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「閉塞隅角緑内障」になりやすい人の特徴はご存知ですか?主な症状も解説!

 公開日:2026/01/16
「閉塞隅角緑内障」になりやすい人の特徴はご存知ですか?主な症状も解説!

緑内障は日本人の失明原因の第1位とされる目の病気で、なかでも閉塞隅角緑内障は短時間で失明に至る危険性もある緊急性の高いタイプです。本記事では、閉塞隅角緑内障の基礎知識や開放隅角緑内障との違い、特徴的な症状やサイン、発症しやすい方の傾向、疑わしいときの検査や日常生活での注意点について解説します。

栗原 大智

監修医師
栗原 大智(医師)

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2017年、横浜市立大学医学部卒業。済生会横浜市南部病院にて初期研修修了。2019年、横浜市立大学眼科学教室に入局。日々の診察の傍らライターとしても活動しており、m3や日経メディカルなどでも連載中。「視界の質=Quality of vision(QOV)」を下げないため、診察はもちろん、SNSなどを通じて眼科関連の情報発信の重要性を感じ、日々情報発信にも努めている。日本眼科学会専門医。

閉塞隅角(ぐうかく)緑内障とは

閉塞隅角(ぐうかく)緑内障とは

閉塞隅角緑内障とはどのような病気か教えてください

閉塞隅角緑内障とは、目の中を循環する房水という液体の出口である隅角が狭くなったり塞がったりすることで、房水が十分に排出されず眼圧が上昇し、視神経が圧迫されて障害を受ける緑内障です。その結果、目の中の圧力(眼圧)が急激に高くなり、視神経を傷つけて視野が欠けたり、視力が低下したりしてしまいます。

閉塞隅角緑内障には、ほかの病気が原因ではなく目の構造上の問題で起こる原発性と、別の病気に続いて起こる続発性があります。また、進行の仕方によって、急激に眼圧が上がる急性型と、ゆっくり進行する慢性型に分けられます。急性型では短期間で失明することもある危険な状態なので、早急な治療が必要です。一方、慢性型では徐々に眼圧が上昇し、初期には症状がほとんど現れないこともあります。閉塞隅角緑内障は緑内障全体のうち約1割程度と少数ですが、放置すると重篤な視機能障害につながるため注意が必要な病気です。

参照:
『「日本緑内障学会多治見緑内障疫学調査(通称:多治見スタディ)」報告』(日本緑内障学会)

開放隅角緑内障との違いは何ですか?

緑内障には大きく分けて、開放隅角緑内障閉塞隅角緑内障の2つのタイプがあります。両者の一番の違いは、房水の出口である隅角が開いているか、狭いかという点です。開放隅角緑内障では隅角自体は広く開いていますが、隅角にある線維柱帯の目詰まりなどによって房水の排出が妨げられ、眼圧が上昇します。進行はゆっくりで、自覚症状がないまま視野が少しずつ狭くなるのが特徴です。一方、閉塞隅角緑内障では隅角そのものが狭くなったり閉じたりするため、房水の流れが急に悪化して眼圧が急激に上昇します。このため突然の急性緑内障発作が起こり、激しい眼痛や視力低下、吐き気などの強い症状が現れることがあります。

なぜ隅角が閉塞すると緑内障になるのですか?

目の中の房水は、一定の産生と排出のバランスによって正常な眼圧を維持しています。しかし、隅角が閉塞すると房水の排出路が物理的に遮断されてしまい、ちょうど排水口が詰まった状態のように眼内に水が溜まって眼圧が上がります。そして、上昇した眼圧により視神経が圧迫され、視野が狭くなったり視力が低下してしまったりします。これが隅角が閉塞することで緑内障になる理由です。

閉塞隅角緑内障になりやすい人の特徴を教えてください

閉塞隅角緑内障は、遠視の目の方に起こりやすいことが知られています。遠視の方は角膜と虹彩の間のスペース(前房)が狭く、隅角がもともと狭い傾向にあります。特に、近視がなく若い頃から視力がよかったような方は、中高年以降に急性緑内障発作を起こすリスクが高まるとされています。性別では女性の方が男性より多いです。また、年齢も大きなリスク要因です。加齢に伴い水晶体が厚く大きくなることで隅角が徐々に狭くなるため、中高年以降で発症しやすくなります。該当するリスクがある方は、症状がなくても定期的に眼科検診を受けておくとよいでしょう。

参照:
『緑内障といわれた方へ―日常生活と心構え―』(日本眼科医会)

閉塞隅角緑内障の症状とサイン

閉塞隅角緑内障の症状とサイン

閉塞隅角緑内障ではどのような症状が現れますか?

