目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 医科TOP
  3. 病気Q&A(医科)
  4. 「女性が閉経後に痛風」が増えるというのは本当?症状や予防法も解説!

「女性が閉経後に痛風」が増えるというのは本当?症状や予防法も解説!

 公開日:2026/01/08
「女性が閉経後に痛風」が増えるというのは本当?症状や予防法も解説!

女性の痛風は、男性に比べて発症頻度が少ないとされていますが、決して女性に起こらない病気ではありません。女性は女性ホルモンの作用により尿酸が身体の外へ排泄されやすく、血液中の尿酸値が上がりにくい状態が保たれています。

しかし、閉経を迎えるとホルモンバランスが変化し、尿酸値が上昇する方が増えてきます。また、高血圧や糖尿病、腎機能の低下などを背景に、女性でも痛風を発症することがあります。痛風は急激な関節の痛みや腫れを引き起こし、日常生活に大きな支障を来す病気です。女性の痛風は、足の親指以外の関節に痛みが出る場合もあり、加齢による関節の不調と区別しにくいことがあります。

この記事では、女性の痛風について、原因や症状、ホルモンとの関係、予防や治療の考え方を解説します。

林 良典

監修医師
林 良典(医師)

プロフィールをもっと見る
【出身大学】
名古屋市立大学
【経歴】
東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。
【資格】
医学博士、公認心理師、総合診療特任指導医、総合内科専門医、老年科専門医、認知症専門医・指導医、在宅医療連合学会専門医、禁煙サポーター
【診療科目】
総合診療科、老年科、感染症、緩和医療、消化器内科、呼吸器内科、皮膚科、整形外科、眼科、循環器内科、脳神経内科、精神科、膠原病内科

“女性の痛風”の基礎知識

女性の痛風”の基礎知識

女性でも痛風になりますか?

女性でも痛風は起こりますが、発症頻度は男性より少ないとされています。痛風は血液中の尿酸が高い状態が続き、関節に尿酸結晶が沈着することで発症します。尿酸は男女ともに産生されますが、女性は尿酸を身体の外へ排泄する仕組みが働きやすいため、全体として痛風を発症する方は限られています。ただし、条件が重なると女性でも痛風を起こすことがあります。

女性が痛風になりにくいといわれている理由を教えてください

女性が痛風になりにくい理由として、女性ホルモンの影響があげられます。女性ホルモンには腎臓からの尿酸排泄を促す働きがあり、血清尿酸値が上がりにくい状態が保たれています。このため、同じ生活習慣であっても、男性に比べて尿酸値が高くなりにくい傾向があります。その結果として、女性の痛風発症頻度は低くなっています。

女性の痛風はホルモンバランスが関係しますか?

女性の痛風はホルモンバランスと深く関係します。エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンは、尿酸の排泄を助ける役割を担っています。ホルモン分泌が保たれている時期には、尿酸が血液中にたまりにくい状態が続きます。一方で、ホルモン分泌が変化すると尿酸排泄の調整が弱まり、尿酸値が上がりやすくなります。

閉経後に痛風が増えるというのは本当ですか?

閉経後は女性ホルモンの分泌が低下し、尿酸を腎臓から体外へ排泄する働きが弱くなります。その結果、血液中の尿酸値が上昇しやすくなり、男性との尿酸値の差は小さくなります。尿酸値が高い状態が続くことで、関節に尿酸結晶が沈着しやすくなり、痛風発作が起こりやすい状態になります。

痛風になる原因を教えてください

痛風は、体内で作られる尿酸の量と、腎臓から排泄される量のバランスが崩れることで起こります。尿酸は食事由来のプリン体や体内の代謝によって産生されますが、排泄が十分に行われない状態が続くと体内に蓄積します。飲酒や食事内容の偏り、体重の増加、腎機能の不調などは、尿酸が蓄積しやすくなる要因です。これらの要因が重なることで、尿酸結晶が関節に沈着し、痛風発作につながります。

“女性の痛風”の症状

“女性の痛風”の症状

女性の痛風ではどのような症状が起こりやすいですか?

