「うつ病の診断書」は診断から何日でもらえる?うつ病の診断基準も解説!

うつ病で職場や学校を休む際、医療機関の診断書が必要となることがあります。しかし、診断書をどのように取得すればよいのか、発行までにどれくらいの期間がかかるのか、不安に感じる方も多いでしょう。本記事では、うつ病の診断書が必要となるシーンや取得方法、診断書に記載される内容、そして取得することで生じるデメリットなどを解説します。診断書の取得を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

監修医師:
前田 佳宏(医師)
目次 -INDEX-
うつ病で診断書が必要なシーンともらえるまでの流れ

うつ病の診断書はどのようなときに必要ですか?
うつ病と診断される基準を教えてください
- 精神疾患の診断・統計マニュアル第5版改訂版(DSM-5-TR)
- 国際疾病分類第11版(ICD-11)
今回はDSM-5-TRによる診断基準を解説します。以下の9つの症状項目のうち5つ以上が2週間の間ほぼ毎日続く場合に、うつ病と診断されます。なお、そのうち1つは、抑うつ気分または興味、喜びの喪失である必要があります。
- 抑うつ気分(絶望感・虚しさ・悲しみなどを伴う強い憂鬱な気分)
- 興味、喜びの喪失
- 体重変化または食欲異常
- 不眠または過眠
- 精神運動の焦燥または制止
- 疲労感または気力減退
- 無価値感または過剰な罪悪感
- 思考力や集中力の低下、または決断困難
- 死についての反復思考や自殺企図
さらに、これらの症状がほかの疾患によって引き起こされていない、という点も重要です。
うつ病の診断書はどのように依頼すればよいですか?
うつ病の診断書がもらえるまでの所要日数を教えてください
初診時に診断書をもらえるかどうかは、症状や経過によります。うつ病などの精神疾患は、症状が一定期間続いていることが診断基準となっているため、初診時に必ずしも発行されるとは限りません。医師による診断がつかなければうつ病の診断書は発行できません。基本的には医師が経過を観察し、診断が確定した後に発行されます。ただし、医師の診察や経過から初診時に診断がつく場合や、症状が重くすぐに休養が必要と医師が判断した場合などは、初診当日に発行されるケースもあります。
うつ病の診断書に書いてあること

うつ病の診断書にはどのようなことが書いてありますか?
うつ病の診断書の記載内容には患者さんのニーズは反映されますか?
患者さんのニーズと医学的な判断が異なる場合もあります。例えば、患者さんが休職を希望していても、医師が休職は必要ないと判断し、仕事を続けながらの治療を推奨する場合もあります。このような場合は、医師と十分に相談し治療方針を決定しましょう。
うつ病の診断書の内容を変更してもらうことはできますか?
ただし、医学的な根拠がない内容の変更や追記を求めることはできません。診断書は医師の専門的な判断を示す文書であり、患者さんの都合で記載事項を書き換えることはありません。症状が変化した場合や、症状が改善せず休職期間が延長になる場合などは、新たに診断書を発行してもらう必要があります。医師は定期的な診察を通じて病状の変化を確認し、必要に応じて診断書の内容を更新します。
うつ病の診断書に従って療養していても治らないことはありますか?
診断書に記載される療養期間は、医師が診察時点での病状をもとに見込みを示したものです。治療経過は患者さんによって異なるため、予想よりも回復に時間がかかったり、反対に予想よりも短期間で軽快したりするケースもあります。治療を続けていても症状が思うように改善しない場合は、治療方法の見直しも検討されます。
うつ病で診断書を取得するデメリット

うつ病で診断書を取得することで患者さんに不都合が生じることはありますか?
診断書を取得することで、将来的に民間の生命保険や医療保険に加入する際など、告知事項として申告が必要になる場合があります。保険会社によっては、精神疾患の既往歴があることで、加入が制限されたり、保険料が高くなったりする場合があります。ただし、病気の診断や治療が必要かどうかと、保険加入などへの影響は別の問題です。体調に不安がある場合は、適切な診断と治療を受けることが大切です。
うつ病の診断書を職場に提出することによるデメリットを教えてください
また、休職後の復帰にあたって、以前とは異なる業務に配置されることもあります。負担の軽い業務への配置転換は配慮の一環ですが、患者さんの希望と異なる場合もあります。
編集部まとめ

うつ病の診断書は、休学・休職や公的支援を受けるために必要な書類です。発行までに数日~1週間程度かかることが多く、費用も発生しますが、適切な休養やサポートを得るためには欠かせません。診断書には病名や休養期間などが記載され、内容は医師の判断で決まります。取得や提出に関して不安もあるかもしれませんが、診断書を取得して療養することで、症状の悪化を防ぎ、回復を目指すことができます。気になる症状がある方は、まず心療内科や精神科を受診し、ご自身の状態について相談しましょう。




