「糖尿病の初期症状」はご存知ですか?進行すると現れる症状も解説!【医師監修】

みなさんはどのような症状が出たら糖尿病を疑いますか。また、すでに糖尿病と診断されている場合、どのような症状が出たら病院を受診すべきでしょうか。今回は、糖尿病の進行度合いに応じた症状や合併症の症状を解説します。

監修医師:
上田 莉子(医師)
目次 -INDEX-
糖尿病の前兆と受診サイン

糖尿病はどのような病気ですか?
糖尿病では、5年から10年の高血糖の期間を経て、足の先の末梢神経、眼の奥にある網膜、腎臓などに障害を認めるようになることが多いです。
それだけでなく、脳や心臓を栄養するやや太めの血管にも障害がおき、脳梗塞や脳出血、狭心症や心筋梗塞が起こりやすくなるのも特徴です。
糖尿病の前兆を教えてください
瘦せていても糖尿病に罹患する場合はもちろんありますが、肥満や脂肪肝を契機に糖尿病を発症する方もいます。糖尿病を発症するかどうか不安な方は、普段から適正な体重を目指すため、まず体重計に乗って体重変化やBMIを今一度確認してみるのもよいかもしれません。
どのような症状があったら受診すべきですか?
喉が異常に乾く、飲んでいる水分量が異様に多い、尿量や尿回数が多い、なども診断の一助となるでしょう。
または、血糖値が高いことで急な体重減少が起こることがあり、意図しない体重変動があった場合には注意が必要である可能性があります。これらの症状が出ていたら、高血糖が持続している可能性が高いです。早めに病院を受診しましょう。
糖尿病の症状

糖尿病の初期症状を教えてください
糖尿病が進行したらどのような症状が現れますか?
また、糖尿病の方では心臓や脳の血管が詰まったり破れたりしやすくなります。心筋梗塞や脳出血は命にかかわることもあります。
糖尿病末期の症状を教えてください
糖尿病合併症の症状

糖尿病合併症について教えてください
細小血管障害には、神経障害、網膜症、腎症が存在します。直接命を失う合併症ではありませんが、失明や足切断、透析などにより著しく生活の質を落としてしまう可能性があります。こちらについては後述します。
大血管障害では、脳や心臓を栄養するやや太めの血管にも障害がおき、脳梗塞や脳出血、狭心症や心筋梗塞が起こりやすくなります。
最近は、血糖値を下げるだけでなく、心筋梗塞や脳卒中の発症リスクを下げてくれるという副次的効果のある糖尿病薬が発売されています。気になる方は、主治医に確認してみるとよいでしょう。
そのほかには、うつ病にかかりやすくなる、感染症が重篤化しやすい、認知症リスクが上昇する、大腸がんや膵がんなどの発症リスクが健常人の2倍程度に上昇することが知られています。
もしもうつ病に罹患した場合、自分でなんとかしようとはせず、できるだけ適切に医療に頼ることが必要です。認知症リスクはアルツハイマー型認知症、脳血管型認知症のどちらの罹患率も上がることで知られています。認知症を遠ざけるためには、よく運動し、こまめに歩くことが必要でしょう。糖尿病に限らずのデータですが、80代の方でも、日常的に運動量が多い方は、少ない方よりアルツハイマー型認知症にかかりにくいという報告もあります。がんについては、普段の病院受診でできていないときは健康診断のがん健診などを利用し、定期的にがんの発症がないかを検査しましょう。
糖尿病網膜症の症状を教えてください
しかし、糖尿病網膜症は、ある程度進行するか、網膜の中の黄斑という部分に病変がかぶらない限り、目立った症状が出ません。進行したり、黄斑に症状が出たりすると、網膜の障害部位により視力低下したり、視野欠損が起こったりしてくる場合があります。
視力低下や視野欠損が一度起こると、以前までの視力や視界を得ることが難しくなる場合があります。
糖尿病網膜症の進行度をみて、進行を抑制するためには、定期的に眼科に通院するのが大切です。
糖尿病腎症にかかるとどのような症状が現れますか?
腎機能低下がさらに進むと、透析療法が必要になり、血液透析であれば1週間に3日程度、1日平均4時間の拘束で全身の血液を入れ替える治療が必要になります。
腎機能は一度下がったら基本的にはもうもとには戻りません。糖尿病と診断されたら、腎機能が低下していないか、病院に通院して採血で随時みてもらいましょう。
糖尿病神経障害の症状を教えてください
足の感覚がなくなると、足の怪我に気が付きにくくなります。また、高血糖が持続すると一度負った怪我が治癒しにくくなります。怪我の炎症が骨まで達すると、骨髄炎となり、さらに進行すると足切断が必要になる場合も出てきます。
糖尿病の方が怪我をした場合、また、糖尿病の診断が出ていなくても怪我が治りにくい場合は、すぐに病院にかかるようにしましょう。
なお、足切断をした方は、心臓の血管も同時に痛んでいるので、心血管疾患にかかりやすいという報告もあります。足がなくなって歩くことが困難になるだけでなく、狭心症や心筋梗塞の危険性も上昇するのが糖尿病足病変の怖いところです。
編集部まとめ

糖尿病と診断されても、長い間目立った症状がありません。糖尿病は困らないことに困る病気とよく説明します。困ったことが起こったときには、もう取り返しのつかないところまで進んでしまっていることが多いためです。困っていないときにもしっかり治療をすることが肝心です。
まだ糖尿病ではないけれど、血のつながった家族に2型糖尿病の方が多いなどの場合、遺伝素因と環境素因で2型糖尿病を発症する可能性は高いといえます。
2型糖尿病の家族歴がある方は、健康診断などでなるべく早く高血糖をとらえ、病院にかかることが大切です。
もしくは、口渇、多飲、多尿、体重減少、易疲労感などの高血糖症状があった場合は、高血糖が持続している可能性が高いので、期間をあけずに病院を受診するようにしましょう。
参考文献
- 診断と治療社.糖尿病専門医研修ガイドブック 改訂第9版
- Total daily physical activity and the risk of AD and cognitive decline in older adults




