「蕁麻疹のときに控えたほうがいい食べ物」はご存知ですか?予防法についても解説!
公開日:2024/12/15
蕁麻疹は、アレルゲンとの接触や外的接触が原因で、肌が赤く膨れあがりかゆみがでる皮膚疾患です。原因はさまざまで、かゆみがでるためつらい疾患です。
そんな蕁麻疹ですが、普段口にするもので発症したり悪化したりする場合があります。
今回は、蕁麻疹のときに控えた方がよい食べ物や蕁麻疹の原因や症状、治療法について解説します。今、蕁麻疹に悩まれている方の助けに少しでもなれれば幸いです。
監修医師:
高藤 円香(医師)
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防衛医科大学校卒業 / 現在は自衛隊阪神病院勤務 / 専門は皮膚科
目次 -INDEX-
蕁麻疹の原因や症状、治療法について
蕁麻疹にはどのような種類がありますか?
蕁麻疹は、症状が出る原因や症状によって種類が分けられています。しかし、すべての蕁麻疹の分類が明確化されているわけではありません。1つの蕁麻疹が複数の原因で起こっていたり、違う種類の蕁麻疹が同時に起こったりと、症状が多岐にわたるためです。ただ、そのなかでも原因や症状などの特徴がはっきりしているものがいくつかあります。細菌やウイルスへの感染が原因で発症から1ヶ月以内に治まる急性蕁麻疹や発症から1ヶ月以上たった慢性蕁麻疹、圧迫や日光など物理的刺激による機械性蕁麻疹などです。ほかにも、汗をかくと症状があらわれるコリン性蕁麻疹やアレルギー性蕁麻疹なども原因がはっきりしている蕁麻疹です。このほかに、原因がはっきりしていないものも含めてたくさんの種類があります。
蕁麻疹の原因や症状を教えてください。
蕁麻疹の原因は大きく2つに分類できます。アレルギー性のものと非アレルギー性のものです。アレルギー性蕁麻疹は、食べ物・植物・薬品などが原因で発症します。アレルゲンに触れて1~2時間後に発症することがほとんどですが、ものによっては翌日に症状があらわれることがあります。非アレルギー性蕁麻疹の主な原因は、物理的刺激です。寒暖差や日光、衣服と皮膚の摩擦などで起こるものがこれにあたります。このほかにも、ストレスや解熱鎮痛剤などでも起こり、蕁麻疹の原因には多くの要因があります。しかしどの蕁麻疹でもだいたい似た症状です。かゆみを伴う肌が赤く盛りあがる症状があらわれ、数十分から数時間後に消えます。赤くぷつぷつしたものがあらわれるコリン性蕁麻疹など、特徴のある蕁麻疹もあります。
蕁麻疹の検査法を教えてください。
蕁麻疹の診断はあまり難しくありません。かゆみやみみず腫れ、数時間単位で出没するなどの症状が見られれば、基本的には蕁麻疹と診断されます。そのため、特別な検査はしないことがほとんどです。しかし、アレルギー性の蕁麻疹だと、血液検査などを行うことで原因を特定できます。検査で自分が持っているアレルギーを把握できると、症状が出ないように避けることができるため日常生活を過ごしやすくなります。ただ、蕁麻疹はよくある皮膚症状の1つのため、検査まで行うことは多くありません。
蕁麻疹の治療法を教えてください。
まず第一に症状の原因を排除することが大事ですが、薬では抗ヒスタミン薬を用います。症状を起こす原因であるヒスタミンの働きを抑える薬です。外用薬や内服薬、注射薬があります。主に用いられるのは外用薬と内服薬ですが、どうしても症状が治まらず生活に支障が出る場合は注射薬を用いることがあります。外用薬はかゆみの軽減に役立ちますが、内服薬程の効果はありません。症状があらわれているときは外用薬も用いますが、基本的には内服薬を用いて治療を行います。抗ヒスタミン薬には種類があり、どの種類が効くかは個人で違います。そのため、効果によって薬剤を変えながら治療を続けていくことも少なくないです。また、アレルギー性が疑われる場合、抗アレルギー薬が用いられることもあります。
漢方薬は効果がありますか?
蕁麻疹に漢方薬が有効な場合もあります。身体の中からの改善を目的とする漢方薬は、蕁麻疹治療の補助的に用いられることが一般的です。主に用いられるのは慢性蕁麻疹です。慢性蕁麻疹で抗ヒスタミン薬の効果が十分に得られない場合、漢方薬を併用することがあります。慢性蕁麻疹の患者さんが漢方薬を服用すると、症状がよくなったという報告もあります。しかし、漢方薬を主に処方されることはあまりありません。これまでに慢性蕁麻疹の患者さんに対して多数の種類の漢方薬が処方されてきましたが、漢方薬の効果には個人差があり、一般的に抗ヒスタミン薬ほどの確立されたエビデンスは少ないためです。漢方薬は個人の体質や症状によって合うものが大きく違います。そのため、蕁麻疹の症状を治めるために服用する場合であっても、個人に合った漢方薬を服用することが大切です。
蕁麻疹のときに控えるべき食べ物とは?
