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「子宮筋腫の手術」はどれくらい入院するかご存知ですか?前日・当日の流れも解説!

 公開日:2026/03/05
「子宮筋腫の手術」はどれくらい入院するかご存知ですか?前日・当日の流れも解説!

「子宮筋腫の手術が決まったけれど、どのくらい入院するの?」「手術後はどのように過ごすの?」「いつから普通の生活に戻れる?」手術を控えた方にとって、これらは気になる疑問ですよね。

子宮筋腫の手術方法は多様化しており、それぞれ入院期間や術後の経過が大きく異なります。現在では手術技術の進歩により、数日から1週間程度の入院で済むケースも増えています。今回は子宮筋腫の手術方法別の入院期間、手術前後の具体的な流れ、入院中の過ごし方、退院後の回復過程まで詳しく解説します。

森 亘平

監修医師
森 亘平(医師)

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東北大学病院 産婦人科

2019年浜松医科大学医学部医学科卒

 [職歴]
2019年4月〜2021年3月 仙台厚生病院初期臨床研修医
2021年4月〜12月    石巻赤十字病院 産婦人科
2022年1月〜2023年6月  八戸市立中央市民病院 産婦人科
2023年7月〜2024年3月  東北大学病院 産婦人科
2024年4月〜2025年3月  宮城県立こども病院 産科
2025年4月〜      東北大学病院 産婦人科/東北大学大学院医学系研究科博士課程

 [資格]
日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医
厚生労働省指定 緊急避妊薬の処方にかかるオンライン診療研修 修了 
厚生労働省指定 オンライン診療研修 修了 
JCIMELS ベーシックコース インストラクター

 [所属学会]
・日本産科婦人科学会
・日本周産期・新生児学会
・日本超音波学会
・日本人類遺伝学会
・日本産科婦人科遺伝診療学会
・日本DOHaD学会
・日本医療安全学会

子宮筋腫|手術法別の入院期間

子宮筋腫|手術法別の入院期間

子宮筋腫の手術にはどのような方法がありますか?

子宮筋腫の手術は大きく分けて、筋腫のみを取り除く子宮筋腫核出術と、子宮全体を摘出する子宮全摘術があります。

開腹手術術は、下腹部を10〜15cm切開して開腹し手術をする従来の方法です。10cm以上の大きな筋腫や多発筋腫に適しており、直接見ながら操作できます。

腹腔鏡下手術は、腹部に5〜12mmの小さな穴を3〜4か所開けて行う低侵襲手術です。傷が小さく術後の痛みが少ないため、近年手術件数が増加しています。あまり大きすぎず、単発もしくは多発であっても少ない数の筋腫に適しています。

子宮鏡下手術は、腟から子宮内に子宮鏡という内視鏡を挿入して行います。粘膜下筋腫の筋腫核出術に限定されますが、腹部に傷がつかず身体への負担が少ない方法です。

腟式手術は、腟から子宮を摘出する手術です。子宮下垂など、子宮を支える靭帯がゆるんでいる場合に検討されます。腹部に傷がつかず、身体への負担が少ない方法です。

子宮全摘術には、開腹・腹腔鏡下・腟式・ロボット支援下手術の4つのアプローチがあります。子宮筋腫核出術には、開腹・腹腔鏡下・子宮鏡下の3つのアプローチがあります。筋腫の大きさや癒着の程度、子宮下垂の程度などから身体に最も負担の少ない選択がされます。

参照:『産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2023』(日本産婦人科学会・日本産婦人科医会)

手術の方法別に入院期間の目安を教えてください

手術方法により入院期間は大きく異なります。また、病院ごとに入院期間は決まっているため多少前後します。開腹術は6〜8日間、腹腔鏡下筋腫核出術は4〜6日間、子宮鏡下筋腫摘出術は1〜2泊が一般的です。子宮全摘術では、開腹で6〜8日間、腹腔鏡下で4〜5日間、腟式で3〜5日間が目安です。これらは標準的な目安であり、合併症が起きた場合には伸びる可能性があります。おおよその目安を主治医に聞いてみましょう。

入院期間が延長される要因を教えてください

入院が延長される主な要因として、術後合併症の発生や腹腔鏡から開腹への術式変更があります。術後合併症は重要な要因です。38度以上の発熱が続く場合は感染を疑い、創部感染や創部離開、血腫形成があれば追加処置が必要になります。腸閉塞(麻痺性イレウス)が起きると1週間程度の延長となることがあります。高齢の方や糖尿病、心疾患などの基礎疾患がある方も、回復に時間がかかる傾向があります。

入院期間が予定よりも短くなることはありますか?

