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女性に多い「胆嚢がん」なりやすい年齢と早期発見の方法を医師が解説!

 公開日:2025/06/28
女性に多い「胆嚢がん」なりやすい年齢と早期発見の方法を医師が解説!

胆嚢がんは、特に中高年で発症リスクが高まる病気です。しかし、初期症状が乏しく見過ごされることがあるため、気付いたときには進行しているケースも少なくありません。

胆嚢がんの発症リスクを知ると、早期発見や予防が可能です。本記事では、胆嚢がんが発症しやすい年齢やリスク要因、検査方法を詳しく解説します。

最後までお読みいただければ、胆嚢がんへの理解が深まり、適切な対策を講じるための知識を得られるでしょう。

山本 康博

監修医師
山本 康博(MYメディカルクリニック横浜みなとみらい)

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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい院長
東京大学医学部医学科卒業 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医 日本内科学会認定総合内科専門医

胆嚢がんとは

胆嚢がんは、胆嚢という臓器に発生する悪性腫瘍です。胆嚢は、肝臓の下にあり、脂肪を消化するために必要な胆汁を蓄える役割を持っています。
この病気は、初期の段階では症状が現れにくいため、気付かれないことがほとんどです。胆嚢がんは中高年で発症しやすいとされ、特に胆石症や慢性的な炎症を持つ方でリスクが高くなることが知られています。また、年齢だけでなく生活習慣や遺伝も関係すると考えられています。進行を防ぐためには、定期検診が重要です。

胆嚢がんになりやすい年齢と進行スピード

胆嚢がんを早期発見するには、発症しやすい年齢や進行スピードを把握しておきましょう。以下の3つについて解説します。

  • 好発年齢
  • 進行スピード
  • 生存率

順に見ていきましょう。

好発年齢

胆嚢がんは、主に中高年層で発症しやすい病気です。特に50代以降の方にリスクが高まり、60歳代がピークとされています。これは、年齢とともに胆嚢内に胆石や慢性炎症が発生しやすくなるためです。また、性別では女性に多いことがわかっています。
胆石症をはじめとした関連疾患を持つ方や家族にがんの既往歴がある方は、より注意しましょう。

進行スピード

胆嚢がんは、初期段階では症状が現れにくいため、気付いたときには進行している場合がほとんどです。その進行スピードは速いとされ、初期発見が難しいことがあります。
特に胆嚢がんが発見される段階で周囲の臓器に広がっているケースがあるため、定期的な検査が重要です。

生存率

胆嚢がんの生存率は、発見されたステージによって大きく左右されます。早期発見ができれば手術による治療が可能で、5年生存率が高くなる傾向です。
しかし、進行した場合や転移が見られる場合は治療が難しくなり、生存率も低下します。そのため、日頃から健康診断を受け、症状がなくてもリスク要因に応じた検査を心がけることが大切です。

胆嚢がんを早期発見するための方法

胆嚢がんは、早期発見が治療の鍵となる病気です。以下の3つの方法で、胆嚢がんの早期発見を目指しましょう。

  • 定期検診を受ける
  • 血液検査を受ける
  • 画像検査を受ける

それぞれの方法を詳しく解説します。

定期検診を受ける

定期検診は、胆嚢がんを早期に発見するために重要な方法です。特に中高年や胆石症、慢性胆嚢炎を持つ方には推奨されます。年に一度の検診で腹部超音波検査を行うことで、がんが症状を引き起こす前に兆候を見つけることが可能です。

血液検査を受ける

血液検査は、胆嚢がんの早期発見に役立つ重要な検査です。腫瘍マーカーや肝機能の異常を確認すると、がんの可能性を初期段階で把握できます。身体への負担が少ないこの検査は、リスク要因がある方が定期的に受けることで、早期発見の可能性を高める効果があります。
血液検査はほかの病気のリスクも明らかにする場合があり、総合的な健康管理に役立つことも特徴です。

画像検査を受ける

画像検査は、胆嚢がんを直接確認するための詳細な検査です。超音波検査やCTスキャンを用いることで、胆嚢内の腫瘍や炎症の兆候を明らかにできます。
特に超音波検査は負担が少なく、定期的に受けることで早期発見の可能性を高める方法です。CTやMRIを併用すれば、がんの状態をさらに詳細に把握できます。また、画像検査を行うと、胆嚢がんに限らず関連するほかの病気の早期発見にも役立てることが可能です。

