軽減してくれる場合もありまので、医師指導の前準備は適切に行いましょう。
最近の内視鏡検査は、以前に比べカメラ本体が細くなったり、通過時のストレスが軽減されてきており、格段に性能が良くなっています.しかし、理屈では以前より楽になったとはいえ通常では経験しない検査機械を口またはお尻から入れて行うため、けして手軽な検査とは言えません.そこで内視鏡検査の意味、特性、自分に起こっているメカニズムなどを事前に理解することで、受け身ではなく積極的に協力できるところは協力することで、お互い楽に精度の高い検査が完了できると考えます.検査をやるやらないの前にまず、今回を機に担当医との相談のきっかけとしてみてはいかがでしょうか。
監修ドクター:川口 正春 医師 せやクリニック 院長
内視鏡検査でおすすめの医院 関東編
せやクリニック
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対応検査項目 | ・大腸内視鏡検査 ・胃内視鏡検査 ・経鼻内視鏡 |
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