回復が順調な場合、予定より1〜2日早く退院できることもありますが病院や主治医によって方針は大きく変わります。病院では術後の経過が問題ないか注視しています。無理に1,2日早期の退院を目指すことのメリットは少なく、病院ごとに決められた入院期間での退院を目標としましょう。

子宮筋腫の手術|前日・当日の流れと症状の経過

子宮筋腫の手術|前日・当日の流れと症状の経過

子宮筋腫の手術で入院した当日は何をしますか?

入院当日は手術に向けての最終準備を行います。看護師から入院生活の説明を受けます。同意書の確認もありますが、医師から手術内容の最終説明があることや手術前の最後の診察があることもあります。麻酔科医の診察も重要で、麻酔方法や合併症の説明を受けます。麻酔科医の診察は入院前に外来で行うこともあります。

手術準備として、手術着への着替え、アクセサリー類の除去、弾性ストッキングの着用を行います。シャワーで全身を清潔にし、必要に応じて下剤を内服して腸管を空にする処置を行います。

手術前日や当日に食事制限はありますか?

手術前の食事制限は麻酔の安全性確保のため重要です。前日夕食は午後6時頃までに済ませ、深夜以降は固形物の摂取が禁止されることが一般的です。
手術当日の朝は原則絶飲食です。ただし、降圧薬など継続が必要な薬は少量の水で内服します。これらの制限を守らないと、麻酔時に肺炎を起こすリスクがあるため、必ず守ることが重要です。

手術は何時間程度で終わりますか?

手術時間は術式により異なります。腹腔鏡下筋腫核出術は1.5〜3時間、開腹筋腫核出術は1〜2.5時間、子宮鏡下筋腫摘出術は30分〜1.5時間が目安です。これらは実際の手術操作時間であり、麻酔導入や覚醒の時間を含めると、さらに1時間程度かかります。

手術後の身体の痛みや症状を教えてください

手術直後は喉の違和感、創部痛、腹部膨満感などが現れます。腹腔鏡下手術では炭酸ガスによる肩の痛みが起こることもあります。嘔気や嘔吐、排尿困難、便秘、術後1〜3日の微熱も一般的な症状ですが、時間とともに改善します。

子宮筋腫の手術|術後の経過と入院中の過ごし方

子宮筋腫の手術|術後の経過と入院中の過ごし方

子宮筋腫の手術を行った翌日も身体は痛みますか?

術後翌日も痛みは続きますが、適切な鎮痛管理により日常動作が可能なレベルにコントロールされます。起き上がる際や咳をする際に痛みが強くなることがあります。痛みは術後2〜3日がピークで、その後徐々に改善します。

手術後はいつから食事を食べられますか?

腹腔鏡下手術では手術当日夕方または翌朝から水分摂取を開始できることが多く、開腹手術ではやや慎重に術後1日目から開始します。水分から流動食、三分粥、五分粥と段階的に進め、術後3〜4日で常食へ移行するのが一般的です。食事開始の流れも病院ごとに異なるため、気になる方は入院時に確認をしましょう。

子宮筋腫の手術が終わって退院するまでは病院で何をするのですか?

毎日、バイタルサインを定期的に測定します。リハビリは術翌日から開始し、段階的に離床を進めます。尿道カテーテルは術後1〜2日で抜去し、点滴も経口摂取が進めば終了します。退院前には、内診台での診察血液検査を行うことが多く、退院可能か判断されます。また自宅での過ごし方や創部管理の詳しい指導を受けます。

手術後はどの程度の期間で身体がもとに戻るのでしょうか?

術後1週間で基本的な日常生活動作が可能になり、2週間でほとんどの家事ができるようになります。1ヶ月で仕事復帰が可能です。完全な回復は開腹手術で3ヶ月、腹腔鏡下手術で2ヶ月程度が目安です。

編集部まとめ

編集部まとめ

子宮筋腫の手術は、手術方法により入院期間が大きく異なります。技術の進歩により以前より短期間で退院できるようになっており、適切な準備と心構えがあればスムーズに乗り越えられます。回復期間を事前に把握し、仕事や家事の調整、サポート体制を整えておくことが大切です。

参考文献

  • 『産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2023』(日本産婦人科学会・日本産婦人科医会)

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