目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 医科TOP
  3. 病気Q&A(医科)
  4. 「老眼にならない人」はいるの?進行を遅らせる方法も解説!【医師監修】

「老眼にならない人」はいるの?進行を遅らせる方法も解説!【医師監修】

 公開日:2024/12/18
「老眼にならない人」はいるの?進行を遅らせる方法も解説!【医師監修】

「老眼になりたくない」「老眼を予防する方法が知りたい」と感じていませんか?

老眼は誰にでも起こりうる現象ですが、進行を遅らせたり予防したりする方法はあります。目の使い方や生活習慣を工夫することで、老眼に対する不安を軽減できるかもしれません。

この記事では、老眼の原因や予防策、近視の方が老眼になりにくいとされる理由について解説します。

老眼に関する疑問を解消し、目の健康を保つためのヒントをお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

柿崎 寛子

監修医師
柿崎 寛子(医師)

プロフィールをもっと見る
三重大学医学部卒業 / 現在はVISTA medical center shenzhen 勤務 / 専門は眼科

老眼の原因やセルフチェック方法

男性

老眼とはどのような状態ですか?

老眼とは、目のピントを調整する能力が衰え、近くのものが見えにくくなる状態のことです。目の中にある水晶体というレンズが硬くなり、調整力が低下することが主な原因です。特に40代以降に多くみられる老化現象の一種であり、誰にでも起こる可能性があります。遠くは見えるのに、近くを見るとぼやけるといった症状が出ることが特徴です。加齢による自然な変化ではありますが、対処法を知ることで快適な視生活を維持できます。老眼は進行性ですが、生活習慣の改善や目を休ませる工夫によって進行を遅らせることが可能です。

老眼になる原因を教えてください。

老眼は、目の中のレンズになる水晶体が年齢を重ねるにつれ硬くなって、形を変える力が弱くなるのが原因です。水晶体を動かすための筋肉(毛様体筋)が弱くなり、動きにくくなるのも、近くを見るときにピントが合いにくくなって老眼の原因になります。紫外線の影響やスマートフォンやパソコンを長時間使用する生活習慣も、老眼の進行を早める要因です。老眼は誰にでも起こる自然な変化ですが、適切な生活習慣や定期的な目のケアにより、進行を抑えることができる場合があります。近くのものが見えにくくなるのは老眼以外の疾患が原因の可能性もあるため、一度眼科での検診やアドバイスを受けるようにしましょう。

どのような症状が出ますか?

老眼の主な症状は、目が疲れやすくなり、症状が進むと本の文字が見えにくくなるなどが挙げられます。暗い場所や、夕方以降に近くのものを見る際に見えにくさを感じたり、目の疲れ・肩こり・頭痛が起こったりする場合もあります。老眼の初期段階では症状が軽く、自覚しにくいかもしれません。しかし、放置すると進行し、日常生活に支障をきたす場合があるため注意が必要です。

老眼のセルフチェック方法を教えてください。

眼科を受診すると老眼の度数を調べられますが、どれくらい近くのものが見えにくいかはセルフチェックができます。手順は次のとおりです。

  • 日頃使っているコンタクトレンズや眼鏡を装着する
  • 明るい場所で新聞やスマートフォンなど普段見ている文字を用意する
  • 1m離れた場所に文字を固定し、徐々に近づく
  • 文字がはっきり見える限界地点での距離を測る
  • 距離が30cmより遠い場合は老眼の可能性あり

また、長時間近くの文字を見ると疲労感があったり、目がかすんだりする場合も老眼の可能性があります。近くのものが見づらいというだけでは、疲れ目や白内障、緑内障の初期症状など、老眼ではない場合もあります。正確な診断や老眼の度数は眼科で相談しましょう。

老眼にならない人もいる?近視の人が老眼になりにくいのは本当なのか

スマートフォンを見る女性

年齢を重ねても老眼にならない人もいるのですか?

老眼は老化現象であり、年齢を重ねると誰もが経験する変化です。しかし、老眼の進行が遅く気付きにくい方もいます。老眼の進行には個人差があり、遺伝的な要因もあります。その他、目を酷使せず適切に休ませる習慣を持つ方や栄養バランスのよい食事を心がけている方も、老眼の進行が遅いため気付きにくいでしょう。老眼を防ぐことは難しいですが、日々の習慣次第で進行を遅らせることは期待できます。

近視の人は老眼になりにくいと聞きましたが本当でしょうか?

