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「帯状疱疹に後遺症」はあるの?症状や合併症が出やすい人も解説!【医師監修】

 公開日:2026/03/10
「帯状疱疹に後遺症」はあるの?症状や合併症が出やすい人も解説!【医師監修】

帯状疱疹は、水ぼうそうのウイルスが再び活性化して起こる病気で、皮膚の発疹と痛みが特徴です。多くの方は時間とともに回復しますが、皮膚症状が落ち着いた後も痛みが続く帯状疱疹後神経痛や、耳や目の合併症、顔面神経の麻痺などが残ることがあります。合併症が起きると、日常生活や仕事、睡眠に影響しやすく、回復までの期間も長くなりがちです。発症早期の抗ウイルス薬の開始や、痛みへの適切な対応は、後遺症のリスクを下げます。また目の充血や見えにくさ、耳の症状、顔の動かしにくさがある場合は早めに受診するとよいです。

この記事では、後遺症と合併症の違い、起こりやすい状態、代表的な症状、予防と治療の考え方を解説します。

林 良典

監修医師
林 良典(医師)

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【出身大学】
名古屋市立大学
【経歴】
東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。
【資格】
医学博士、公認心理師、総合診療特任指導医、総合内科専門医、老年科専門医、認知症専門医・指導医、在宅医療連合学会専門医、禁煙サポーター
【診療科目】
総合診療科、老年科、感染症、緩和医療、消化器内科、呼吸器内科、皮膚科、整形外科、眼科、循環器内科、脳神経内科、精神科、膠原病内科

帯状疱疹|後遺症・合併症の基礎知識

帯状疱疹|後遺症・合併症の基礎知識

帯状疱疹には後遺症や合併症はありますか?

あります。帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスが神経に潜んだまま再活性化し、神経に沿って炎症が起こる病気です。その影響で、発疹が治った後も痛みが続き、帯状疱疹後神経痛につながることがあります。また、発疹の部位によって合併症が変わります。耳の周囲では顔面神経麻痺やめまいを伴うラムゼー・ハント症候群、目の周囲では角膜炎やぶどう膜炎などの目の合併症、運動の神経に及ぶと手足の筋力低下が起こることがあります。

後遺症と合併症の違いを教えてください

後遺症は、急性期の皮膚症状が落ち着いた後も症状が残り、生活の支障が続く状態を指します。帯状疱疹後神経痛は、神経の炎症の影響が長引いて痛みが続く点で代表的な後遺症です。

合併症は、帯状疱疹に伴って別の病態が加わり、急性期から問題になる状態です。目の炎症による視機能への影響、耳の周囲の障害による難聴やめまい、顔面神経麻痺、中枢神経の障害などが含まれます。後遺症と合併症は同じ方に連続して起こることもあるため、言葉の区別よりも、どの症状が出ているかと緊急性で判断することが重要です。

帯状疱疹で合併症が生じる確率はわかりますか?

一定の幅はありますが、帯状疱疹後神経痛の割合は、10〜50%と報告されています。合併症は、目(1.5~4%)運動麻痺(0.5〜5%)顔面神経の障害(約1%)とされています。

参照:
『帯状疱疹ワクチンファクトシート』(厚生労働省)
『Ramsay Hunt syndrome』(Journal der Deutschen Dermatologischen Gesellschaft)
『Herpes Z Herpes Zoster and r oster and resultant Segmental Z esultant Segmental Zoster P oster Paresis: A esis: A casereport and Liter t and Literature reviewarticle』(Rehabilitation Practice and Science)

帯状疱疹の合併症がでやすい人の特徴を教えてください

年齢が上がるほど、帯状疱疹後神経痛を含む合併症が起こりやすくなります。また、糖尿病などの基礎疾患がある方、がん治療や免疫を抑える薬の使用などで免疫が低下している方は、合併症のリスクが上がります。発疹と痛みが強い場合、発疹の範囲が広い場合も、神経の炎症が強い可能性があり、合併症に影響します。さらに、顔面、とりわけ目の周囲(額・まぶた・鼻の周り)や耳の周囲に発疹がある場合は、目の合併症やラムゼー・ハント症候群につながることがあります。

帯状疱疹|後遺症・合併症の症状

帯状疱疹|後遺症・合併症の症状

帯状疱疹後神経痛の症状を教えてください

帯状疱疹後神経痛は、発疹が落ち着いた後も神経の痛みが続く状態です。痛みは、焼けるような痛み、刺すような痛み、ズキズキする痛み、電気が走るような痛みなどとして感じることがあります。皮膚の感覚が過敏になり、服や寝具に触れる、風が当たる、軽く触れるだけでも痛むことがあり、入浴や着替えがつらくなる方もいます。反対に、しびれが残る、触っても感覚が鈍いなど、感覚の低下が目立つ形で続く場合もあります。

ラムゼー・ハント症候群はどのような症状がでますか?

