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「インフルエンザの主な7つの症状」はご存知ですか?予防法も解説!【医師監修】

 公開日:2024/10/29
インフルエンザの症「インフルエンザの主な7つの症状」はご存知ですか?予防法も解説!【医師監修】

毎年日本では12〜3月にかけて流行するインフルエンザは、短期間で一気に蔓延する感染症の1種です。

インフルエンザの予防接種もありますが、毎年報告されているインフルエンザの感染者は1000万人程とされています。つまり、日本人口のうち8%程が感染しているといえます。

かぜに似た症状の感染症はほかにもあります。近年では新型コロナウイルスが猛威を振るっていました。

そこで本記事では、インフルエンザの症状・かぜや新型コロナウイルスとの違いを解説します。インフルエンザの予防方法についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

インフルエンザの感染経路や症状

インフルエンザの感染経路を教えてください。

インフルエンザはくしゃみや咳による飛沫感染と、ウイルスが付着した手で口・目・鼻などの粘膜に触れる接触感染があります。インフルエンザの感染力は強いため、ちょっとした接触でもウイルスが蔓延します。
まだ症状が出ていない潜伏期間であっても、気付かないうちにウイルスを広げてしまう危険性があると留意しましょう。インフルエンザの流行シーズンとなる12〜3月は特に感染に注意して生活を送ることが大切です。

潜伏期間はどのくらいですか?

インフルエンザの潜伏期間は短く、1〜3日程とされています。インフルエンザに感染すると、鼻咽頭・喉・気管支などの細胞に潜伏して、あっという間に症状が現れることがほとんどです。
インフルエンザは呼吸器官に影響を及ぼします。息苦しさがある・喉がイガイガする・鼻水が止まらなかったり鼻詰まりが起こりやすくなったりしたら注意が必要です。このような違和感を覚えたら、すでにウイルス感染している可能性が高いでしょう。

どのような症状が出ますか?

インフルエンザに感染すると、全身症状が出る可能性が高いです。具体的な症状は以下になります。

  • 38度以上の高熱
  • 頭痛
  • 関節痛
  • 筋肉痛
  • 全身の倦怠感
  • 喉の痛み
  • 鼻汁

症状は3〜5日間程続き、1週間程で治癒します。しかし、乳幼児・高齢者・妊産婦・持病を持っている方は、重症化する恐れがあるため注意が必要です。

  • 中耳炎
  • 脱水症
  • 熱性けいれん
  • 気管支炎や肺炎などの呼吸器疾患
  • 慢性心不全

上記のような症状に発展してしまうと、命に関わる可能性も否定できません。少しでも症状に違和感を覚えたら、病院で受診しましょう。ただし、インフルエンザに感染していても、免疫を獲得していると稀に症状が現れない場合もあります。

インフルエンザの検査を受けるタイミングを教えてください。

インフルエンザの検査は、症状が出てから24~48時間程経過したタイミングで受けることでより検査結果の信憑性が高まります。症状が出てすぐに検査を受けると、インフルエンザに感染していたとしても、陰性になる可能性があるため注意が必要です。
もし早い段階で検査を受けて陰性の結果が出たとしても、冬にかぜをひいた場合は「インフルエンザかもしれない」と疑い、まずは安静に休養することが大切です。症状が現れてから検査結果の信憑性が高まるまでには時間が必要ですが、症状が悪化した場合は早めに病院で受診しましょう。

インフルエンザとかぜ・新型コロナウイルスの症状の違い

インフルエンザとかぜの症状の違いを教えてください。

一般的なかぜは、さまざまなウイルスによって起こります。症状としては、のどの痛み・鼻汁・くしゃみ・咳といった症状が中心です。一方、インフルエンザの場合は全身症状が現れ、重症化する危険性があります。
一般的なかぜではインフルエンザ程の高熱や全身の倦怠感が現れにくく、重症化しにくいことなどが違いとして挙げられるでしょう。インフルエンザも初期症状はかぜと似た症状が現れるため、注意が必要です。

インフルエンザと新型コロナウイルスの症状の違いを教えてください。

インフルエンザと新型コロナウイルスは強い感染力をもち、呼吸器官に悪影響を及ぼす感染症という点では似ています。しかし、致死率では新型コロナウイルスが高い数値となっています。
特に高齢者や持病を持っている方が新型コロナウイルスに感染すると、短期間で命に影響を及ぼしてしまうとても危険性の高い感染症です。また、新型コロナウイルスはデルタ株やオミクロン株などウイルスが変異しやすい特徴があります。
ウイルスの変異はインフルエンザも同じですが、インフルエンザの恐ろしいところはウイルスが常に変異しているため、毎年同シーズンに流行していても状況が大きく異なる点です。
症状や感染経路ではどちらの感染症も相違はありませんが、ウイルスの変異速度では大きな差があるといえるでしょう。

インフルエンザの治療方法・予防方法

医療機関ではどのような治療を行いますか?

