「翼状片の原因」はご存知ですか?症状や失明の可能性も解説!【医師監修】
翼状片は、目の表面に発生する三角形の組織増殖で、紫外線や乾燥などの環境要因が関与していることが多いといわれています。この疾患は軽度であれば気にならないこともありますが、進行すると視力に影響をもたらすこともあります。
本記事では翼状片の原因について以下の点を中心にご紹介します。
・翼状片の原因
・翼状片の治療法
・翼状片の予防法
翼状片の原因について理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
監修医師:
柳 靖雄(医師)
目次 -INDEX-
翼状片とは
翼状片とは何ですか?
翼状片は良性であり、悪性腫瘍ではありませんが、進行性であるため放置すると乱視が生じたり、視力が低下したりする可能性があります。
重症化すると瞳孔部分を覆い視力障害を引き起こすため、手術が必要になる場合もあります。予防には紫外線対策や定期的な眼科検診が有効といわれています。
翼状片になったら起こる症状とは?
進行すると、黒目に向かって白く濁った膜が三角形の形で伸びてくるのが確認できます。この増殖が進むと角膜が変形し、乱視を引き起こします。さらに、乱視の悪化による視力の低下や膜が瞳孔を覆うことで視界が遮られることもあります。
これらの症状はゆっくりと進行しますが、日常生活に支障をきたす場合があるため、早期に医師の診察を受けることが重要です。
翼状片は何歳頃に発症しますか?
ただし、60歳以上の再発率が数%であるのに対し、30〜40歳代の若年層では再発率が30〜50%と高い傾向があります。そのため、年齢を問わず、目に異常を感じた場合は早めに眼科での診察を受けることが大切です。
翼状片の原因について
翼状片の原因は何ですか?
紫外線は目の結膜に直接影響を与え、組織の異常増殖を引き起こす可能性が高いとされています。さらに、紫外線による影響は翼状片だけでなく、白内障などほかの眼疾患とも関連しているため、目の紫外線対策が重要です。
一方で、ストレスが翼状片に直接影響を及ぼすという科学的な根拠は少ないものの、長期的なストレスは免疫機能や自律神経のバランスを乱し、間接的に目の健康に影響を与える可能性があります。そのため、適切な紫外線対策やストレス管理を行い、目の健康を守ることが大切です。
翼状片を放置すると失明しますか?
翼状片自体は悪性ではなく、無症状の場合は経過観察が適切とされます。ただし、目のゴロゴロ感や充血、炎症がひどい場合は、ステロイドの入った点眼薬で症状を和らげる必要があります。翼状片が角膜の1/3以上に達し、視力や生活に支障をきたす場合には、手術が推奨されており、適切なタイミングでの治療が進行を抑え、視力を守るために重要です。
偽翼状片との違いは何ですか?
翼状片は、紫外線への長期的な曝露やドライアイが原因となり、結膜の下にあるテノン嚢が過剰に増生し、角膜中央に向かって伸びる疾患です。
一方、偽翼状片は外傷や角膜潰瘍後の修復過程で発生します。この際、角膜に組織が侵入し、翼状片に似た形状を呈することから名付けられました。
いずれの病態も進行は緩やかですが、適切なタイミングで手術を行わなければ、角膜混濁や乱視が残る可能性があるため、外傷歴や疾患の進行状況に応じた適切な診断と治療が重要です。
翼状片の治療法や予防法
翼状片の治療法は何ですか?
初期段階では、乾燥や炎症を抑えるために人工涙液や抗炎症薬を使用する保存的治療が選択されることが多いとされています。
一方で、視力への影響が大きい場合や外観が気になる場合は、手術が選択されます。手術では翼状片を切除し、再発を防ぐために結膜移植や抗代謝剤を併用します。
近年では、術後の再発率を低減させるための新しい技術や材料も開発されていますが、治療選択は患者さんの症状やライフスタイルに応じて行われ、医師との相談がとても重要になります。
翼状片の治療によい時期はありますか?
初期段階では、炎症や乾燥を軽減する保存的治療が中心となり、進行が遅い場合は経過観察が選択されることもあります。しかし、視力障害が生じたり、翼状片が角膜中央に向かって進行したりする場合は、早期に手術を検討することが推奨されます。
また、翼状片の手術時期を選ぶ際には、炎症が落ち着いている状態で行う方が術後の回復がスムーズです。さらに、花粉や乾燥などの外的要因が少ない季節を選ぶことも、術後の炎症リスクを減らすために重要です。
したがって、適切な治療時期を決定するには、定期的に受診し、医師のアドバイスを受けることが重要です。
翼状片を予防する方法はありますか?
なかでも、紫外線をカットするサングラスや帽子を着用し、目を保護することで対策できます。また、乾燥を防ぐために人工涙液を使用し、エアコンの風を直接受けないよう工夫することも有効とされています。
長時間屋外で過ごす場合は定期的に目を休ませ、清潔を保つよう心がけましょう。タバコや過剰なアルコール摂取も健康な目に悪影響を及ぼすため、これらの習慣を避けることが推奨されます。
これらの対策を日常生活に取り入れることで、翼状片の発症や進行を予防できます。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
ただし、翼状片が疑われる症状が見られる場合には、早めに眼科を受診し、医師のアドバイスを受けることが大切です。快適な生活を送るために、大切な目を守りましょう。
編集部まとめ
ここまで翼状片の原因についてお伝えしてきました。翼状片の原因についての要点をまとめると以下のとおりです。
・翼状片の主な原因は紫外線の長時間曝露で、日差しの強い環境で働く方に見られることが多いとされ、紫外線が結膜に影響し、組織の異常増殖を引き起こすといわれている
・翼状片の治療法は、保存的治療と手術治療の2つに分けられ、軽症時は人工涙液や抗炎症薬を使用し、重症時には手術で切除と結膜移植が行われる
・翼状片の予防には、サングラスや帽子などでの紫外線対策、乾燥を防ぐ人工涙液の利用、喫煙や過剰な飲酒を避けることなどで発症リスクを軽減できる
翼状片は、紫外線や乾燥といった環境要因に影響される目の疾患ですが、適切な対策や早期治療で進行を抑えられます。紫外線対策や日々の目のケアを習慣化し、健康な生活を維持することが大切です。
本記事が少しでもお役に立てれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。