痛風は、関節に急な痛みや腫れ、熱感が生じる発作が特徴です。女性でも基本的な症状は同じですが、足の親指以外の関節に痛みが出ることがあります。手指や足首、膝などに症状が現れる場合もあり、関節の不調として始まることがあります。そのため、加齢による関節痛や別の関節の病気と受け取られやすく、気付きにくいことがあります。

痛風と似た痛みが起こる病気はありますか?

関節の痛みや腫れを起こす病気には、偽痛風関節リウマチ細菌による関節の炎症などがあります。偽痛風は膝などの大きな関節に起こりやすく、痛風と同じように急な痛みや腫れを生じます。関節リウマチは、複数の関節に痛みやこわばりが続くことがあり、朝に動かしにくさを感じる方もいます。細菌による関節の炎症は、強い痛みとともに発熱を伴う場合があります。これらは症状だけで区別することが難しく、血液検査で炎症や尿酸の状態を確認したり、画像検査で関節の変化を調べたりして総合的に判断します。

女性の痛風予防と治療

女性の痛風予防と治療

生活習慣の改善で痛風は予防できますか?

生活習慣の見直しは、女性の痛風予防に役立ちます。尿酸は食事や体内代謝によって作られ、腎臓から排泄されるため、食事内容や飲酒習慣が影響します。プリン体を多く含む食品や過度の飲酒を控え、栄養の偏りを避けることで尿酸値の上昇を抑えやすくなります。また、体重増加は尿酸値を上げる要因となるため、無理のない範囲で体重管理を行うことも大切です。女性は、塩分摂取量と尿酸排泄の関係が指摘されており、日常的な塩分の摂り方を見直すことも予防につながります。

どのような症状が出たら病院へ行くべきですか?

関節に急な強い痛みや腫れ、熱感が現れ、歩行や日常動作が難しくなった場合は受診を考えましょう。特に、これまで経験したことのない関節痛が突然起こった場合や、痛みが数日続く場合は、早めに医療機関での確認が必要です。女性は痛風の症状が典型的でないこともあり、手指や足首などの違和感が続く場合も、自己判断せず相談することが大切です。

女性で痛風かもしれないと思ったら何科を受診すればよいですか?

痛風の患者さんは、かかりつけの内科を受診することが多いです。内科では血液検査で尿酸値や炎症の程度を確認し、症状の経過を踏まえて評価します。関節の痛みや腫れが強い場合や、ほかの関節の病気との区別が必要な場合には、リウマチ科整形外科で詳しい診察が行われることもあります。

女性の痛風の治療方法を教えてください

痛風の治療は、関節の痛みや腫れが強い時期の対応と、発作を繰り返さないための管理に分けて考えます。発作が起きている時期には、関節の炎症を抑える治療が中心となり、消炎鎮痛薬や炎症を抑える薬を用いて痛みや腫れを和らげます。関節を安静に保ち、患部を冷やすことも症状の軽減につながります。

日本では、こうした炎症が落ち着いてから尿酸値を下げる治療を開始する考え方が一般的です。症状が改善した後に、再発予防を目的として尿酸管理を行います。一方、海外では、炎症を抑える治療を併用したうえで、発作中であっても低用量から尿酸値を下げる治療を始める考え方も示されています。実際の治療は、症状の強さや発作の頻度、合併症の有無などを踏まえ、個々の状態に合わせて判断します。

参照:
『Management of Gout: Update from the American College of Rheumatology』(American Academy of Family Physician)
『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版』(日本痛風・核酸代謝学会)

編集部まとめ

編集部まとめ
女性の痛風は、男性に比べて発症頻度は少ないものの、起こらない病気ではありません。女性ホルモンの働きによって尿酸が排泄されやすい状態が保たれていますが、閉経後はその影響が弱まり、血液中の尿酸値が上昇しやすくなります。その結果、これまで尿酸値に問題がなかった方でも、痛風を発症する可能性が出てきます。

女性の痛風は、足の親指以外の関節に痛みが出ることもあり、加齢による関節の不調や別の関節の病気と区別しにくい場合があります。そのため、症状が軽い段階では見過ごされやすい点も特徴です。予防には食事内容や飲酒の量、体重管理など、日常の生活習慣を見直すことが役立ちます。関節の強い痛みや腫れが現れた場合は、早めに内科を受診し、必要に応じてリウマチ科や整形外科で評価を受けることで、適切な診断と治療につながります。

この記事の監修医師