「うつ病の人が言ってほしい言葉」はご存知ですか?声掛けのポイントも解説!

うつ病の方と接するとき、「どのような言葉をかければいいのだろう」と悩む方は多いでしょう。大切な方が苦しんでいると、「励ましたい」「力になりたい」と思うものの、何気ない一言が相手を傷つけてしまうのではないかと不安になることもあります。かける言葉次第で相手に安心感を与えることもできれば、逆に絶望感や孤独感を深めてしまうこともあります。本記事では、うつ病の方が本当に求めている言葉とは何か、具体的に安心させる声かけの例や、避けるべき言葉とその理由を解説します。

監修医師:
前田 佳宏(医師)
うつ病の人は“言ってほしい言葉”がある?言葉のかけ方の難しさ

うつ病の方はどのような言葉を言ってほしいと思っているのでしょうか
励ましと寄り添う言葉はどちらがよいですか?
うつ病の人への言葉のかけ方のポイント

うつ病の方が言われて安心しやすい言葉の例を教えてください
- 「つらいね、大変だったね」
- 「無理しなくていいよ」
- 「ゆっくり休んでね」
- 「ここにいてくれてうれしい」
- 「そばにいるよ」
これら以外にも、「話してくれてありがとう」「あなたのことが大切だよ」「〇〇さんのいいところたくさん知ってるよ」など、相手の存在価値を認め感謝する言葉も効果的です。大事なのは、どの言葉も相手を否定せず受け入れる姿勢が根底にあることです。
「今日は起きられたね」など行動を受け止める言葉をかけるのは大切ですか?
うつ病の方にとって、朝ベッドから起きる、食事をとるといった当たり前の行動でさえ大きな努力を要する場合があります。そんななかで「起きられたんだね」と声をかけることは、あなたの努力に気付いているという気持ちが伝わります。
早くよくなってほしいと思うと、大きな変化を求めがちですが、回復には時間がかかるものです。焦らせず本人のペースを尊重しながら、小さな進歩を一緒に喜ぶことが、回復を支えるためには大切ですとなります。細やかな変化に気付いて伝えることで、本人の自己肯定感を高めることにつながります。
「気の持ちよう」は言ってはいけないと聞いたのですがなぜですか?
うつ病は心の弱さや甘えではなく医学的な病気であり、根性や精神力だけで克服できるものではありません。それにも関わらず「気の持ちよう」と言われると、「自分の心の持ち方が悪いせいだ」と本人は自分をさらに責めてしまうのです。「甘えているだけじゃないの」という言葉も同様で、努力しても改善できず苦しんでいる当事者の気持ちを踏みにじり、自己肯定感を傷つけます。このように、「気の持ちよう」のような根性論は病気を個人の怠慢だと決めつける誤った対応であり、決して口にしてはいけません。
「頑張って」はなぜ負担になりやすいのですか?
また、「今のままではダメだ」と否定されたように感じ、自責の念や孤独感を深める原因にもなりえます。その代わりに、前述のような「無理しなくていいよ」「つらいね」といったプレッシャーをかけない言葉に置き換えるようにしましょう。
無理に話しかけない方がよい場面があれば教えてください
うつ病の人への接し方で迷ったら

専門家に相談を促すよい方法があれば教えてください
ただし、デリケートな問題なので、「病院に行きなよ」と一方的に指示すると、相手は責められているように感じて抵抗するかもしれません。代わりに、言葉の選び方に配慮して、優しく提案することが大切です。例えば、「疲れがなかなか抜けない状態が続いているから心配だな。専門の先生に相談してみたら少し楽になるかもしれないね」というように、うつ病という言葉を直接使わず相手の不調を心配している気持ちを伝えるとよいでしょう。そして「もしよかったら、初めての受診には私も一緒に付き添うよ」と提案してみます。こうすることで、相手は「自分を気遣ってくれているんだ」と感じ、受診へのハードルが下がるはずです。専門家への相談は回復への大事な一歩なので、相手が拒否感を示さないタイミングや言い方を選びましょう。
距離感が難しいときはどうすればよいでしょうか
何でも手助けしすぎず、でも必要なときにはサポートできる距離を保つようにします。どうしても距離感に悩む場合は、医師に助言を求めたり、家族教室や支援者の集まりなどでほかの家族の話を聞くのも有効でしょう。支える側が孤立しないことも、持続的なサポートをするうえで欠かせません。
相手を責めずに自分の気持ちを伝える方法はありますか?
編集部まとめ

うつ病の方への言葉かけでは、相手の気持ちに寄り添い、安心感を与えることが何より大切です。また、言葉以外のコミュニケーションも重要です。話したくないときは黙ってそばにいるだけでも、安心感につながります。家族や友人だけで支えきれないと感じたら、早めに専門家の力を借りることも検討しましょう。うつ病は適切な対応と治療によって必ず改善が期待できる病気です。焦らず、相手のペースに合わせた温かなコミュニケーションで支えていけば、少しずつでも前向きな変化が現れてくるでしょう。言葉の力で大切な人の心に寄り添い、回復への道をともに歩んでいきましょう。
参考文献