近視の方も老眼になります。老眼は水晶体が硬くなってピントの調整力が低下するのが原因ですが、近視は目の奥の網膜までピントが届かず、手前で合ってしまうのが原因です。つまり、近視と老眼は原因が違います。ただし、近視の方は水晶体が硬くなってもピントが近くにしか合ってないので、老眼の症状に気付きにくい場合があります。これは老眼の進行が遅れているわけではなく、近視がその影響を一部カバーしているだけです。実際には老眼は進行しているため、見えづらい症状が出てきたら早めに検診を受け、適切な矯正を検討しましょう。また、遠近両用のレンズや眼鏡を活用することで、近視と老眼の双方に適した視力矯正ができます。40代以降は、視力の変化に気付きにくいことも多いため、定期的に視力検査を受けましょう。

早期に老眼になりやすいのはどのような人でしょうか?

老眼は加齢による生理現象でどのような方も老眼になるので、特に老眼になりやすい方というのはいません。ただ、次のような人は老眼に早く気が付く可能性があります。

  • 目を酷使する仕事や生活をしている人
  • 紫外線を浴びる機会が多い人
  • 睡眠不足が続いている人
  • 栄養に偏りがある人
  • 喫煙の習慣がある人

パソコンやスマートフォンを長時間使用して目を酷使する方や、紫外線や睡眠不足などで目に負担をかけがちな方は、目の疲労がたまりやすく老眼が早まる要因です。栄養不足や喫煙などの生活習慣も関係が深いとされています。目を大切にする生活を心がけると、早期老眼の予防につながります。ブルーライトカット眼鏡を使用したり、目によいビタミンAやルテインを含む食品を積極的に摂取したりすることも、目の健康維持に役立つでしょう。

老眼の予防法や対処法

メガネと本

老眼は予防できるのですか?

老眼を防ぐことは難しいですが、進行を遅らせることは可能です。老眼は、加齢に伴い目の水晶体が硬くなり、ピント調整機能が衰えることで起こります。この変化を遅らせるためには、目を酷使しない生活をしましょう。長時間のスマートフォンやパソコンの使用を避け、定期的に目を休ませます。また、紫外線を防ぐためにサングラスを着用したり、ブルーライトカット眼鏡を活用したりするのも効果的です。ビタミンAやルテインを含む食品を摂取すると、目の健康を保ちます。目に優しい生活を習慣化すると、老眼の進行を遅らせる可能性が高まります。

老眼の症状が出た場合の対処法を教えてください。

老眼は老化現象のため治療で回復は難しいですが、適切な対処で快適な視生活が送れます。老眼の症状が気になりだしたら、早めに眼科を受診して現在の目の状態を正確に把握しましょう。そのうえで、自分の視力に合った老眼鏡や遠近両用レンズを選ぶことが大切です。病院受診時には、ご自身がどのような見え方を希望しているかなど、きちんと相談しておく方がよいでしょう。また、日常生活においては、暗い場所での作業や読書を避け、適切な照明を使用することで症状の悪化を防ぎます。目の疲れを軽減するために温めたタオルで目を休ませたり、軽い目の運動を取り入れたりするのも効果的です。

市販の老眼鏡で対処しても大丈夫でしょうか?

市販の老眼鏡は手軽に購入できるため、急に老眼の症状を感じた際の応急処置として役立ちます。ただし、自分の視力にきちんと合っていない可能性があるため、長期間の使用には注意が必要です。100円ショップなどで販売されている安価な老眼鏡は、左右の度数が同じ仕様で作られていることが多く、左右の目で度数が異なる方には適していません。眼精疲労や症状の悪化を招くリスクもあるため、根本的な対処をするためには眼科で正確な検査を受け、自分に合った老眼鏡を処方してもらいましょう。眼鏡店で購入する場合は、認定眼鏡士の資格保持者のいる店舗での購入がおすすめです。

編集部まとめ

眼科検診
老眼は加齢に伴う自然な変化ですが、適切なケアで進行を遅らせることが可能です。目を酷使せずに紫外線やブルーライトを避ける工夫や、栄養バランスのよい食事や運動が目の健康維持に役立ちます。

近視の方は老眼の影響を感じにくい場合がありますが、老眼にならないわけではありません。症状が出始めたら眼科で検診を受け、適切な対応をしましょう。

市販の老眼鏡を使う場合は、度数が合わないことで目に負担がかかる可能性があるため、眼科医の診断を受けるのが望ましいです。

目のケアを心がけることで老眼の進行を抑え、快適な視生活を送ることができます。近くが見えづらいと感じ始めたら、早めに眼科で診断を受けて適切なメガネやコンタクトレンズを使いましょう。

この記事の監修医師