「熱中症で嘔吐」する原因はご存知ですか?嘔吐した後に推奨される飲み物や食べ物も解説!

真夏の屋外活動やエアコンを使わない室内で吐き気や嘔吐が起きた場合、熱中症が中等症以上に進んでいるおそれがあります。嘔吐は体内の水分と電解質を急速に失わせ、多臓器障害へつながる危険な症状です。この記事では原因から家庭での応急措置、医療機関で行う治療、回復期の過ごし方までをわかりやすく解説します。

監修医師:
高宮 新之介(医師)
熱中症で嘔吐するメカニズムと重症度

なぜ熱中症で嘔吐してしまうのですか?
熱中症で嘔吐しているときの重症度を教えてください
熱中症の嘔吐とそのほかの病気による嘔吐を見分けることはできますか?
- 高温多湿の環境に長時間いた
- 深部体温が38度以上で皮膚が熱い
- 筋肉のけいれんやめまい、発汗異常を伴う
迷う場合は熱中症として対処し、必要に応じて医療機関を受診してください。
熱中症で嘔吐しているときの応急措置

熱中症で嘔吐し始めたらどうすればよいですか?
涼しい場所へ避難する
まず、今いる場所から離れ、安全で涼しい環境に移ることが最優先です。屋外にいる場合は、風通しのよい日陰や、できれば冷房の効いた室内、車の中などに移動します。室内にいる場合は、すぐに冷房をつけ、部屋の温度を下げてください。
身体を冷やす
次に、身体から熱を逃がす手助けをします。体温の上昇を食い止めることが、重症化を防ぐ鍵です。衣服をゆるめ、ベルトやネクタイなどを外して身体を楽にします。皮膚に霧吹きなどで水をかけ、うちわや扇風機で風を送ります。水が蒸発するときの気化熱で効率的に体温を下げることができます。氷のうや保冷剤があれば、タオルで包んで首の付け根の両側、わきの下、足の付け根(そけい部)など、太い血管が通っている場所を冷やします。血液そのものを冷やすことで、全身の体温を効果的に下げることができます。
水分・塩分を補給する
水分補給は大変重要ですが、嘔吐しているときは特に注意が必要です。意識がはっきりしていて、吐き気が少し落ち着き、自分で飲める場合に限り、水分と塩分を同時に補給できる経口補水液やスポーツドリンクを少量ずつ、ゆっくりと飲んでもらいます。呼びかけへの反応が鈍いまたは意識がはっきりしない方に、無理やり水分を飲ませることは控えましょう。飲み物が気道に入り、窒息や肺炎(誤嚥性肺炎)を引き起こす危険があります。
子どもが熱中症で嘔吐しているときの注意点を教えてください
意識がない方が嘔吐しているときはどうすればよいですか?
日本赤十字社などがすすめる手順は以下のとおりです。
- 傷病者を仰向けの状態で、自分に近い方の腕を真横に伸ばします。
- もう片方の腕を胸の上に置き、手の甲を頬に当てます。
- 自分から遠い方の膝を立てます。
- 頬に当てた手と立てた膝を持ち、ゆっくりと手前に引くようにして身体を横向きに転がします。
- 下の腕が身体の下敷きにならないように位置を調整し、上の膝を約90度に曲げて身体が安定するようにします。
- 頭を少し後ろに傾けて、口から吐いたものが出やすいように気道を確保します。
この姿勢をとらせることで、吐いたものが自然に口から外へ流れ出るため、窒息を防ぐことができます。救急車を待つ間、この体位を保ち、呼吸が止まらないか注意深く見守り続けてください。
熱中症で嘔吐した場合に受診する診療科目を教えてください
熱中症による嘔吐を治療する方法と嘔吐後の過ごし方

熱中症で嘔吐をしているときに病院ではどのように治療をしますか?
熱中症で嘔吐した後に推奨される飲み物や食べ物を教えてください
飲み物は経口補水液、麦茶+少量の食塩、冷やし過ぎていない水がおすすめです。食べ物はお粥、うどん、バナナ、ゼリー飲料など脂肪が少なく消化がよい食品を選びましょう。特に24時間は乳製品や油分の多い食品、繊維が多い食品を避けてください。
熱中症で嘔吐した後はどの程度安静にしておけばよいですか?
Ⅱ度で30分以内に症状が消えた場合でも当日は自宅で安静にしてください。Ⅲ度や入院治療例では48〜72時間の経過観察がのぞましいです。回復期は深部体温、尿量、嘔気の有無をセルフチェックし、再発兆候があれば再診してください。
編集部まとめ

熱中症による嘔吐は、身体が発する危険信号です。今回の内容を参考に、いざというときに落ち着いて行動できるよう、大切なポイントを再確認しておきましょう。
嘔吐は熱中症の重症度II度(中等症)のサインであり、速やかな医療機関の受診が必要です。
応急措置の優先順位は①涼しい場所への避難→②身体の冷却→③慎重な水分補給です。意識がはっきりしない、または嘔吐を繰り返す方に無理やり水分を飲ませてはいけません。
意識がない方が嘔吐した場合は、吐いたもので窒息しないよう回復体位をとらせることが命を救います。病院では積極的な冷却治療と点滴が行われます。回復後の食事は、水分から始め、おかゆなどの消化のよいものへ段階的に進めましょう。症状がなくなっても、身体の暑さへの対応能力はすぐには戻りません。運動などの再開は慎重に行いましょう。
熱中症は誰にでも起こりうる病気ですが、正しい知識を持つことで重症化を防ぐことができます。この夏を元気に乗り切るために、ぜひ本記事の内容をお役立てください。