閉塞隅角緑内障の症状は、急性に発症する場合と慢性的に進行する場合とで大きく異なります。急性閉塞隅角緑内障では、ある日突然に次のような激しい症状が出現します。

  • 激しい目の痛み
  • 視界のかすみや視力低下
  • 目の充血
  • 吐き気・嘔吐

一方、慢性閉塞隅角緑内障の場合は、隅角が徐々に進行するため自覚症状に乏しいことがあります。眼圧がゆるやかに上昇するだけでは痛みは出ず、視野がゆっくり狭くなることでしか気付けません。少しでも「おかしいな」と思う症状があれば、自己判断せず眼科医に相談しましょう。

閉塞隅角緑内障の発作について教えてください

閉塞隅角緑内障の急性発作は、眼圧が一気に40〜80mmHgもの高値に上昇することで起こります。先に述べた激しい眼痛や頭痛、嘔吐、かすみみなどが典型的な症状で、この状態を急性緑内障発作と呼びます。急性緑内障発作は、出現後からわずか1〜2日で失明してしまうこともあります。治療は点眼や点滴投与などでできるだけ早く眼圧を下げ、レーザー虹彩切開術白内障手術を緊急施行して眼圧を下げます。治療が早ければ視力や視野へのダメージを最小限に食い止められます。

参照:
『緑内障診療ガイドライン(第5版)』(日本眼科学会)

初期の段階で自覚症状はありますか?

閉塞隅角緑内障の初期段階では、ほとんど自覚症状がありません。慢性型の場合、ゆっくり進行するため本人が異変に気付きにくく、視野欠損がかなり進んでからようやく見えにくさを感じることもあります。急性型の場合は発作が起きるまでは痛みなどの症状はありません。

ただし、閉塞隅角緑内障の発作前に前駆症状が出ることがあります。例えば、夕方から夜にかけて目がかすむ暗い場所で軽い目の痛みや頭痛が起こり勝手に治まる明るい光を見ると虹の輪が見えるといった症状です。こうした症状は一晩寝ると治ってしまうことも多く、見逃されがちですが、実は隅角が一時的に閉塞しかけて眼圧が上がったサインかもしれません。

特に、遠視で眼軸が短い方や「隅角が狭い」と以前検診で言われたことがある方は、初期からこのような前兆がないか意識するようにしましょう。とはいえ専門的な検査をしないと初期緑内障はわからないケースがほとんどです。自覚症状に頼らず、40歳を過ぎたら定期的に眼科検診を受けて早期発見に努めることが大切です。

片目だけ症状が出ることはありますか?

はい、閉塞隅角緑内障の急性発作は通常片目ずつ起こります。ほとんどの場合、まず片方の目に発作が起き、その時点で反対の目はまだ発作を起こしていません。ただし、もう片方の目も同様に隅角が狭いことが多く、近い将来に発作を起こす可能性はあります。そのため、一方の目で急性発作が起きた場合は、もう片方の目にも予防的にレーザー虹彩切開術などの処置を行うことがあります。また、慢性型の閉塞隅角緑内障では、片目に症状があれば、もう片目も同じような状態で進行することがあります。いずれにせよ緑内障は両目に発症する傾向がある病気です。

閉塞隅角緑内障を放置するリスクを教えてください

閉塞隅角緑内障を治療せず放置してしまうと、失明のリスクがあります。急性緑内障発作の場合は治療が遅れると、短期間で視力を完全に失ってしまうことさえあります。慢性型の場合も、症状がないからといって放置すると知らないうちに視野がどんどん欠けていき、最終的には視野が極端に狭まって日常生活が困難になったり、失明の状態になったりする可能性もあります。緑内障で一度障害された視野や視力はもとには戻りません。

閉塞隅角緑内障が疑われるときの検査と受診

閉塞隅角緑内障が疑われるときの検査と受診

閉塞隅角緑内障が疑われる場合、どのような検査を行いますか?

緑内障が疑われる症状や所見がある場合、眼科では総合的な検査を行って診断します。具体的には次のような検査が実施されます。

  • 視力検査
  • 眼圧検査
  • 細隙灯顕微鏡検査
  • 隅角検査(隅角鏡検査)
  • 眼底検査
  • 光干渉断層計(OCT)検査
  • 視野検査

これらの検査結果を総合して、緑内障があるか、開放隅角か閉塞隅角か、進行度はどの程度かを判断します。その後、隅角検査で隅角の状態を確認し、必要に応じてレーザー治療を行います。

受診すべき症状を教えてください

閉塞隅角緑内障が疑われる症状として、次のようなものが挙げられます。これらの症状がある場合はできるだけ早く眼科を受診してください。

  • 激しい目の痛み
  • 視界のかすみや視力低下
  • 目の充血
  • 吐き気・嘔吐

これらの症状があればできるだけ速やかに眼科を受診するようにしてください。速やかな対応が今後の視力や視野に大きく影響します。

日常生活のなかで気を付けておきたいポイントはありますか?

閉塞隅角緑内障と診断された場合や隅角が狭いと指摘されている場合、抗コリン作用のある薬剤の使用は注意が必要です。抗コリン作用のある薬剤は瞳孔を広げて隅角を狭くし、急性緑内障発作を誘発する可能性があります。必ず医師や薬剤師に緑内障、特に閉塞隅角であることを伝え、使用可能か相談してください。市販の風邪薬や抗ヒスタミン薬にも抗コリン作用が含まれるものがあります。

編集部まとめ

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急性緑内障発作は速やかな対応が必要な目の病気の一つです。放置すれば短期間で失明に至る危険もあります。一方で、発作が起こるまでは初期症状に乏しく、自分で気付くのが難しい病気でもあります。40歳以降は緑内障が発症しやすくなる年齢です。1年に1回眼科検診を受けることで、閉塞隅角緑内障に該当するかどうか確認するとよいでしょう。閉塞隅角緑内障への正しい理解と対策で、これからもよい視力と視野を守っていきましょう。

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