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「腸閉塞(イレウス)の症状」はご存知ですか?初期症状や原因も解説!【医師監修】

 公開日:2026/04/20
腸閉塞(イレウス)の症状

腸閉塞(イレウス)は、さまざまな要因で腸の内容物が肛門に流れなくなり、腹痛や吐き気を起こす病気です。

発症する種類によっては、緊急の手術を行う場合もあるため、症状が出れば早急に医療機関を受診する必要があります。

本記事では本症の症状や前兆、治療法について詳しく解説します。

腸閉塞の予防法も併せて紹介するため、本記事を参考に実践してみてはいかがでしょうか。

本多 洋介

監修医師
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)

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群馬大学医学部卒業。その後、伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院で循環器内科医として経験を積む。現在は「Myクリニック本多内科医院」院長。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医。

腸閉塞(イレウス)について

腹痛で苦しい男性

腸閉塞の定義を教えてください。

腸閉塞(イレウス)は、さまざまな原因で腸の内容物が肛門側に流れない病気を指します。これまで腸閉塞とイレウスは同じ意味で使われてきました。しかし近年では、大腸や小腸の閉塞が原因で起こるものを腸閉塞、腸管の麻痺が原因で起こる疾患をイレウスと呼んでいます。

腸閉塞の症状を教えてください。

腸閉塞の症状は主に以下の4つです。
  • 腹痛
  • お腹のハリ
  • 吐き気
  • 嘔吐
腸閉塞によって腸が細くなり、内容物が無理にその場所を通過しようとする動きが症状を引き起こす原因です。腸が狭くなった部分を通過しようと活発に動くため、腹痛が起こります。また腸が細くなり内容物がうまく通過できないと、消化された食べ物や空気が溜まるためお腹のハリが現れます。さらに内容物が腸に溜まり続けると吐き気を感じ、腸の拡張が限界を超えると嘔吐を起こす可能性が高いです。嘔吐で内容物が排出されると腸の中が空になるため、腹痛やお腹のハリは軽くなります。症状が軽減された場合でも、放置すると重度の感染症になるケースもあるため、腸閉塞が疑われるときは早急に医療機関を受診しましょう。

腸閉塞の前兆を教えてください。

腸閉塞の前兆は主に以下の4つです。
  • おならがでない
  • 便秘が続いている
  • 気分が悪い
  • 吐き気がある
これらの症状は腸閉塞の前兆の可能性があります。種類によっては緊急手術が必要なケースもあるため、前兆となる症状が現れた場合は医師に相談しましょう。特に腸閉塞は腹部の手術後に発症するため、術後に症状が現れた場合は注意が必要です。

腸閉塞の原因を教えてください。

腸閉塞の主な原因は腹部の手術です。腹部を手術すると、お腹の傷やほかの臓器に小腸が癒着する場合があります。癒着が起こると小腸の動きが制限され、癒着した場所から腸が捻れます。捻れることで腸が細くなり、内容物や空気がうまく通過できないことが症状を引き起こす原因です。また薬の服用が原因で麻痺性イレウスを発症するケースもあります。麻痺性イレウスは腸閉塞の一種で、薬の服用が原因で腸管の動きが低下する疾患です。この疾患は主に、自律神経系から腸管の機能を低下させる薬や腸管に障害を起こす抗がん薬を服用することで発症します。このような薬を服用中に腹痛・吐き気・嘔吐などの症状を引き起こした場合は、早急に医師や薬剤師に相談し、薬の種類や服用回数を見直しましょう。

腸閉塞(イレウス)の治療について

診察

腸閉塞は自然治癒しますか?

腸閉塞が自然治癒することは、ほとんどないといわれています。そのため腹痛や嘔吐などの症状が現れた場合は、必ず医療機関を受診する必要があります。また治療しないまま放置していると、命に関わる危険性もあるため症状を引き起こしたときは、早急に医療機関を受診しましょう。

腸閉塞の診断基準を教えてください。

腸閉塞が疑われた場合、腹部のX線検査を実施します。X線検査で拡張した小腸に軽い空気が上に溜まり、重い液体が下に溜まっている様子が見られた場合は、簡単に腸閉塞だと診断できます。X線検査でこのような異常が見当たらなければ、腸閉塞を発症している可能性は低いでしょう。また身体の状態を確認するために、血液検査が行われます。嘔吐を繰り返している場合、検査で脱水症状や電解質の異常がわかると、腸閉塞である可能性が高いです。

