「メニエール病」の方が避けた方がいい「食べ物」はご存知ですか?【医師監修】
公開日:2025/10/10

メニエール病という名前を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。メニエール病は治療と並行し、食生活を含む生活習慣の見直しが回復や再発防止に重要とされています。 この記事では生活習慣のなかでも特に食事に着目し、メニエール病の症状を軽減するための情報を解説します。 メニエール病になってしまったとき、食べるのを控えたほうがよい食品や、積極的に摂取したい栄養素を紹介します。予防法についても解説するのでメニエール病の症状でお困りの方にとって参考になれば幸いです。

監修医師:
五藤 良将(医師)
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防衛医科大学校医学部卒業。その後、自衛隊中央病院、防衛医科大学校病院、千葉中央メディカルセンターなどに勤務。2019年より「竹内内科小児科医院」の院長。専門領域は呼吸器外科、呼吸器内科。日本美容内科学会評議員、日本抗加齢医学会専門医、日本内科学会認定医、日本旅行医学会認定医。
メニエール病で食べてはいけないものについて
メニエール病とはどのような病気ですか?
メニエール病は、内耳の異常によって起こるめまいを主症状とする病気です。めまいに加えて難聴や耳鳴りを伴うことが一般的です。30~50代の女性に多く見られ、初期は耳の不調から始まり、激しい回転性のめまいや難聴・耳鳴り・耳閉感が現われます。
メニエール病はこれらの症状が繰り返し現れることが特徴です。早期に治療を開始すれば、症状の出現を抑えられる場合が多いです。しかし、繰り返す症状を放置すると改善が難しくなる傾向があります。ストレス・過労・睡眠不足が関係しているとされており、これらを避けることがめまい発作の予防につながります。
めまいのある病気のため、安静が必要と誤解されることもありますが、症状がないときは適度な運動をするようにしましょう。心配な症状がある場合は、早めに専門医の診断と指導を受けることが重要です。
メニエール病で食べてはいけないものを教えてください。
メニエール病の方は、カフェインの摂取を控えるようにしましょう。コーヒー・紅茶・緑茶などカフェインを多く含む飲料を摂りすぎると、内耳が興奮状態になりやすくなります。摂取は1日に1~2杯程度にとどめましょう。チョコレートにもカフェインが含まれているため注意が必要です。特にハイカカオチョコレートはカフェインの含有量が多いため、摂取を控えるのが望ましいです。
脂っこいものや加工食品は、血管の柔軟性を低下させ、老廃物が蓄積しやすくなる原因となるため、血流の悪化を招く可能性があります。これらの食品もできるだけ控えましょう。減塩は内リンパ水腫のコントロールに有効とされ、日本耳鼻咽喉科学会のガイドラインでも食塩制限(1日6g未満)が推奨されています。一部研究では3g以下での症状軽減が報告されていますが、日常的には6g未満の継続が現実的な目標とされます。
メニエール病では喫煙も控えるべきですか?
メニエール病の方は喫煙も控えるべきです。喫煙によりニコチンが血管を収縮させ、血行不良を引き起こしやすくなります。脳や内耳への血流が低下すると、酸素の供給量も減少します。酸素供給の不足は、めまいを引き起こす原因となるため注意が必要です。メニエール病の方は禁煙を心がけることが大切です。
メニエール病にアレルギーが関係していることはありますか?
症例は多くはありませんが、アレルギーが原因でメニエール病を発症したケースが報告されています。アレルゲンとしては、ハウスダスト・小麦粉・ビール・リンゴ花粉などが挙げられます。アレルギーが原因の場合でも、症状は一般的なメニエール病と大きな違いはありません。
ただし、アレルギー性のメニエール病では初期には聴力が正常であることが多く、一部の報告では、原因となるアレルゲンを回避し、抗アレルギー治療や鼓膜喚起チューブ挿入などの手術療法が走行した例も報告されています。アレルギー性のメニエール病は稀ですが、症例は報告されており、特に聴力の症状の現れ方に特徴があるとされています。
メニエール病にかかったときの食事や栄養素について
メニエール病のときにおすすめの食事はありますか?
メニエール病では塩分や水分の摂取に注意し、栄養バランスの取れた食事を心がけることが基本です。特に、症状が出ている場合は、めまいの軽減が期待されるマグネシウムを含む食品の摂取が推奨されます。マグネシウムは内耳の電解質バランスの維持や神経興奮の抑制に寄与するとされ、ビタミンB群(特にB1・B6・B12)は神経系の安定化に重要です。
これらの栄養素は補助的に用いられることがあり、特にビタミンB12は末梢神経障害を伴うめまいに対して医薬品としても用いられます。温かいハーブティーは、カフェインが少なく、リラックス効果も期待できるためおすすめです。
メニエール病の改善に効果的な栄養素はありますか?
