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「花粉症」を発症すると鼻や目にどんな「症状」が現れる?原因となる植物も解説!

 公開日:2026/03/11
「花粉症」を発症すると鼻や目にどんな「症状」が現れる?原因となる植物も解説!

春になるとくしゃみや鼻水が止まらない……と花粉症に悩む方は少なくありません。特に朝起きた瞬間に症状が強く出るモーニングアタックに苦しむ方もいます。

花粉症の原因となる植物はスギやヒノキだけではありません。ほかにもさまざまな種類があり、地域や季節によって異なります。

この記事では花粉症の主な症状や発生しやすいタイミング、対策を詳しく解説します。

五藤 良将

監修医師
五藤 良将(医師)

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防衛医科大学校医学部卒業。その後、自衛隊中央病院、防衛医科大学校病院、千葉中央メディカルセンターなどに勤務。2019年より「竹内内科小児科医院」の院長。専門領域は呼吸器外科、呼吸器内科。日本美容内科学会評議員、日本抗加齢医学会専門医、日本内科学会認定医、日本旅行医学会認定医。

花粉症の症状とモーニングアタックについて

花粉症のビジネスマン

鼻の三大症状を教えてください。

花粉症の代表的な鼻の症状はくしゃみ・鼻水・鼻づまりの三つです。私たちの身体は、鼻から入った異物を有害と判断すると、防御反応としてこれらの症状を引き起こします。花粉症の鼻水は透明でサラサラしており、通常発熱を伴わないのが特徴です。
ただし、風邪の初期でも透明な鼻水がみられることがあり、鑑別には持続期間や症状の経過が重要です。これらの症状が2週間以上続く場合は花粉症の可能性が高いと考えられます。

眼の三大症状を教えてください。

花粉症によって引き起こされる眼の代表的な症状は眼のかゆみ・充血・涙が出るの三つです。これらの症状は花粉性結膜炎とも呼ばれ、特定の季節に毎年繰り返し発症することが特徴です。
花粉性結膜炎の原因は明確で、決まった季節に両眼に症状が現れます。かゆみを我慢せず、適切な対策をとることが大切です。

鼻と眼以外の症状についても教えてください。

花粉症の症状は鼻や眼にとどまらず、全身に影響を及ぼすことがあります。のどの症状としてかゆみや痛み、咳、痰が出ることがあります。これは鼻で吸収しきれなかった花粉がのどへ流れ込むことで起こるものです。耳のかゆみや聞こえにくさを訴える方もいます。
花粉による鼻炎症状が耳管に影響して耳管機能障害(耳管狭窄症)を引き起こし、耳の違和感や聞こえにくさを感じることがあるのです。また花粉症による炎症反応が全身に広がることで、食欲不振や胃のもたれ、下痢などの症状が出ることもあります。
さらにお肌に赤みやかゆみが生じることもあります。お顔や首に症状が出やすく、アレルギー反応によって敏感になるのが特徴です。頭痛や頭の重さ、発熱、全身のだるさなども見られることがあります。
特に鼻づまりがひどい場合は呼吸がしづらくなるため集中力が低下し、睡眠の質も悪くなります。

モーニングアタックとはどのようなものですか?

朝起きたときに突然くしゃみや鼻水が止まらなくなったり、鼻づまりがひどくなったりすることがあります。これはモーニングアタックと呼ばれる現象で、花粉症の方によく見られる症状のひとつです。
私たちの身体は睡眠中は副交感神経が優位に働き、朝目覚めると交感神経へと切り替わります。
交感神経は鼻の血管を収縮させ鼻水やくしゃみを抑える働きをしますが、朝は副交感神経優位から交感神経優位へと急激に切り替わる過程で、自律神経のバランスが不安定になり、一時的に鼻粘膜の血流が増加して症状が悪化しやすくなります。
そのためくしゃみや鼻水が一時的に多く出てしまうのです。アレルギー性鼻炎や慢性的な鼻炎を持っている方は、モーニングアタックのリスクがさらに高くなります。特に花粉が多い時期には目覚めた瞬間から症状がひどくなり日中の生活にも影響を及ぼすことがあります。

花粉症の原因となる植物やメカニズム

ミモザとマスクアレルギーイメージ

花粉症の症状の原因になる植物は何ですか?

花粉症の原因となる花粉は数多くありますが、特にスギ花粉症・イネ科花粉症・ブタクサ花粉症が代表的で三大花粉症とも呼ばれています。日本で多いのはスギ花粉による花粉症です。ヒノキの花粉もスギと似た抗原を持つため、スギ花粉症の方はヒノキの花粉でも症状が出やすい傾向にあります。
またシラカンバやハンノキ、ケヤキ、コナラなどの樹木も花粉症の原因となる植物です。草本植物ではイネ科のカモガヤやオオアワガエリ、キク科のブタクサやヨモギ、アサ科のカナムグラなどが挙げられます。これらは飛散時期が異なるため、一年を通して花粉症に悩まされる方も少なくありません。