腸閉塞の治療法を教えてください。

治療方法には、絶食や点滴などで治療を行う内科的治療と手術を実施し、癒着部分を剥がす外科的治療があります。内科的治療は、絶食を行い腸に休息を与え、必要な水分や栄養は点滴で補う治療法です。また腸管のハリが強いときは、鼻から腸へチューブを挿入し減圧を行う場合もあります。内科的治療で症状が改善されない場合は、外科的治療を行います。外科的治療では、手術を行い癒着部分を剥がす方法が一般的です。複雑性腸閉塞では、時間が経つと腸が壊死するため、内科的治療は行わず緊急手術を実施します。手術をすると症状は改善されますが、この腹部手術が原因で再発する可能性もあります。再発を避けたい場合は、開腹手術よりも身体の負担が少ない腹腔鏡下手術の方が癒着が起こりにくいため、実施している医療機関を探してみましょう。

腸閉塞の予防法を教えてください。

腸閉塞を予防するためには、暴飲暴食を避け規則正しい生活を心がけることが大切です。また消化のよい食事を摂ると発症・再発のリスクを軽減できます。特に腹部に手術歴がある場合は、発症率が高いため、日頃から予防しておくことが重要です。また漢方を継続的に服用することで発症・再発を予防できますが、効果が出ない場合もあります。腸閉塞になると数日の絶食や手術をする必要があるため、精神的な負担が大きくなることがあります。病気の発症を防ぐためにも、日頃からバランスのよい食事や規則正しい生活を心がけましょう。

腸閉塞(イレウス)と生活習慣の関係性について

食事をする若い女性

腸閉塞と食習慣の関係を教えてください。

腸閉塞の予防に健康的な食習慣は欠かせません。特に水に溶けない不溶性食物繊維は、腸閉塞になりやすいため注意が必要です。不溶性食物繊維は、ごぼう・たけのこ・さつまいもなどが挙げられます。これらの食材は皮や筋を取り除き、繊維を断ち切る方向に細かく切ってから食べるようにしましょう。納豆やきのこ類の摂取量にも注意が必要です。納豆はひき割りを選び、きのこ類は適量を守ることで発症・再発のリスクを抑えられます。発症・再発を予防するためには、バランスのよい食事を摂ることも大切です。主食・主菜・副菜をまんべんなく食べるように心がけましょう。このように腸閉塞の発症・再発を防ぐには、日頃の食習慣が重要です。ただし、体調やそのときの状況によっては食習慣に気をつけていても症状が現れることがあります。食材や食べる量を調節し、自分に合った食習慣を探しましょう。

腸閉塞とストレスの関係を教えてください。

強いストレスが原因で自律神経が乱れ、腸管の動きに異常が起こる場合があります。このように自律神経系の異常で起こる腸閉塞をけいれん性イレウスといいます。けいれん性イレウスの主な症状は腹痛・お腹のハリ・吐き気・嘔吐です。この疾患は腹痛を引き起こす可能性が高いのが特徴で、個人差はありますが腹部に激しい痛みを伴います。けいれん性イレウスを治療しないまま放置すると、合併症を引き起こす可能性があるため、症状が現れたら早急に医療機関を受診しましょう。また強いストレスを受けると、気分の落ち込みや不眠などの原因にもつながります。適度な運動や趣味に没頭するなどしてストレスを溜めないように工夫し、腸閉塞を未然に防ぎましょう。

編集部まとめ

診療するドクター

腸閉塞は、腹部手術後の癒着や薬の服用などが原因で内容物や空気が肛門側に流れなくなることで発症します。主な症状として腹痛・お腹のハリ・吐き気・嘔吐が挙げられます。

腸閉塞を引き起こした場合、自然治癒することはほとんどないといわれているため、医療機関への受診が必要です。

治療方法は、絶食を行い腸を休める内科的治療と手術で癒着部分を剥がす外科的治療があります。

また食習慣の乱れや強いストレスが原因で腹痛や嘔吐などの症状が現れるケースもあります。

発症・再発を防ぐためにも、バランスのよい食事や規則正しい生活を心がけ、ストレスを溜めないよう自分に合った発散方法を見つけ出すことが大切です。

治療せずに放置しておくと重度の感染症を引き起こす場合もあるため、症状が現れたら早急に医療機関を受診しましょう。

この記事の監修医師