食べ物が蕁麻疹の原因となることはあるのでしょうか。
食べ物が蕁麻疹の原因となることはあります。前述したとおり、蕁麻疹はアレルギーが原因で起こることも少なくないです。食べ物でアレルゲンになるものがある場合、蕁麻疹が起こる可能性があります。アレルゲンとして多く見られるのは、エビやカニなどの甲殻類、ソバや果物といった食べ物です。また、アレルギーをもっていなくても、その日の体調や材料によって症状が出てしまう食べ物があります。青魚や肉類、タケノコなどの食べ物にはヒスタミンと呼ばれるかゆみを起こす物質が含まれており、それらが血管などに作用することで蕁麻疹が起こることがあります。アレルギーを持っている方はもちろん、アレルギーを持っていなくても食べ物で蕁麻疹が出ることはあるため注意が必要です。
蕁麻疹のときに控えるべき食べ物を教えてください。
アレルギー性蕁麻疹の場合、アレルゲンとなる食べ物は控える必要があります。アレルゲンとしてよくあげられるものは、先程述べた甲殻類やソバなどのほかに、乳製品や卵などがあります。アレルゲンとなる食べ物を口にすることで蕁麻疹が発症するのはもちろん、悪化することもあるため注意が必要です。蕁麻疹を治療するには原因を排除することも大切です。最初のうちは原因がわからなくても、何度か繰り返すことにより、どの食べ物が原因となっているのかわかります。原因がわかったら、その食べ物は控えましょう。また、防腐剤などの添加物が入っている食品は蕁麻疹が悪化する原因になるため、控えた方がよいです。アレルギーを持っていなくても、体調などにより症状があらわれることもあるため注意しましょう。特に青魚や肉類、タケノコやほうれん草は、蕁麻疹の原因になりやすいため気をつける必要があります。
蕁麻疹によい食べ物はありますか?
蕁麻疹は、疲労やストレスなどが原因で発症、悪化することも少なくないです。そのため、悪化を防ぐには栄養バランスの取れた食事をとり、規則正しい生活を送ることが大切です。バランスのとれた食事と規則正しい生活は免疫力をあげ、健康な身体にしてくれます。1日3食しっかり食べることが大切です。特に蕁麻疹では、肉類や魚介類などはなるべく新鮮なものをとるとよいといわれています。新鮮で身体によいものを食べるようにしましょう。
蕁麻疹の予防法と身体づくり
蕁麻疹の予防法について教えてください。
蕁麻疹が発症する原因は多くあるため、すべてを予防することは難しいです。ただ、ストレスは蕁麻疹だけでなく、その他の病気の原因にもなります。これまでにも、蕁麻疹の症状が環境の変化で治まったり逆に悪化したりする例が報告されています。環境の変化にはストレスが伴うことがほとんどです。そのため、ストレスをためないことが予防法といえます。ストレスと同じく、疲労も蕁麻疹の原因となるため、疲労をためないようにしっかり身体を休めることも重要です。また、蕁麻疹の原因になりえる原因を排除することも1つの予防法といえるでしょう。
蕁麻疹になりにくい身体をつくるにはどうしたらよいですか?
蕁麻疹になりにくい身体をつくるには、免疫力をあげることが大切です。規則正しい生活、栄養バランスのよい食事を行い免疫力をあげましょう。栄養があるものを食べ、規則正しい生活を行うと健康になり、蕁麻疹以外にも病気になりにくい身体をつくることができます。また、ストレスは蕁麻疹発症の原因だけでなく、悪化させる原因でもあります。ストレスをためないように発散できる方法を見つけましょう。心身ともに健康に過ごすことが蕁麻疹になりにくい身体をつくるために大切です。
編集部まとめ
蕁麻疹にはさまざまな種類があり、それぞれ原因が違います。原因が詳しくわからないことも少なくないです。
しかし、そのなかでもアレルギー性と非アレルギー性で大まかに分けることができ、アレルギー性では食べ物が原因になっていることが多々あります。
食べ物が原因になっている場合、薬を用いた治療だけでなく、原因となった食べ物を控えることも治療するうえで大切です。
栄養バランスの整った食事や規則正しい生活を行って免疫力をあげ、蕁麻疹になりにくい身体にすることを心がけましょう。