「糖尿病の原因」はご存知ですか?1型・2型糖尿病それぞれの原因も解説!【医師監修】

皆さんは、糖尿病がどのような病気かご存じでしょうか。厚生労働省の発表では、2019年の時点で65歳以上の日本人の5人に1人が糖尿病に罹患していると明かされました。
糖尿病があると狭心症・心筋梗塞などの心臓の病気、脳梗塞・脳卒中といった脳の病気の罹患率が増えるだけでなく、足の神経障害で足切断に至ったり、網膜症という目の病気で失明に至ったり、腎症といって腎臓が悪くなり透析が必要になったりと糖尿病は万病のもとといえます。
では、糖尿病になりやすい方はいるのでしょうか。予防法はあるのでしょうか。この記事では、糖尿病になりやすい方の特徴と予防法をご説明します。

監修医師:
上田 莉子(医師)
目次 -INDEX-
糖尿病の原因

糖尿病とはどのような病気ですか?
糖尿病は成因により大きく4つに分類され、1型糖尿病と、2型糖尿病、そのほかの特定の機序、疾患による糖尿病、妊娠糖尿病に分けられます。
1型糖尿病の原因を教えてください
1型糖尿病は自己免疫によるものと、特発性といって原因がわからないものがあります。このどちらにも共通するのが、膵臓のβ細胞が破壊されて内因性のインスリンが作れなくなるという病態です。
基本的には体質のため自分で防ごうと思って防げるものではありません。
1型糖尿病を発症すると、それ以降は身体の外からインスリンを補充することが必要です。
2型糖尿病の原因は何ですか?
生活習慣病として扱われることの多い2型糖尿病ですが、一概に生活習慣のせいだけで発症するとはいえず、その背後には必ず遺伝素因が関与します。
若くして2型糖尿病になった方について、その分贅沢な食事をしていたのではないか、とよく邪推や勘違いをされがちですが、若いときに2型糖尿病を発症した方こそ、加齢という要素なしに発症にいたっているので、遺伝要因が強かったと推察できます。
糖尿病になりやすい人の特徴

1型糖尿病はどのような人がかかりやすいですか?
2型糖尿病にかかりやすい人の特徴を教えてください
まずは、ご自身の家族歴といって、家系に糖尿病の方がいないか調べてみましょう。
また、肥満傾向にある方は注意が必要です。やせ型の方でも遺伝要因があれば発症するのが2型糖尿病ですが、肥満はインスリンを効きにくい状況を作り出し、より2型糖尿病の発症が発症しやすくなります。
女性の場合は妊娠を契機に2型糖尿病に罹患することもあります。子どもがお腹のなかにいることが、インスリンが効きにくい状況を作り出すためです。
身体にがんができた場合も、インスリンが効きにくい状況ができるため、2型糖尿病を発症することが知られています。
糖尿病を予防する方法

糖尿病を予防することはできますか?
2型糖尿病を予防するための食事を教えてください
最初に、サラダはつけられていますか。厚生労働省は、1日に最低350gの野菜を摂ることを推奨しています。1回の食事で野菜を主材料とした料理を1皿以上取り入れ、1日5皿~6皿分を目安に摂取することを心がけましょう。
次のポイントは、サラダや魚から食べ始めること、ごはん・パン・麺類・芋、果物や砂糖など甘いものなどの糖質は食事の最後の方で食べることです。
糖尿病になりやすい方は、インスリンの初期分泌が遅れていることが知られています。健常な身体ではインスリンは食事を開始して30分後をピークに分泌されていますが、糖尿病の方やその前段階の方は、インスリンの分泌のピークが食事開始から60分前後と遅れていることが多いです。インスリンがたくさん出ているときに摂った食べ物は糖質まで分解されてもうまく筋肉や脂肪に取り込まれて処理されますが、インスリンが出切っていないときに摂った食べ物は血中に残って血糖の異常な上昇をきたします。つまり、食事の最初の方で糖質を摂ってしまうと、それがインスリンによって処理できず、そのまま血糖値の異常な上昇をきたしてしまうのです。
食事以外に気を付けることはありますか?
1週間に最低でも3回、ややきつい程度の運動を取り入れることがよいとされています。
もし無理でも、駅ではなるべく階段を使う、バスを一駅前で降りて短距離でも歩く習慣をつけることが、遠回りに見えて健康な生活への近道となるでしょう。
糖尿病が疑われる場合の対処法

糖尿病が心配なときに受診すべき診療科目を教えてください
糖尿病はどのような検査を経て診断されますか?
編集部まとめ

健康診断で2型糖尿病またはその前段階の診断を受けて受診される方は少なくないです。ただし、2型糖尿病は初期では目立った症状がなく、健康診断で異常を指摘されても長年受診に至らない方も多いようです。
2型糖尿病の治療には、遺産効果といって、罹患してすぐの良好な血糖コントロールが将来的な糖尿病合併症の発症を抑えることが知られています。このため、糖尿病の発症の恐れがある場合は、なるべく早めに病院を受診し、適切な治療を受けるようにお願い申し上げます。
参考文献
- 糖尿病の指摘の状況(e-Start 政府統計の総合窓口)
- 診断と治療社.糖尿病専門医研修ガイドブック 改訂第9版
- 健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~(厚生労働省)