胆嚢がんステージ別の治療法

胆嚢がんの治療法を、以下の4つのステージごとに適切な治療法を解説します。

  • ステージ1
  • ステージ2
  • ステージ3
  • ステージ4

各ステージの治療方法を詳しく見ていきましょう。

ステージ1

ステージ1では、胆嚢がんが胆嚢内にとどまっているため、手術が主な治療法です。胆嚢全体を摘出する胆嚢摘出術が行われます。この段階では転移のリスクが低く、治療後の経過も良好です。
術後の再発リスクを抑えるため、定期的な検診が推奨されます。早期発見で治癒率が高いのが特徴です。

ステージ2

ステージ2では、がんが胆嚢の外側に広がっている可能性があります。この場合、胆嚢摘出術に加えて、周囲のリンパ節や肝臓の一部の切除が検討されます。
術後の経過観察が重要で、治療後は再発の有無を確認するため定期的なフォローアップが必要です。

ステージ3

ステージ3になると、がんが胆嚢の外側や周囲の臓器に広がっています。この段階では手術単独では治療が難しい場合が多く、化学療法や放射線療法を併用することがあります。
これらの治療で期待できるのは、がんの進行を抑えたり、症状を軽減したりする効果です。

ステージ4

ステージ4は、がんが遠隔転移している状態です。
この場合、根治治療は難しいことが多く、主に化学療法や放射線療法が行われます。治療の目的は、症状を和らげることや生活の質を保つことにあります。

胆嚢がんの年齢についてよくある質問

ここまで胆嚢がんになりやすい年齢・早期発見するための方法などを紹介しました。ここでは「胆嚢がんの年齢」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

胆嚢がんは何歳頃から発症しやすいですか?

山本 康博医師山本 康博(医師)

胆嚢がんは、一般的に中高年層で発症しやすい病気とされています。特に50代以降での発症例が多く、加齢に伴う体内の変化が主なリスク要因です。胆石症や慢性胆嚢炎などの病歴を持つ場合、さらにリスクが高まることが知られています。また、胆嚢がんの発症リスクは性別による違いもあり、女性に多い傾向があります。

検査を受ける目安を教えてください。

山本 康博医師山本 康博(医師)

胆嚢がんの検査を受けるなら、40歳を超えたら年1回の検診を受けるようにしましょう。検診では、血液検査や超音波検査が行われ、異常があればCTやMRIなどの精密検査に進むことがあります。症状がなくても、リスクが高いと感じる場合は医師に相談し、早期検査を受けることが大切です。

編集部まとめ

胆嚢がんは特に中高年に多く見られる病気で、早期発見が治療の鍵です。発症リスクは50代以降で高まります。初期段階では自覚症状が少ないため、定期検診での早期発見が重要です。

進行段階に応じた治療法が確立されており、手術や化学療法、放射線療法が選択肢となります。適切な治療を受けることで予後の改善が期待できます。

発症リスクの高い方は生活習慣を見直し、早めに医師への相談が健康を守る第一歩です。

胆嚢がんと関連する病気

「胆嚢がん」と関連する病気は3個程あります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する病気

これらの病気は、胆嚢がんの発症リスクを高める要因となることがあります。胆石症は、胆嚢内に結石ができる病気です。長期間にわたり結石が胆嚢を刺激して慢性炎症を引き起こし、がんの発生リスクを高める可能性があります。慢性胆嚢炎も同様に、胆嚢の組織に繰り返し炎症が生じることで、細胞が変異しやすい環境を作ることが知られています。

胆嚢がんと関連する症状

「胆嚢がん」と関連している、似ている症状は3個程あります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 右上腹部の痛み
  • 黄疸(皮膚や目が黄色くなる)
  • 食欲不振や体重減少

右上腹部の痛みは、胆汁の流れの阻害が原因の可能性があります。黄疸は胆汁が正常に排出されず、血液中にビリルビンが増えることが原因です。さらに、進行した胆嚢がんでは消化不良や栄養吸収障害が起こり、これが体重減少や全身の疲労感につながることがあります。胆嚢がんの症状は早期には現れにくいです。症状が長期間続く場合は診察を受けましょう。

この記事の監修医師