「高血圧の人が避けたい食べ物」はご存知ですか?予防法を解説!【医師監修】

皆さんは血圧を気にしたことはありますか?血圧が高めといわれたり、高血圧を予防する食品の宣伝が気になったりしたことはありますか?
高血圧を予防することはできるのでしょうか。高血圧を予防するためには、そもそも高血圧がどの程度の血圧のことか、どのように血圧を低下させるのかを知る必要があります。この記事では高血圧の基準と健康被害、予防する手段を解説します。

監修医師:
佐藤 浩樹(医師)
高血圧の概要とリスク

高血圧の基準値を教えてください
診断基準のなかでも、病院や検診で測定する血圧(診察室血圧)と家庭で測定する血圧(診察室外血圧)で基準が異なります。高血圧と診断される基準は 、診察室血圧で140/90 mmHg 以上、家庭血圧で135/85 mmHg 以上です。
治療の基準値は、2025年に新しく設定された目標値があります。診察室での目標血圧は130/80 mmHg 未満、家庭血圧の目標:125/75 mmHg 未満です。
参照:高血圧管理・治療ガイドライン2025
高血圧が持続するとどのような健康被害が生じますか?
脳で起こる脳血管障害で代表的なものは、脳梗塞や脳出血、クモ膜下出血です。突然倒れて言葉が出なくなる、身体が動かなくなるなどの症状が出現します。命に関わったり、後遺症が残ったりする危険がある病気です。
心臓では、心臓に血流を送る血管(冠動脈)に障害が起こり、やがて引き起こされる病気が心筋梗塞や狭心症などです。また、血圧が高くなることにより負荷が高まり、心臓の筋肉が厚くなります。心臓の働きが弱まり、息切れやむくみを伴う心不全を引き起こすことがあります。
腎臓も高血圧の影響を受けやすい臓器です。血圧が高い状態が続くと腎臓の働きが少しずつ落ち、慢性腎臓病や人工透析が必要な腎不全につながることがあります。
大きな血管におこる影響としてあげられるのが、動脈瘤や大動脈解離などの病気です。いずれも深刻な病気で、突然の命の危険を伴います。
目の血管も高血圧の影響を受ける臓器の一つです。網膜の血管が傷むと高血圧性網膜症となり、視力の低下や失明につながることがあります。
さらに近年、高血圧が長く続くと脳の小さな血管が傷み、物忘れや認知症のリスクを高める可能性があるというデータが報告されています。このように高血圧は自覚症状がほとんどなくても、放置するとさまざまな重大な病気の原因となります。
食生活の改善による高血圧の予防効果

高血圧は食生活の改善で予防可能ですか?
高血圧の人が避けたい食べ物や調理法、食べ方を教えてください
ほかに、脂肪の摂りすぎを避けるほうがよいです。
高血圧の人が積極的に摂りたい食べ物や料理を教えてください
近年、多価不飽和脂肪酸(特にオメガ3)の摂取をすすめる研究もあります。
運動習慣と高血圧予防

運動をすることで血圧が下がりますか?
また、運動をすることで、糖尿病の治療薬であるインスリンの感受性を上げたり、糖尿病の発症率を低下させたり、血中の脂質を下げたりして、間接的に高血圧による健康被害を減少させます。
高血圧の予防に効果がある運動の種類を教えてください
高血圧の人が運動をする際に気を付けることはありますか?
高血圧と体重の関係

体重管理に高血圧を予防する効果はありますか?
また、すでに高血圧の方でも、体重を1kg減少させると血圧が収縮期、拡張期ともに約1mmHg低下するという研究があります。
高血圧のリスクが低くなる体重や体脂肪の指標を教えてください
ほかに、メタボリックシンドロームの構成要素の一つである、内臓脂肪量の指標として、ウエスト周囲長があります。男性で85cm未満、女性で90cm未満が目安です。この基準は、腹部CTで臍の高さを水平に撮像したとき、内臓脂肪量100㎠に相当します。
どのような方法で体重を管理するとよいですか?
食生活の改善として、塩分量を減少させたり、野菜を中心に脂質を抑えたりしてカロリー過多を避ける必要があります。
運動はきつすぎない有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、水泳など)を継続的に行うことがすすめられます。筋トレも取り入れるとよいでしょう。
また、アルコールの過剰摂取を控えるなど生活習慣を見直し、体重、腹囲、血圧を定期的にモニタリングすることにより、効果的に体重管理を行えます。
編集部まとめ

食事や運動、体重コントロールといった生活習慣の見直しにより、高血圧とその健康被害を予防することができます。高血圧は重篤な疾患の原因となる病気です。健康的な習慣により効果的に高血圧を予防しましょう。
参考文献




