「翼状片手術は失敗」することはあるの?手術の流れも解説!【医師監修】

翼状片は進行すると視力に影響を及ぼすことがあり、見た目の変化や異物感などの不快な症状も現れるため、手術による切除が行われることがあります。
しかし、手術を受けるにあたって「手術は失敗することがあるの?」「再発の心配はないの?」といった不安を抱える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では翼状片手術は失敗することはあるのかについて以下の点を中心にご紹介します。
- 翼状片について
- 翼状片の治療について
- 翼状片の再発について
翼状片手術は失敗することはあるのかについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

監修医師:
柳 靖雄(医師)
目次 -INDEX-
翼状片について

翼状片はどのような病気ですか?
良性ではありますが、進行すると異物感や充血を引き起こすほか、角膜が引っ張られて乱視が強くなったり、視力が低下したりすることもあります。症状が軽度であれば経過観察で様子を見ますが、瞳孔付近まで達する場合には手術が検討されます。
翼状片の原因は何ですか?
一方で、ストレスが直接の原因となることはありませんが、自律神経の乱れや免疫機能の低下が目の健康に間接的な影響を及ぼす可能性もあります。
翼状片を放置するとどうなりますか?
進行すると視力の低下を招くおそれがあるため、症状がある場合や広がりが見られる場合には、早めに眼科を受診することが大切です。
翼状片の治療について

翼状片は点眼治療で改善しますか?
進行して角膜の中央に近づくと、視力や見え方に影響を及ぼすため、根本的な治療としては手術による切除が必要になります。
翼状片の手術時期について教えてください
あまり進行してから手術を行うと、角膜の中央に近い部位を切除する必要が出てくるため、術後に角膜の表面がなめらかに整わず、視力の回復が十分に得られないことがあります。
手術時期は、進行の程度や症状をふまえて、医師と適切な時期を相談しましょう。
翼状片の手術の流れを教えてください
まず、角膜に侵入している翼状片の組織を丁寧に取り除きます。この際、必要に応じて結膜の下にある線維組織も一部切除し、再発の原因となる細胞の除去を行います。
次に、切除後の露出した部分を覆うために、ご自身の健康な結膜を別の部位から採取し、移植して縫合します。この自己結膜移植術は、再発リスクの軽減が期待されています。
また、手術中に細胞増殖を抑える目的でマイトマイシンCという薬剤を使用することもあります。
手術後は抗菌薬や抗炎症薬の点眼や内服薬が処方され、術後1週間前後で抜糸が行われます。その後も再発予防や炎症の有無を確認するため、定期的な診察が必要です。
翼状片の手術で失敗するケースはありますか?
手術のタイミングが早すぎたり、再発予防の処置が不十分であったりすると、再発のリスクが高くなります。また、術後に充血が長引くことがあり、特に再発した場合には目が強く赤くなることもあります。
翼状片の再発について

翼状片は再発しますか?
再発予防には、手術中に細胞の増殖を抑える薬(マイトマイシンC)を使用したり、正常な結膜を移植する方法が取られることがあります。また、紫外線対策や生活習慣の見直しも再発予防に役立ちます。
翼状片が再発しにくい手術について教えてください
単純な切除のみの場合、再発率は50%程度にも達しますが、自己結膜移植を併用することで再発率を下げられます。ただし、若年層では細胞の再生が活発なため、再発のリスクがやや高くなる傾向があるため、注意が必要です。
翼状片の手術後も眼科受診が必要ですか?
また、再発を防ぐためにも、経過観察を続けることが推奨されます。術後の視力の変化や乱視の程度もチェックされるため、手術を受けた後は医師の指示に従い、継続的に通院することが大切です。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
手術が必要となった場合も、進行する前の時期に行えば視力への影響を抑えられるため、紫外線対策や定期的な受診を心がけながら、治療に取り組んでいきましょう。
編集部まとめ

ここまで翼状片手術は失敗することはあるのかについてお伝えしてきました。翼状片手術は失敗することはあるのかの要点をまとめると以下のとおりです。
- 翼状片とは、白目(結膜)の組織が異常に増殖し、黒目(角膜)の方へ入り込んでくる病気だが、放置すると、少しずつ黒目(角膜)に入り込み、進行とともに乱視や視力低下を引き起こすことがある
- 翼状片は点眼薬での根本治療は難しく、進行すると視力に影響を及ぼすため、角膜中央に達する前ぶ手術による切除が必要となるが、進行しすぎると視力回復が難しくなることがあるため注意が必要
- 翼状片は、原因となる細胞の性質から手術後に再発する可能性があり、若年層や進行例では再発率が高く、単純切除では半数が再発するといわれているため、定期的な眼科受診と医師の指示に従ったケアが重要
翼状片は、白目の組織が黒目に入り込むことで異物感や充血、視力低下を引き起こす良性の病気です。点眼薬では改善せず、進行すると手術が必要になります。
手術は安全性が高いとされているものの、再発のリスクがあるため、再発予防にはマイトマイシンCの使用や自己結膜移植術が効果が期待されています。
特に若年層や進行した翼状片では再発率が高くなる傾向があるため、術後も定期的な眼科受診と紫外線対策を続けることが大切です。
これらの情報が少しでも翼状片手術は失敗することはあるのかについて知りたい方のお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。