まず体内に潜むインフルエンザの有無を検査し、陽性であれば患者さんの状態に応じて薬物療法が適用されます。特に熱性けいれんの発症リスクが高い乳幼児であれば、医師の判断に応じて解熱剤が処方されるでしょう。
ほかにも脱水症状がみられる場合には投薬が必要なこともあります。一般的には医療機関での治療ではなく、薬が処方されて自宅療養になることがほとんどです。

自宅で療養する場合の注意点を教えてください。

自宅療養ではとにかく安静に休養することが大切です。無理はせず、できるだけ睡眠と水分を摂るように心がけてください。ドアの手すりやお風呂・トイレなどの共用スペースを消毒することでもウイルス感染のリスクを抑えられます。
乳幼児や高齢者と同居している場合には、感染予防のためにも隔離できる部屋で休養することをおすすめします。隔離が難しい場合には患者さんだけでなく同居者全員がマスクを着用するなどの工夫が大切です。

身近な人にうつさないための注意点を教えてください。

インフルエンザの陽性陰性に限らず、自身の体調に異変を感じたらマスクを着用して、飛沫感染を防ぎましょう。ほかにも過度な接触はしないことや、人と距離をとって休養することが大切です。
自身の顔を触る癖のある方はウイルス感染しやすいため、手が触れる共用スペースの消毒を徹底するなどの工夫を行うことが大切です。またインフルエンザ感染後に職場や学校に復帰するときは、解熱後2日、かつ発症から5日経過するまで待つことを徹底しましょう。
幼児の場合は解熱後3日経過してから保育園や幼稚園に復帰することが好ましいです。

インフルエンザを予防する方法はありますか?

感染力の高いインフルエンザですが、予防することも可能です。具体的な方法は以下になります。

  • インフルエンザワクチンを接種する
  • 咳エチケットを心がける
  • 手洗いうがいを心がける
  • 人混みを避ける
  • 定期的に空気の入れ替えをする
  • 適正な湿度を保つ
  • 規則正しい生活リズムを習慣にする

インフルエンザワクチンは、前シーズンに流行したウイルスを分析したものを用いて製造されています。インフルエンザが流行する前の9〜11月頃にワクチン接種を受けることが推奨されます。
ワクチン接種から体内に抗体ができるまでは、2週間程の期間が必要です。そのため、成人では流行前までに1回のワクチン接種をする、13歳未満の場合は2〜4週間の間隔をあけて2回ワクチン接種することが推奨されています。
ワクチン接種で得られる抗体には、重症化を防ぐ効果と70%程の感染予防効果が期待できます。しかし、前シーズンのウイルスと異なる型のウイルスが流行した場合には、抗体の効果が低下することに留意しましょう。
咳エチケットはマスクをすることはもちろん、マスクがない場合のくしゃみや咳をするときは、ティッシュ・ハンカチ・服などでお口と鼻を覆うことを指します。手のひらでくしゃみや咳を受け止めたときはすぐにせっけんを使ってしっかり手を洗うことを心がけてください。
また、乾燥はウイルスの活動を活発にします。部屋の空気を入れ替えて、加湿器を使用して部屋の湿度を50〜60%に保つことも大切です。

編集部まとめ

今回はインフルエンザの症状・かぜや新型コロナウイルスとの違いと、予防方法について解説しました。

インフルエンザは毎年冬に流行しますが、ウイルスが変異しやすく、ワクチン接種をしていても発症リスクの高い感染症です。

ですが、適切な湿度管理や空気の入れ替え、咳エチケットや共用スペースと自身の身体を清潔に保つことで感染を予防できます。

毎年流行する感染症だからこそ、正しい知識を身につけて健康な状態を守っていきましょう。

この記事の監修医師