ケミカルピーリングはシミ治療に適切?治療を受けるうえでのポイントや注意点
公開日:2024/06/13
シミのお悩みを改善する方法としてケミカルピーリングを検討している方は多いのではないでしょうか。
ケミカルピーリングがシミにどのような効果があるのか、またどの程度の治療が必要になるのかなどについて、よくある疑問にお答えします。
ケミカルピーリングについて
- ケミカルピーリングとはどのような治療ですか?
- ケミカルピーリングとは、肌に酸性などの性質をもった薬剤を塗布して一定時間置くことで浸透させてからふき取り、肌表面の古い角質層などを剥がしていく治療方法です。
化学物質(ケミカル)によって皮を剥く(ピーリング)という治療内容からケミカルピーリングとよばれます。
古い角質を剥がすことによってメラニン色素などの蓄積された状態を改善するとともに、肌の再生力を高めて新しい健康的な肌組織への入れ替わりを促進することができます。
- ケミカルピーリングはどのような症状に効果がありますか?
- ケミカルピーリングはターンオーバーの乱れなどによって蓄積された古い角質を除去するものです。
シミやくすみといった肌悩みはこの古い角質内に蓄積されたメラニン色素が原因となるため、古い角質を除去することでシミやくすみといった症状が軽減され、肌が明るくなった実感が得られます。
また、古い角質を除去することで角栓による毛穴のつまりも解消できるため、毛穴のつまりによって生じるニキビの改善にも効果的です。毛穴のつまりは毛穴周辺にある肌のターンオーバーを乱れさせて毛穴をすり鉢状に広げてしまうことにもつながっているため、ケミカルピーリングはこうした原因によっておこる毛穴の開きにも改善が期待できます。
さらに、ケミカルピーリングで古い角質が剥がされると、その分の新しい角質を作り出そうと基底層にある新しい肌を作る細胞が活発になるため、新しい肌の細胞へと入れ替わっていき、健康的で美しい肌を目指すことが可能となります。
- ケミカルピーリングは一度の治療で効果が実感できますか?
- ケミカルピーリングは物理的に古い角質を除去するため、1回の治療でも肌がワントーン明るくなったような実感を得たり、白ニキビなどによるポツポツとした肌荒れ感の改善効果が期待できます。
ただし、色の濃いシミや毛穴の開きといった症状は肌の深い部分に原因があることも多く、定期的にケミカルピーリングを行うことで少しずつ改善していくか、他の治療法などと組み合わせての治療が必要になる場合もあります。
シミの治療について
- シミはなぜできてしまうのでしょうか?
- シミの直接的な原因はメラニン色素という肌内部で作り出される色素です。
メラニン色素は肌の基底層という部分にあるメラノサイトと呼ばれる細胞で作られていて、メラニン色素によって紫外線を吸収することで、人の肌は健康状態が保たれています。
アルビノと呼ばれる先天的にメラニン色素が作られない人もいますが、アルビノの方はメラニン色素によるバリア機能が働かないため、紫外線による炎症や皮膚がんといったトラブルが生じやすくなっています。
肌は日々新しい細胞が作られ、古い細胞は垢となって剥がれ落ちていくことで定期的に入れ替わっているため、メラニン色素も通常であればこのサイクルにあわせて排出されていきます。
しかし、何らかの理由でこのメラニン色素の排出がうまく行われなくなったり、メラニン色素が局所的に過剰に作られ続ける状態になると、シミの肌悩みとなって現れます。
メラニン色素が排出されなくなる原因としては、加齢などによってターンオーバーが遅くなることや、メラニン色素が基底層より深い部分など肌のターンオーバーの影響を受けない位置に入り込んでしまうことなどがあげられ、こうして色素沈着を引き起こした状態が老人性色素斑と呼ばれるシミの症状になります。
一方で、メラニン色素が過剰に作られ続ける状態はホルモンバランスの乱れなどによって生じる場合があり、代表的なものが肝斑とよばれるシミの症状です。
- シミを消すためにはクリニックでの治療が必要ですか?
