目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 医科TOP
  3. 病気Q&A(医科)
  4. 「うつ病」を発症すると「顔つき」に変化はあるの?表情の特徴も解説!【医師監修】

「うつ病」を発症すると「顔つき」に変化はあるの?表情の特徴も解説!【医師監修】

 公開日:2026/01/27
「うつ病」を発症すると「顔つき」に変化はあるの?表情の特徴も解説!【医師監修】

うつ病になると、「顔つきが変わった気がする」「以前より疲れてみえるといわれるようになった」と感じる方が少なくありません。周囲からの何気ない指摘をきっかけに、自身の外見の変化に不安を抱くケースもみられます。

うつ病では、顔の骨格や造形そのものが変化するわけではありませんが、気分の落ち込みや意欲低下、睡眠や体調の乱れといった心身の不調が重なることで、表情や全体の雰囲気に影響が現れることがあります。

本記事では、うつ病が顔つきや表情に与える影響と、背景にある心と体の仕組みについて解説します。

前田 佳宏

監修医師
前田 佳宏(医師)

プロフィールをもっと見る
島根大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院精神神経科に入局後、東京警察病院、国立精神神経医療研究センター、都内クリニックにて薬物依存症、トラウマ、児童精神科の専門外来を経験。現在は和クリニック院長。愛着障害やトラウマケアを専門に講座や情報発信に努める。診療科目は精神神経科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経内科。 精神保健指定医、認定産業医の資格を有する。

うつ病が顔つきや表情に与える影響

うつ病が顔つきや表情に与える影響

うつ病になると顔つきはどのように変化しますか?

うつ病になると、顔つきが変わるというよりは、表情に変化がみられます。継続する気分の落ち込みや、何をしても楽しめないといった抑うつ症状によって、笑顔が減ったり、目に力がなくなったりすることで、全体的に暗く疲れた印象になります。

うつ病の人によくみられる表情の特徴を教えてください

うつ病の方は、表情の動きが全体的に乏しくなる傾向がみられます。笑顔が減り、会話中であっても表情の変化が少なくなるため、周囲からは無表情に見えたり、感情が読み取りにくい印象を与えたりします。

背景には、気分の落ち込みや意欲低下、物事に対する興味や喜びを感じにくくなるといった抑うつ症状があります。

また、思考や反応のスピードが低下し、相手の話に対して即座に反応できなくなることも理由です。

進行したうつ病の人はどのような顔つき、表情になりますか?

うつ病が進行すると、強い気分の落ち込みや意欲の低下、精神的エネルギーの消耗が長期間続いている影響で、顔つきや表情の変化がより目立つ場合があります。

ただし、顔つきや表情の変化は個人差が大きく、すべての方に当てはまるわけではありません。また、外見だけで重症度の判断はできないため、1つの傾向として認識することが大切です。

うつ病による顔つきの変化を自分でチェックする方法はありますか?

表情の変化は、疲労や睡眠不足、体調不良、加齢などでもみられます。そのため、表情の変化のみでうつ病かどうかは判断できません。しかし、顔が疲れて見える、表情が乏しくなったなどの変化から、うつ病の可能性を疑うことはできます。

表情の変化に加えて、気分の落ち込みが続く、楽しめない状態が長引く、生活に支障が出ているといった状態がみられる場合は、早めに医師に相談しましょう。

なお、うつ病の可能性を知る手段として、簡易抑うつ症状尺度(QIDS-J)を利用する方法があります。QIDS-Jは、睡眠や気分、興味・意欲、エネルギーなどに関する質問から、抑うつ症状の程度を確認できる自己記入式の評価尺度です。

参照:『うつ病チェック』(厚生労働省)

うつ病で顔つきや表情が変化する理由

うつ病で顔つきや表情が変化する理由

なぜうつ病で顔つきが変わったように感じるのですか?

