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「胃潰瘍」を発症した際に避けたほうがよい「食べ物」はご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2026/02/03
「胃潰瘍」を発症した際に避けたほうがよい「食べ物」はご存知ですか?【医師監修】

胃潰瘍は、胃酸などによって胃の粘膜に潰瘍ができる病気です。治療には胃酸を抑える薬やピロリ菌除菌などが有効ですが、毎日の食事も回復を左右する大切な要素です。胃に負担をかけない食事を心がけることで症状の悪化を防ぎ、治りを早めることが期待できます。本記事では、胃潰瘍のときの基本的な食事ポイントや外食時の注意点、薬との付き合い方について解説します。

林 良典

監修医師
林 良典(医師)

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【出身大学】
名古屋市立大学
【経歴】
東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。
【資格】
医学博士、公認心理師、総合診療特任指導医、総合内科専門医、老年科専門医、認知症専門医・指導医、在宅医療連合学会専門医、禁煙サポーター
【診療科目】
総合診療科、老年科、感染症、緩和医療、消化器内科、呼吸器内科、皮膚科、整形外科、眼科、循環器内科、脳神経内科、精神科、膠原病内科

胃潰瘍の食事で気を付けたい基本ポイント

胃潰瘍の食事で気を付けたい基本ポイント

胃潰瘍のときはどのような食事を心がけるべきですか?

胃に優しい食事を心がけましょう。具体的には、消化がよく胃を刺激しない食品を選ぶことが基本です。おかゆややわらかいご飯、うどんなどの穀類、脂肪の少ない肉や白身魚、豆腐や卵などは胃への負担が少なく栄養もしっかり摂れる食材です。 反対に、香辛料や唐辛子、コーヒーや濃い緑茶、アルコール類など刺激の強い飲食物は避けてください。これらは胃粘膜を刺激して症状を悪化させたり、胃酸の分泌を増やしたりしてしまいます。また硬いものや食物繊維が多い食品は消化に時間がかかり、胃に長く留まるため控えめにします。胃潰瘍だからといって極端に食事を制限する必要はありませんが、消化によいもので、刺激の少ないものを中心にバランスよく食べるようにしましょう。

一度にたくさん食べるのはよくないですか?

はい、一度の食事量は控えめにして、できるなら食事回数を増やす工夫をしましょう。一度に大量に食べるとその分胃への負担が大きくなり、消化にも時間がかかります。胃潰瘍のときは普段より胃がデリケートな状態ですので、少量ずつ複数回に分けて食べる方が望ましいです。

例えば、1日3食を基本としつつ、食間に消化のよい軽食を加えて1日4~5回程度にするとよいでしょう。こうすることで一回あたりの胃の負担を軽減できるうえ、胃が空っぽになる時間を減らして胃酸による粘膜刺激も和らげることができます。満腹になるまで一気に食べるのではなく、腹八分目程度で抑える習慣が胃潰瘍の回復にはよいでしょう。

食事の時間帯や回数で気を付けるポイントを教えてください

ポイントは規則正しい食事長時間の空腹を避けることです。毎日できるだけ同じ時間帯に食事を摂ると胃腸のリズムが整い、消化機能も安定します。反対に、朝食を抜いたり夜遅くに夕食をとったりする不規則な食生活は胃に負担をかけるので避けましょう。 特に、朝食を抜くと空腹の時間が長くなり、胃酸が過剰に分泌されて胃壁を刺激してしまいます。忙しい日でも食事は抜かず、決まった時間に軽くでも何かお口に入れるよう心がけてください。どうしても食事時間がずれてしまう場合は、消化によいもので小腹を満たしつつ、遅い時間の食事量は控えるなど工夫しましょう。なお、食後すぐに横になると胃酸が逆流しやすくなるため、食べてすぐの仮眠や就寝もできるだけ避ける方がよいでしょう。

胃に負担の少ない調理法を教えてください

胃に負担の少ない調理法は、やわらかく・あたたかく・薄味で調理することです。具体的には、煮る・蒸す・茹でるなど水分を使った調理法が基本で、揚げ物や油を多く使う炒め物、直火で焦げ目をつけるような焼き物は避けましょう。

食材はしっかり加熱してやわらかくすることで消化しやすくなります。野菜や肉類は大きいままだと消化に時間がかかるため、細かく切る・すりおろすなど形を工夫するとさらに胃に優しくなります。味付けは塩分控えめの薄味が基本です。濃い味付けや香辛料の効いた料理は食欲を刺激しますが、その分胃酸の分泌も促進してしまうため注意が必要です。

また、料理は適度な温度で提供しましょう。熱すぎるものや冷たすぎるものはそれ自体が刺激となるため、冷ましたり温め直したりして胃に負担の少ない温かさで食べるのが望ましいです。

胃潰瘍のときに避けたほうがよい食べ物はありますか?