ラムゼー・ハント症候群は、耳の周りの帯状疱疹で、ウイルスの炎症が顔面神経や内耳に関わる神経に及ぶことで起こります。耳介や外耳道の水ぶくれ、強い耳の痛みに加えて、片側の顔が動かしにくい、目が閉じにくい、口元から飲み物がこぼれる、食べ物がお口の片側にたまりやすいなどの顔面神経麻痺がみられます。聞こえにくさ、耳鳴り、めまいが伴うこともあり、回転するようなめまいとして自覚する方もいます。

目の合併症の特徴を教えてください

目の合併症は、目の周囲や額、鼻の周りに発疹が出る場合に起こりやすくなります。目の赤み、涙が増える、まぶしさ、目の痛み、異物感、目を開けにくい、かすみ、見えにくさなどが主な症状です。皮膚の症状より先に目の違和感が出る場合もあり、発疹が軽く見えても目の炎症が進んでいることがあります。角膜炎は痛みやまぶしさが強くなりやすく、視界が白っぽく感じることがあります。ぶどう膜炎など目の内部の炎症が加わると、視力の低下や飛蚊症が生じることもあります。

運動麻痺とはどのような状態ですか?

運動麻痺は、帯状疱疹の炎症が筋肉を動かす神経におよび、力が入りにくくなる状態です。腕が上がりにくい、手指が動かしにくい、物をつかみにくい、足が上がりにくい、階段がつらい、歩くときにふらつくなどの症状として現れます。発疹の出た側に一致して起こることが多く、痛みが落ち着いた後に気付く場合もあります。顔に出る運動麻痺は、表情が作りにくくなり、目が乾きやすくなることもあります。

帯状疱疹で後遺症・合併症の予防と治療

帯状疱疹で後遺症・合併症の予防と治療

帯状疱疹の後遺症・合併症は治療を受けることで防げますか?

一定の範囲で防ぐことが期待できます。帯状疱疹はウイルスの増殖と神経の炎症が重なるため、発疹が出てから早い段階で抗ウイルス薬を開始し、ウイルスの増え方を抑えることが治療の基本です。治療を早く始めるほど神経の炎症が強くなりにくく、痛みが長く続く経過や合併症を起こしにくくなります

帯状疱疹で後遺症や合併症を生じさせないためにできることを教えてください

まず、発疹と痛みがそろった時点で早めに受診し、抗ウイルス薬の開始時期を逃さないことです。あわせて、症状の部位や内容に応じて受診先を広げます。目の周囲や額、鼻の近くに発疹があるとき耳の周囲に発疹があるとき顔が動かしにくい、めまい、聞こえにくさ、見えにくさがあるときは、皮膚の治療と並行して眼科耳鼻咽喉科で評価を受けると早期に対応ができ合併症を防ぎやすくなります。また、発症そのものを減らす手段として、ワクチン接種も選択肢です。

帯状疱疹の後遺症・合併症が生じたときの治療法を教えてください

治療は、起きている後遺症・合併症に合わせて組み立てます。帯状疱疹後神経痛は、解熱鎮痛薬だけで不十分な場合があり、神経の痛みに合った薬(プレガバリン、デュロキセチン、三環系抗うつ薬など)を用います。

ラムゼー・ハント症候群は、抗ウイルス薬を基本に、症状に応じてステロイド併用を検討します。めまいなどには対症療法を行い、目が閉じにくい場合は点眼やテーピングで角膜を守り、回復期には顔面のリハビリを行います。運動麻痺も、治療の基本は抗ウイルス薬で、ステロイドの併用を状態に応じて検討し、鎮痛を整えつつリハビリを進めます。目の合併症は、抗ウイルス薬に加え、眼軟膏の塗布など局所治療を行い、病状によりステロイド点眼で炎症を抑えます。虹彩毛様体炎などで眼圧が上がる場合は、緑内障治療点眼薬で眼圧を調整します。

編集部まとめ

編集部まとめ

帯状疱疹は、発疹が治った後も痛みが長く続くことがあり、生活に支障が出る場合があります。また、目や耳の周囲に発疹が出たときは、視力の低下につながる炎症や、めまい・聞こえにくさ、顔面神経麻痺などの合併症が起こることがあります。手足の力が入りにくいなど運動の症状が出る場合もあるため、皮膚の症状だけで終わりと考えず、変化があれば早めに病院へ相談しましょう。

予防と重症化を減らすためには、早期の段階で受診し、抗ウイルス薬をできるだけ早く開始することが重要です。目の症状がある場合は眼科、耳の症状や顔の動かしにくさがある場合は耳鼻咽喉科と連携し、局所治療や対症療法も組み合わせていきます。

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