うつ病になると、顔の形が変わるわけではありませんが、「顔つきが変わった」と感じられることがあります。

これは、疲労の蓄積や睡眠障害、食欲低下などによる体調変化が重なり、顔色が悪く見えたり、目の下にクマができたりするためです。

また、ぼーっと反応が鈍くなったり、視線が下向きになったりすることで雰囲気が変わり、周囲からは以前と違う顔つきに見えることがあります。

参照:『うつ病チェック』(厚生労働省)

うつ病で表情が変化する理由を教えてください

うつ病では、感情の変化が乏しくなることがあります。気分の落ち込みや、何をしても楽しいと感じられない状態が続くことで、笑顔が減り、無表情に近い状態になります。

さらに、集中力や思考の働きが低下すると、相手の話に反応する余裕がなくなり、表情の変化が少なくなることもあります。

参照:『うつ病チェック』(厚生労働省)

うつ病で化粧や髭剃りなどの身だしなみに配慮できなくなる理由を教えてください

うつ病になると、身だしなみに気を配るための気力やエネルギーが低下します。化粧や髭剃り、服装を整えるといった行為には「起き上がる」「準備する」「鏡の前に立つ」といった複数の行動を伴います。うつ病では、こうした一連の行動そのものが大きな負担に感じられるようになります。

また、興味や喜びの喪失も要因の1つです。「身だしなみを整えても意味がない」「誰に見せるわけでもない」と感じやすくなり、以前は当たり前にできていた行動への関心が薄れます。うつ病で身だしなみに配慮できなくなる状態は、怠けや性格の問題ではなく、病気によって意欲・エネルギー・判断力が低下した結果です。

参照:
『2 うつ病の主な症状と原因』(厚生労働省)
『4 うつ病を防ぐ』(厚生労働省)

うつ病による顔つきの変化の改善方法

うつ病による顔つきの変化の改善方法

うつ病で変化した顔つきや表情は病院の治療を続ければもとに戻りますか?

うつ病によって外見が変わるのではなく、気分の落ち込みや強い疲労感、睡眠リズムの乱れ、意欲低下といった症状が重なって顔つきや表情が変化します。

そのため、治療を受けることで、顔つきや表情は徐々にもとに戻ることが期待できます。

治療では、落ち込んだ気分を和らげ、睡眠リズムを整える効果をもつ抗うつ薬を中心に、必要に応じて不安感を軽減する抗不安薬などが用いられます。

あわせて、ストレスへの対処法を身につけたり、自分を責めやすい考え方の癖を見直したりするために、カウンセリングが行われることもあります。

参照:『うつ病』(厚生労働省)

うつ病による顔つきや表情の変化を自分で改善する方法を教えてください

うつ病による顔つきや表情の変化は、心の状態の影響を受けます。しかし、「表情を明るくしよう」「元気そうに見せよう」と意識しても、うつ病そのものの改善にはつながりません。

顔つきや表情を改善するためには、うつ病の治療を受ける必要があります。

うつ病は、脳がエネルギー不足に陥り、過度に消耗している状態と考えられています。生命体には、傷んだ部分をあまり使わないようにすることで回復していく力がありますが、うつ病でも同様に、使いすぎてしまった脳をしっかり休ませることが治療とセルフケアの基本です。

表情が乏しくなる、顔が疲れて見えるといった変化も、脳が「これ以上エネルギーを使えない」というサインとして現れているものといえます。

そのため、セルフケアとしては、無理をしないこと、頑張りすぎないことが重要です。仕事量を減らす、残業を控えるといった調整で足りる場合もあれば、仕事を休んで療養に専念する必要がある場合もあります。

「自分ではどう休めばよいのかわからない」「どこまで休んでいいのか判断できない」と感じる場合は、医師と一緒にセルフケアの方法を考えていくことが大切です。

参照:『3 うつ病の治療と予後』(厚生労働省)

編集部まとめ

編集部まとめ
うつ病によって「顔つきが変わった」「表情が乏しくなった」と感じられることがありますが、顔の形が変化したわけではなく、気分の落ち込みや疲労、意欲低下といった症状によるものです。

うつ病による顔つきや表情の変化は、適切な治療と十分な休養を継続することで、改善が期待できます。外見上の変化のみを切り取って判断するのではなく、背景にある心身の不調に目を向けることが重要です。

顔つきや表情の変化は、心の健康状態を示すサインの可能性があります。気になる変化が続く場合は、早めに医師に相談しましょう。

この記事の監修医師