- シミが薄く、肌のターンオーバーによってメラニン色素の排出が可能な状態である場合は、ホームケアでもシミを改善させることが期待できますが、肌悩みとして顕在化しているシミは、ほとんどの場合で自然な改善が期待しにくい状態になっているため、シミを消すためには専門的に治療を取り扱うクリニックでのケアが必要になるでしょう。
なお、シミのなかでもメラニン色素が過剰に作られることで生じる肝斑は市販の肝斑対策の内服薬などでも対策が可能ですが、肝斑とそれ以外のシミは見分けが難しい場合があり、また同時にできているケースもおおいため、やはりクリニックでしっかりと医師の診断を受けて治療をした方が、効果的に対策ができるといえます。
- ケミカルピーリングでシミを消せますか?
- ケミカルピーリングはメラニン色素が蓄積された角質を除去するため、シミを薄くする効果が期待できます。
深い部分で色素沈着を起こしている場合にはすぐに改善することが難しくなりますが、ケミカルピーリングは肌の再生力を高めて健康的な肌へと入れ替えていく効果もありますので、定期的に治療を繰り返すことで改善が期待できるでしょう。
ケミカルピーリングによるシミ治療
- シミを取るためには何回くらいケミカルピーリングが必要ですか?
- ケミカルピーリングでシミの悩みを改善するためには、2~4週間に1回程度の頻度で、5~10回程度の治療をうけるとよいとされています。
ある程度シミの悩みが改善できたら、メンテナンスとして2ヵ月に1回程度の治療を受けるとよいでしょう。
ただし、シミの状態によってはケミカルピーリングのみで改善することが難しい場合もあるため、医師と相談しながらほかの方法も含めて適切な治療をうけることが大切です。
- ケミカルピーリングでシミが悪化することはありますか?
- シミのなかでも、ホルモンバランスの乱れなどによってメラニン色素が過剰に作られ続けてしまう症状である肝斑は、紫外線や摩擦といった外部からの刺激によって症状が悪化し、濃くなってしまう場合があります。
ケミカルピーリングの刺激も肝斑には悪影響となりますので、治療を受ける際は肝斑が出ていないかどうかをしっかりと見極めたうえで治療していくことが重要です。
また、肝斑の症状はなくても、ケミカルピーリングの施術を受けた直後から新しい肌ができ上がるまでの数週間は、肌が薄くなってバリア機能が低下した状態となりますので、十分な保湿ケアや紫外線対策を行わないと、こうした刺激によってシミが悪化してしまう可能性は考えられます。
ケミカルピーリングの治療を受けた後は医師などの指示をしっかりと守り、適切なアフターケアを心がけるようにしましょう。
- ケミカルピーリング以外でシミに効果的な治療はありますか?
- シミはメラニン色素の色素沈着が原因で引き起こされる症状のため、メラニン色素と反応して熱エネルギーを作り出し、その熱でメラニン色素や、色素沈着を起こしている組織を破壊して除去していくことができる、光やレーザーを使用した治療が効果的です。
光治療はそばかすのような細かいシミやくすみのある肌を全体的にケアする治療法として向いていて、はっきりとした大きなシミを取りたい場合はレーザーで集中的に治療を行うことで素早くシミを取ることができます。
このほかにも肝斑対策としてのトラネキサム酸を中心とした内服薬治療や、メラニン色素の分解や抑制による対策が可能なハイドロキノンなどの外用薬治療など、シミに効果的な治療がいろいろとありますので、まずはどの治療が自分自身に適しているかを専門的にシミ治療を行っているクリニックで相談してみるとよいでしょう。
編集部まとめ
ケミカルピーリングはシミを改善させながら、健康的な肌質を手に入れる肌質改善の治療として有効な方法です。 ただし、シミの種類やアフターケアなどによってはシミが悪化してしまう可能性もあり、またシミの状態によってはほかの治療法が適切な場合もありますので、まずは治療経験の多い信頼できるクリニックを探し、シミの状態をしっかりと見極めたうえでの適切な治療を受けるとよいでしょう。
参考文献