胃を刺激したり負担をかけたりする食品はできれば控えましょう。代表的なものとして以下が挙げられます。
  • 香辛料など刺激物
  • 脂っこい食べ物
  • 酸味の強い食品
  • 食物繊維が多い
  • 硬い食品

これらの食品を絶対に食べてはいけないわけではありませんが、胃潰瘍が治るまでは食べる量を控えめにし、食べる場合も体調と相談しながら少量に留めるとよいでしょう。

アルコールやカフェインは控えたほうがよいですか?

はい。アルコール飲料やカフェイン含有飲料はできる限り控えるのが原則です。アルコールとカフェイン、そしてタバコは胃潰瘍を悪化させたり再発させたりする危険因子です。

アルコールは胃の粘膜を直接刺激して炎症を悪化させるうえ、胃酸の分泌も促進します。そのため、治療中は禁酒が基本です。

コーヒーや紅茶、緑茶などのカフェインを含む飲み物も胃酸分泌を高める作用があり、症状があるうちは避けたほうがよいでしょう。代わりにノンカフェインの麦茶やハーブティーなどに切り替えるとよいでしょう。

胃潰瘍の治療中は刺激物や嗜好品をできるだけ控え、治療効果を高め再発を防ぐポイントです。

胃潰瘍のときの外食で気を付けるポイント

胃潰瘍のときの外食で気を付けるポイント

外食しかできない場合のメニュー選びのコツを教えてください

外食時は、揚げ物や刺激物を避け、薄味で温かくやわらかい料理を基準に選ぶとよいでしょう。

具体的には、天ぷらやフライなどの揚げ物、唐辛子の効いた料理、ラーメンなどは避けます。代わりに、焼き魚や煮魚に白米、湯豆腐や煮物の小鉢が付いた定食は、バランスがよく胃に優しい組み合わせです。麺類なら油の少ない温かいおうどんがよいでしょう。

中華や和食のお店でおかゆや雑炊が選べるようなら、それも胃に優しいメニューです。洋食の場合は、香辛料の強いカレーや刺激のあるトマトソース料理よりも、クリームシチューやポトフなど具材がやわらかく煮込まれた料理がよいでしょう。飲み物もアルコールは避けて、食事の際には白湯や薄めた温かいお茶などを選びましょう。

忙しいときに食事を抜くのはよくないですか?

なるべく食事を抜かないようにしましょう。前述のとおり、長時間胃の中が空っぽになると胃酸が過剰に分泌されて胃壁を傷つける可能性があります。特に、胃潰瘍の治療中は、規則正しく栄養を摂ること自体が胃粘膜の修復を助けます。なお、強い痛みや吐き気があって食べられないときは、無理に食事をせず胃を休ませることも必要です。その場合でも水分と最低限の栄養補給は忘れず、症状が落ち着いたらお粥やスープなど消化のよいものから少量ずつ再開してください。

胃潰瘍の食事と薬の関係

胃潰瘍の食事と薬の関係

胃潰瘍のときにサプリメントは飲んでも大丈夫ですか?

成分によりますが、一部のサプリメントは胃に負担をかける場合があります。例えば、鉄剤や亜鉛などミネラル類のサプリは、吐き気や胃もたれの原因になることがあります。胃潰瘍の治療中は、必要以上のサプリ摂取は控えた方がよいでしょう。

どうしても栄養補給でサプリを利用したい場合は、食後に服用するなど胃への刺激を和らげる工夫をしてください。また、サプリを飲んでいて明らかに胃の痛みやむかつきがある場合は、いったん中止して医師や薬剤師に相談しましょう。

栄養不足が心配であれば、まずは食事内容を見直しましょう。それでも不足しがちな成分があれば医師に確認のうえで適切なサプリを利用するとよいでしょう。

薬が効きやすい食事方法はありますか?

特別な薬の効き目を高める食事があるわけではありませんが、薬を作用させるために重要な食習慣はあります。例えば、日々の食事では前述したように刺激物を控え、胃に優しい食事を続けることが薬の治療効果をサポートします。また、処方薬と相性の悪い飲食物がある場合は医師から注意があります。例えば、一部の抗生物質はアルコールと一緒に摂ると副作用が強まることがありますし、グレープフルーツジュースは薬の効き方に影響を与える場合があります。こうした注意点を守ることも薬効を得るためには大切です。

編集部まとめ

編集部まとめ

 胃潰瘍は再発する病気でもあるため、「薬を飲めば治る」と油断してはいけません。治療効果を高め、再発を防ぐには、日々の食事や生活習慣の見直しをしましょう。胃に優しい食材選びや調理法、適切な食べ方や時間管理に気を配り、ストレスケアや禁煙、節酒にも取り組みましょう。日々の食生活は、胃潰瘍の再発を防ぐことにつながります。大切なのは症状がよくなっても油断せず、いつまでも胃を労わる意識を持ち続けることです。それが胃の健康の維持につながります。

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