「逆流性食道炎の原因」はご存知ですか?発症しやすい人の特徴も解説!【医師監修】

「酸っぱいものがこみあげてくる症状に困っている」「胸やけがして辛い」など、逆流性食道炎の症状に悩んでいる方は少なくありません。
逆流性食道炎の症状は、背部痛や咳嗽など胃部以外にも症状が出る可能性があります。日本人の5人に一人が罹患しているといわれている病気です。
本記事では、逆流性食道炎の原因・症状・なりやすい方・治療方法を詳しく解説します。生活習慣の見直しをすることで予防が可能です。
逆流性食道炎に悩む方の参考になれば幸いです。

監修医師:
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)
目次 -INDEX-
逆流性食道炎の原因・症状
逆流性食道炎とはどのような病気ですか?
逆流性食道炎の原因を教えてください。
- 肥満
- 食べすぎ
- 早食い
- 加齢
- 食後の臥床
- 衣服による締め付け
- 食事の欧米化
- 高脂肪食・炭水化物・甘味食などの過剰摂取
上記の原因により、下部食道括約筋が緩みます。食道と胃の間にある下部食道括約筋は正常な場合、食べたり飲んだりするとき以外は、胃酸の逆流を防ぐために胃の入り口を閉める働きをします。逆流性食道炎の症状が生じるのは、下部食道括約筋が本来の働きをしないためです。また、食道裂孔ヘルニアや腰椎圧迫骨折による腹腔臓器の短縮が原因の場合もあります。食道裂孔(しょくどうれっこう)ヘルニアとは、胸部と腹部を隔てている横隔膜にある隙間(食道裂孔)から胃が胸部に飛び出した状態です。加齢に伴う下部食道周囲の靭帯・筋肉が緩んだり、前かがみの姿勢・肥満・妊娠などで腹部の圧力が上昇したりすることが原因です。胃が持ち上げられてしまうため、胃液が逆流しやすくなります。
逆流性食道炎になるとどのような症状が出ますか?
- 胸やけ
- げっぷ
- 胃もたれ
- 腹部膨満感
- 嘔気
逆流性食道炎の主な症状は胸やけです。みぞおちの辺りから胸にかけて不快感を覚えます。食道裂孔ヘルニアや腰椎圧迫骨折の合併症の場合は、うつむいたりかがんだりすると嘔吐しそうになる可能性もあります。
胃以外の部位に出る症状を教えてください。
- 呑酸(どんさん)
- 咽頭部不快感
- 嚥下困難感
- 胸痛
- 背部痛
- 心窩部痛
- 慢性的な咳嗽
- 声のかすれ
- 睡眠障害
- 耳の違和感
- 耳鳴り
- 食欲不振
呑酸(どんさん)とは、逆流した胃の内容物が口腔内や下咽頭部まで逆流する症状です。食道は、胸部を通り胃につながる臓器のため、胃以外の部位にも症状が生じます。声のかすれや不眠、耳の異常など逆流性食道炎によるものだとは考えにくい症状もあります。胸やけや胃もたれのほかに上記のような症状がある場合は、逆流性食道炎による影響の可能性があるため、消化器科を受診しましょう。
逆流性食道炎になりやすい方や年齢層
逆流性食道炎になりやすい方の特徴を教えてください。
- 暴飲暴食をする方
- 早食いの方
- 高脂肪食を好む方
- アルコールや炭酸飲料の摂取が多い方
- 食後すぐに寝る習慣の方
- 不規則な食生活を送る方
- 妊娠している方
- 便秘気味の方
- 喫煙する方
- 肥満体型の方
- 衣服で腹部を締め付けることが多い方
- 前かがみになることが多い方
- 背骨が曲がり前かがみの体型の方
上記の特徴に当てはまる方は、食事・生活習慣の見直しが必要です。胃に負担をかけることで症状が出現します。食事は3食バランスよく摂る、寝る直前に食事しないことなどを心がけたり、減量したりすることで症状の軽減が可能です。また、農作業や仕事などで前かがみの姿勢を長時間続ける方は、適度な休憩を挟みましょう。
逆流性食道炎になりやすい年齢層を教えてください。
- 不規則な生活を送っている
- 食後すぐに寝ることが多い
- デスクワークをすることが多い
- 肥満体型である
- カフェイン飲料・炭酸飲料・アルコールなどの飲料を摂取する
- 脂っこい食べ物を好む
- 便秘気味である
コロナ禍以降テレワークをすることが増えた影響で、外出が減り1日中デスクワークをする方がいます。デスクワークは前かがみの姿勢が続きやすい仕事です。
逆流性食道炎の有病率はどのくらいですか?
逆流性食道炎の検査や治療方法
逆流性食道炎が疑われる場合どのような検査が行われますか?
治療方法を教えてください。
治療を受けずに放置した場合はどうなりますか?
編集部まとめ
逆流性食道炎は、日本人にとって珍しい病気ではありません。胃酸が増えすぎたり、胃酸の逆流を防ぐ働きが正常に行われなかったりすることが原因です。
主に胸やけや胃もたれの胃部の症状以外にも、咳嗽や声のかすれなど胃部とは関係のない症状が出る場合があります。
逆流性食道炎は主に高齢者がなりやすいとされています。しかし、早食い・喫煙習慣のある方・肥満の方などは逆流性食道炎になりやすいため、注意が必要です。
気になる症状がある方は放置せず、早めに消化器内科を受診しましょう。