どんな「食べ物が熱中症予防」に効果的かご存知ですか?予防に向かない飲み物も解説!

真夏日が続くと、体内の水分と電解質が不足しやすくなり熱中症の危険が高まります。暑さを避け、こまめに水分と塩分を補給することが重要です。
日頃の食事と飲み物を工夫すれば、汗で失われる成分を前もって蓄えられ、発症リスクを抑えられます。本記事では熱中症予防に本当に役立つ食べ物、飲み物、そして日々の食習慣をQ&A形式でわかりやすく解説します。

監修医師:
高宮 新之介(医師)
熱中症予防に役立つ食べ物

熱中症を予防するために日頃から摂ったほうがよい栄養素はありますか?
水分は体温調節、栄養素の運搬、老廃物の排出など、生命維持に不可欠な役割を担います。水分が不足すると、血液が濃縮して血流が悪くなり、体温調節機能が低下します。ナトリウム(塩分)は体内の水分量を適切に保ち、神経や筋肉の働きを正常に維持します。汗でナトリウムが失われた状態で水だけを大量に飲むと、血液中のナトリウム濃度が薄まり、「低ナトリウム血症」という危険な状態に陥ることがあります。これによりかえって水分を保持できなくなり、脱水を助長してしまう可能性があります。
カリウムはナトリウムと協力して細胞内外の水分バランスを調整する重要なミネラルです。筋肉の正常な収縮に不可欠で、不足すると足がつる(こむら返り)などの筋肉のけいれんを引き起こしやすくなります。これは熱中症の初期症状の一つです。
熱中症予防に役立つ食べ物を教えてください
- きゅうり・トマト・スイカなど水分の多い野菜や果物
- 梅干し・塩むすび・みそ汁などナトリウム源
- バナナ・ほうれん草・じゃがいもなどカリウム源
- 豚肉・うなぎ・大豆製品などビタミンB₁源
熱中症予防にはどのような主食がおすすめですか?
暑い日は塩むすびにして塩分を補っておきましょう。また冷やし中華やそうめんも夏の定番ですが、つゆやスープに塩分が含まれているため、暑い日の昼食に適しています。ただし、具材をしっかりとのせて、タンパク質や野菜も一緒に摂るように心がけ、栄養バランスを整えることが大切です。
熱中症予防に効果的な主菜と副菜を教えてください
- 主菜:豚肉のしょうが焼き/さばの塩焼き/冷ややっこ+塩こうじ
- 副菜:具だくさんみそ汁(冷や汁)/トマトときゅうりのマリネ/ほうれん草とえのきのおひたし
熱中症になりやすい季節におすすめの飲み物と向かない飲み物

仕事中や運動中の熱中症予防に効果が期待できる飲み物を教えてください
スポーツドリンクには熱中症を予防する効果がありますか?
ただし、注意点もあります。市販のスポーツドリンクには糖分が多く含まれている製品も少なくありません。運動量が少ないのに日常的に飲みすぎると、カロリーの過剰摂取につながる可能性があります。血糖値が気になる方や体重管理を行っている方は、成分表示を確認し、糖分の少ないタイプを選んだり、状況に応じて水で薄めたりするなどの工夫をするとよいでしょう。
熱中症予防に向かない飲み物を教えてください
- アルコール飲料
- カフェインを多く含む飲料
- 糖分の多い清涼飲料水
冷たい飲み物で熱中症を予防できますか?
ただし、キンキンに冷えた飲み物を一気に飲むのは避けるべきです。胃腸に大きな負担をかけ、腹痛や下痢の原因となることがあります。一度に飲む量はコップ1杯(200mL程度)を目安に、こまめに摂取することを原則としましょう。
熱中症を予防するための食習慣

朝食を抜くと熱中症になりやすいですか?
私たちは、寝ている間に汗などで約500mLもの水分を失っており、朝起きた時点の身体は軽い脱水状態にあります。朝食は、この失われた水分と塩分、そして午前中に活動するためのエネルギーを補給する最初の、そして大変重要な機会です。
朝食を抜くと、身体は水分・塩分・エネルギーが枯渇した状態で1日をスタートすることになります。これでは、体温調節機能が十分に働かず、午前中の気温上昇に身体が対応できなくなり、熱中症を発症する危険性が高まります。ごはんやパンなどの主食、そして水分と塩分を補給できる味噌汁やスープなどを組み合わせた朝食を、毎日必ず摂るようにしましょう。
熱中症予防に役立つおやつを教えてください
- 塩分入りタブレット、梅干し
- カットスイカ、バナナ
- ヨーグルト+はちみつ+少量の塩
子どもの熱中症を予防するために保護者が食事で気を付けることはありますか?
子どもは、体温調節機能が未熟で、体重あたりの体水分量が少ないため、大人よりも脱水症状に陥りやすいという特徴があります。また、遊びに夢中になると、のどの渇きや体調の変化を自分で訴えることが難しい場合も多いため、周りの大人が積極的に食事や水分補給を管理してあげることが不可欠です。
編集部まとめ

熱中症は、日々の少しの心がけで予防できる病気です。特に食事は、暑さに打ち勝つための身体づくりの土台となります。熱中症に強い身体を作る基本は、日々の食事で水分・塩分・カリウム・ビタミンB1を意識的に蓄えておくことです。飲み物はシーンで使い分け、日常は水や麦茶、汗をかいたらスポーツドリンク、症状が出たら経口補水液が基本です。朝食を抜くことは熱中症の大きなリスクです。一日の活動を支える水分・塩分・エネルギーを必ず朝食で補給してください。子どもや高齢の方は、のどの渇きや体調不良を自覚しにくい傾向があります。家族や周りの方が、こまめな水分補給や食事管理を積極的にサポートすることが命を守ることにつながります。
この記事で紹介した食事や習慣を参考に、万全の対策で厳しい夏を元気に乗り切りましょう。