めまいの改善にはビタミンB群の摂取が効果的とされています。特にビタミンB1は、中枢神経や末梢神経の働きを整える役割があります。不足すると、ブドウ糖が脳や神経に十分に届かず、エネルギー不足による障害を引き起こすおそれがあります。豚肉・豆類・玄米などに多く含まれている栄養素です。またビタミンB12も重要で、めまい・耳鳴り・難聴を伴うメニエール病の治療薬にも用いられている栄養素です。
末梢神経に働きかけ神経細胞を修復する役割があります。加えて、睡眠と覚醒のリズムを整える作用もあります。動物性たんぱく質に多く含まれているため、野菜中心の食事では不足しがちになるため要注意です。しじみ・あさり・牡蠣などの貝類や、サンマ・イワシなどの青魚に多く含まれています。
メニエール病の場合には水分や塩分量も気にすべきですか?
メニエール病は、内耳の内リンパ液が過剰になることで起こる内リンパ水腫です。そのため、血液の流れをよくすることが重要とされています。脱水状態になると、症状が悪化しやすくなるため注意が必要です。水分をこまめに補給し、適度に汗をかくことで血行を促進しましょう。また、摂取を控えることも重要です。
ナトリウムは体内の水分バランスに関与し、過剰な摂取は内リンパ水腫を悪化させる可能性があります。減塩と同時に、こまめな水分補給で脱水を防ぐことが、血流維持と内耳機能の保護に重要とされています。
メニエール病の予防法やかかりやすさ
メニエール病の予防法はありますか?
メニエール病を予防するには次のような対策が有効です。
- 生活リズムを整える
- 心身ともにリラックスする
- 脳神経によい栄養素を意識的に取る
メニエール病は栄養不足だとかかりやすくなりますか?
メニエール病の治療では、薬物療法と並行して生活習慣の見直しが重視されます。生活習慣のなかでも、バランスのとれた食事を意識することが重要です。めまいの症状には複数の栄養素が関与しており、それぞれ重要な役割を担っています。
特定の栄養素や食品だけを大量に摂取したり、極端に避けたりすると栄養バランスは偏ってしまいます。メニエール病は内耳の水分量が増えることで症状が悪化しやすくなるため、塩分の摂取を控え、水分管理にも注意が必要です。
食生活の乱れとメニエール病の罹患には相関関係がありますか?
食生活が乱れると栄養バランスと生活リズムの崩れを引き起こし、結果としてメニエール病の罹患につながりやすくなります。脳や内耳の健康を保つために必要な栄養が不足すると、メニエール病が発症するリスクはあがるでしょう。
また、朝食を抜いたり寝る直前にまとめて食べたりすると、生活リズムの乱れから睡眠不足や疲労につながります。メニエール病は生活習慣の改善によって症状が改善することもある病気です。睡眠不足や慢性的な疲労は、メニエール病の発生リスクを高める可能性があります。
メニエール病に罹患した際の注意点はありますか?
メニエール病は早期に適切な治療を開始することで、症状の頻度や重症度が軽減される可能性があります。耳の不調やめまいを感じたら早めに専門医のいる耳鼻科を受診しましょう。しかし、メニエール病はつらい症状を繰り返す特徴があります。繰り返し発症することが多いのですが、患者さんによっては発作の前兆を自覚できる場合もあります。
体調の変化を感じたら、症状が悪化する前に早めに専門医を受診しましょう。睡眠不足やストレス、運動不足のように生活のなかで改善できることもあります。睡眠時間を確保し疲れを貯めないようにしましょう。ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動は、運動不足の解消に加え、ストレス軽減にも効果的です。適切な治療と生活改善で症状をうまくコントロールしましょう。
編集部まとめ
メニエール病は、内耳の内リンパ液が過剰になる「内リンパ水腫」が原因とされる疾患で、発作性めまい・耳鳴り・難聴を三主徴とします。多くの場合、薬物治療とともに食生活の工夫を行うことで症状の改善を目指します。
メニエール病で避けたい食品には、カフェインを含むコーヒーやハイカカオチョコレートがあります。一方、積極的に摂取したい食品は、マグネシウムやビタミンBを豊富に含む魚介類や豆類などです。
ただし、特定の食品だけに偏りすぎるのもよくありません。暴飲暴食を避けてバランスのよい食事を心がけましょう。適切な水分補給と塩分の摂取制限は、メニエール病の症状の管理に有効とされています。
メニエール病は、早期に適切な診断と治療を受けることで、多くの場合改善が期待できます。しかし、症状を繰り返す特徴もあるため、疲れやストレスをためないよう睡眠時間やリラックスする時間を作りましょう。
適切な治療と食生活の工夫によって、メニエール病のつらい症状を和らげましょう。


