「糖尿病」が進行すると「体臭」はどんな臭いがするの?臭いが変化する原因も解説!

糖尿病があるからといって、すべての方に体臭の変化が起こるわけではありません。しかし、血糖管理が長期間乱れている場合や、糖尿病が重篤な状態に進行した場合には、代謝や体内環境の変化が排泄物や呼気に影響し、体臭や口臭、尿や汗の匂いが変化することがあります。
本記事では、糖尿病で体臭が変化するといわれる理由や匂いの特徴、改善方法などについて解説します。

監修医師:
上田 莉子(医師)
目次 -INDEX-
糖尿病による体臭の変化と匂いの特徴

糖尿病で体臭が変わることはありますか?
糖尿病の体臭の特徴を教えてください
ただし、アセトン臭は重度の高血糖状態や糖尿病性ケトアシドーシスなど、緊急対応が必要な状態でみられるものであり、軽症の糖尿病や糖尿病予備軍では生じません。
参照:
『においと疾病─生体ガス測定から何が拓けるか』(におい・かおり環境学会誌 36巻5号 平成17年)
『ケトーシス, ケトアシドーシスの鑑別』厚生労働科学研究成果データベース
尿や汗の匂いが変わることはありますか?
ただし、尿中にケトン体が出現し、アセトン臭が明確に認められるのは重症の糖尿病の場合です。
参照:
『腎グルコーストランスポーターと抗糖尿病薬』田辺三菱製薬株式会社 薬理研究所 薬理第二部 薬理2Aグループ
『糖尿病に関するQ&A』(日本糖尿病協会)
『においと疾病─生体ガス測定から何が拓けるか』(におい・かおり環境学会誌 36巻5号 平成17年)
『ケトーシス, ケトアシドーシスの鑑別』厚生労働科学研究成果データベース
糖尿病で口臭がきつくなることはありますか?
参照:『糖尿病と口の中の健康』(糖尿病情報センター)
糖尿病で体臭が変化するメカニズム

なぜ糖尿病になると体臭が変化するのですか?
インスリンの作用が著しく低下すると、身体はブドウ糖をエネルギーとして十分に利用できなくなり、脂肪を分解してエネルギーを確保しようとします。結果として肝臓でケトン体が大量に産生されます。
肝臓や腎臓での処理能力を超えるほどのケトン体は、呼気や尿などを通じて体外へ排出されます。結果として、アセトン臭と呼ばれる甘酸っぱい匂いが生じます。
参照:
『においと疾病─生体ガス測定から何が拓けるか』(におい・かおり環境学会誌 36巻5号 平成17年)
『ケトーシス, ケトアシドーシスの鑑別』厚生労働科学研究成果データベース
尿や汗の匂いが変わる理由を教えてください
インスリンが極端に不足した状態では、ケトン体が血中に増加し、尿中にも排泄されるようになります。結果として、尿から甘酸っぱいようなアセトン臭が感じられることがあります。尿中にケトン体が排出される状態は、通常は糖尿病性ケトアシドーシスと呼ばれる急性の合併症でみられるもので、軽症の糖尿病や糖尿病予備軍で起こるものではありません。
参照:
『腎グルコーストランスポーターと抗糖尿病薬』田辺三菱製薬株式会社 薬理研究所 薬理第二部 薬理2Aグループ
『糖尿病に関するQ&A』(日本糖尿病協会)
『においと疾病─生体ガス測定から何が拓けるか』(におい・かおり環境学会誌 36巻5号 平成17年)
『ケトーシス, ケトアシドーシスの鑑別』厚生労働科学研究成果データベース
なぜ糖尿病で口臭がきつくなるのですか?
また、血糖管理が著しく悪化し、インスリンが極端に不足した状態では、エネルギー源として脂肪の分解が進み、ケトン体が体内で多量に産生されます。結果として、ケトン体の一種であるアセトンが呼気として排出され、甘酸っぱいアセトン臭と呼ばれる口臭が発生します。
参照:『糖尿病と口の中の健康』(糖尿病情報センター)
糖尿病により変化した体臭を改善するポイント

糖尿病による匂いの変化は糖尿病を治療することでもとに戻りますか?
ただし、改善のスピードには個人差があります。血糖値が安定しても、口腔内環境の悪化や皮膚トラブル、歯周病などが残っている場合には、匂いがすぐに消えないこともあります。そのため、糖尿病治療と並行して、生活習慣やケアの見直しを行うことが重要です。
糖尿病の体臭をケアする方法を教えてください
重要なのは、血糖管理を安定させることです。食事療法・運動療法・必要に応じて薬物療法を継続することで、ケトン体の影響によるアセトン臭を抑えることができます。
糖尿病の口臭の変化はどのように対策すればよいですか?
日常的な対策は、歯磨きに加えて、舌や歯間のケアを継続することです。糖尿病のある方は歯周病が進行しやすいため、定期的な歯科受診によるチェックとクリーニングも効果的です。
参照:『糖尿病と口の中の健康』(糖尿病情報センター)
編集部まとめ

糖尿病があるからといって、必ず体臭や口臭が変化するわけではありません。多くの糖尿病患者では、日常生活のなかで明確なにおいの変化はみられないのが実情です。
一方で、血糖管理が不十分な状態が続いた場合には、口臭や尿の匂いが変化する可能性があります。
ただし、甘酸っぱいアセトン臭は、糖尿病性ケトアシドーシスなどの重篤な代謝異常時にみられる症状であり、軽症の糖尿病や糖尿病予備軍で一般的に起こるものではありません。
気になるにおいが続く場合や、急激な変化を感じた場合には、自己判断せず、医師に相談しましょう。
参考文献