花粉に注意する時期を教えてください。

花粉の飛散時期は地域によって異なりますが、主に春から秋にかけてさまざまな種類の花粉が飛びます。特にスギやヒノキの花粉は春に多く、2月頃から飛散が始まり4月頃にピークを迎えます。
これらの花粉は秋にも少量飛ぶことがあるため注意が必要です。イネ科の植物の花粉は種類が多く、春から初秋まで長期間飛散します。
さらにブタクサやヨモギ、カナムグラなどのキク科やアサ科の植物の花粉は、夏の終わりから秋にかけて増えるため秋にも花粉症の症状が出る方がいます。

花粉症になるメカニズムを教えてください。

花粉症は体内に入った花粉に対して免疫システムが過剰に反応し、くしゃみや鼻水、眼のかゆみなどの症状を引き起こすアレルギー疾患です。本来、免疫は身体を守る働きをしますが、花粉症ではこの反応が過剰になり日常生活に支障をきたすことがあるのです。
鼻には呼吸する空気を加温・加湿し、異物を取り除く機能があります。花粉が鼻孔から入ると、粘膜表面の粘液に付着し線毛の働きによって奥へ運ばれます。しかし完全に排出されなかった花粉が粘膜に浸透し抗原が体内に侵入すると、免疫細胞が異物と認識して攻撃を開始するのです。

花粉症の症状を改善するための治療法と対処法

花粉症対策グッズ

医療機関ではどのような治療を行いますか?

花粉症の治療には、症状を抑える対症療法と体質を改善する根治療法があります。対症療法ではアレルギー反応を抑える薬が使われ、くしゃみや鼻水が主な症状の場合は抗ヒスタミン薬や化学伝達物質遊離抑制薬が処方されます。
一方、鼻づまりがひどい場合は抗ロイコトリエン薬やステロイド点鼻薬が効果的です。重度の鼻づまりには点鼻用血管収縮薬や経口ステロイド薬が使われることもあります。
眼の症状には抗アレルギー点眼薬やステロイド点眼薬が用いられますが、ステロイド点眼薬は眼圧上昇のリスクがあるため注意が必要です。またレーザー治療で鼻粘膜を焼いて症状を和らげる方法もあります。
根治療法にはアレルゲン免疫療法があり、スギ花粉症とダニアレルギーに適用されます。この治療はスギ花粉の成分を少量ずつ体内に投与し、免疫を慣らしていく方法です。一般的には舌の下に薬を置く舌下免疫療法が行われ、長期間続けることで症状の改善が期待できます。

花粉症の市販薬の効果について教えてください。

花粉症の症状を和らげる薬は医療機関で処方されるものだけでなく、市販薬としても購入できます。特にスイッチOTC医薬品と呼ばれる薬は、もともと医師の処方が必要だったものを一般向けに販売できるようにしたものです。
これにより副作用が少なく、効果の高い薬が手軽に入手できるようになっています。現在、市販されている抗アレルギー薬の多くは第2世代抗ヒスタミン薬に分類されます。このタイプの薬は眠気が出にくく、持続時間が長いのが特徴です。
  • アレグラ
  • クラリチン
  • アレジオン
  • エバステル
  • タリオン
  • ジルテック

これらの薬と同じ成分の薬が市販薬として販売されています。なかでもアレグラとクラリチンは眠気がほとんど出ず、車の運転にも影響が少ないとされています。市販薬は手軽に購入できるため医療機関を受診しにくい場合の選択肢として有効です。

市販薬と処方薬の違いを教えてください。

市販薬は手軽に購入でき、初診料や処方箋料が不要で健康保険が適用されない点が特徴です。薬剤師からアドバイスを受けながら自分の症状に合った薬を選べますが、処方薬と比べて有効成分の含有量は少なめになっており、効果が軽度であることがあります。
一方、処方薬は医師の診察を受けた後、健康保険が適用されるため一定の費用負担で受けられます。処方薬は有効成分の含有量が多く、症状にしっかりと対応できるため効果が高いです。症状がひどく、より高い効果を求める場合は花粉症外来に相談するのがよいでしょう。

薬以外の対処法を教えてください。

花粉症の症状を軽減するためには薬以外にもさまざまな対策があります。外出時はマスクや眼鏡、帽子を着用し、花粉の侵入を防ぎましょう。ポリエステル素材の服を選ぶと花粉が付きにくいのでおすすめです。
帰宅後は服や髪に付いた花粉を払い落とし、うがいや手洗いを徹底しましょう。また洗濯物は外干しを避け、部屋干しにすると花粉の付着を防げます。
室内ではこまめに掃除をして花粉を減らしましょう。掃除機を使う際はHEPAフィルター付きのものを選ぶとよいです。換気は必要ですが、花粉の飛散が多い時間帯は窓を閉めておきましょう。
免疫力を高めるためにはバランスの取れた食事と十分な睡眠を心がけ、規則正しい生活を送ることも重要です。

編集部まとめ

花粉症の若い女性

花粉症は、花粉が原因となり免疫反応が過剰に起こることによって引き起こされます。主な症状にはくしゃみ・鼻水・鼻づまり・眼のかゆみなどがあり、モーニングアタックも多くの方が経験します。

対処するには薬の使用や外出時の予防策、室内の掃除などが有効です。

市販薬や処方薬の違いも理解し、自分の症状に合った対策を取ることが大切です。また、生活習慣の改善も効果的な予防になります。

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