「ノロウイルスの原因」はご存知ですか?感染経路や潜伏期間も解説!【医師監修】
ノロウイルスは手指や食品を介して感染するウイルスで、冬型の胃腸炎・食中毒の原因として知られています。
ヒトの腸管内でのみ増殖し、感染すると主に腹痛・下痢・嘔吐などの症状を引き起こします。
通常は数日で症状が改善しますが、乳幼児や高齢者が感染すると、脱水などのリスクがあり注意が必要です。
この記事では、ノロウイルスに感染する原因や感染経路、潜伏期間について解説します。またノロウイルスの症状や治療方法・予防対策も詳しく解説します。
監修医師:
眞鍋 憲正(医師)
目次 -INDEX-
ノロウイルスの原因
ノロウイルスの特徴を教えてください。
ノロウイルスの原因を教えてください。
感染経路にはどのようなものがありますか?
- 糞便・吐瀉物の処理を行う際に二次感染した場合
- 家庭や共同生活を行う施設などで直接飛沫感染した場合
- 食品製造者や飲食店の調理者が感染しており、感染者を介して汚染した食品を摂取し感染した場合
- ノロウイルスに汚染された二枚貝を生のまま、あるいは十分な加熱をせずに摂取し感染した場合
- ノロウイルスに汚染された水道水を消毒不十分な状態で摂取した場合
このように、ノロウイルスの感染経路は数多くあり、感染制御を難しくする要因となっています。
ノロウイルスの潜伏期間はどのくらいでしょうか?
ノロウイルスの症状・治療方法
ノロウイルスの症状にはどのようなものがありますか?
- 腹痛
- 下痢
- 嘔吐
- 発熱
- 倦怠感
- 咽頭痛
- 筋肉痛
主に腹痛・下痢・嘔吐が見られます。これらの症状は、通常であれば1〜3日程度で改善しますが、乳幼児や高齢者の場合は脱水状態に陥ることもあります。また高齢者が感染した場合、吐瀉物による窒息や誤嚥性肺炎のリスクがあるため注意しましょう。同居する家族や施設スタッフが症状の悪化に注意するとともに、食事摂取状況の観察を行い、必要があれば速やかに医療機関を受診することが重要です。嘔吐が落ち着いたら、こまめな水分摂取や消化しやすい食事摂取を促しましょう。また症状が消失した後も、約ヵ月程度はノロウイルスが糞便中から排出されるため、感染対策はしっかりと継続する必要があります。
ノロウイルスの診断はどのように行いますか?
ノロウイルスの治療方法を教えてください。
ノロウイルスの予防方法・対策
手洗いはどのようにすればよいですか?
- 流水ですすぐ
- 泡を手につけ、手のひらをこする
- 指の間をこする
- 手の甲をこする
- 指先をこする
- 親指の付け根をこする
- 流水で泡をしっかり落とす
手洗いの際は、指の間や付け根、手首までしっかり洗うことを心がけましょう。洗い残しやすい手の甲や指先を意識して洗うことも重要です。また、手荒れ部分にも汚れが残りやすいため、手の保湿をこまめに行いましょう。手洗いをすると、しない場合に比べて手指の残存ウイルスを大幅に減らすことができます。手洗いをしない場合に約1,000,000個だった残存ウイルスは、流水だけで約10,000個まで減らせます。ハンドソープで60秒もみ洗いした後、流水で15秒すすいだ場合、残存するウイルスは約10個です。さらに、ハンドソープで10秒もみ洗いした後に流水で15秒すすぐことを2回繰り返すと残存ウイルスが数個まで減らせることがわかっています。この結果から、ハンドソープでもみ洗いをした後、流水ですすぐことを繰り返すと感染予防に効果的です。日常生活で注意深く手を洗うべきタイミングとしては、吐瀉物を処理または接触した後や乳幼児の下痢や嘔吐に対応した後、公衆トイレを使用した後などです。また、日頃から帰宅時や食事前にはしっかりとハンドソープで手を洗う習慣をつけることで感染しにくくなります。
家族が感染した場合の注意点を教えてください。
予防接種ワクチンは受けた方がよいでしょうか?
編集部まとめ
ノロウイルスに感染する原因や症状、感染経路、予防策を解説してきました。
ノロウイルスは感染対策の徹底により予防できます。正しい知識を持ち、家族や職場で声をかけ合って、適切なタイミングで十分な手洗いを行うことが大切です。
周りに感染者が発生した場合には、使用後のトイレや手で触れることの多い場所を次亜塩素酸で消毒するようにしましょう。
ノロウイルスに感染しても通常は軽症で済みますが、高齢者や乳幼児が感染した場合には、脱水や嘔吐時の誤嚥性肺炎や窒息などのリスクがあります。
症状の悪化や食事摂取状況に注意し、必要時は速やかに医療機関を受診しましょう。