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「頬粘膜がん」という頬の内側にできるがんを解説!初期症状がほとんどない?

公開日:2023/09/12
「頬粘膜がん」という頬の内側にできるがんを解説!初期症状がほとんどない?

「頬粘膜がん」という病気をご存知でしょうか。

頬粘膜がんという病名を聞いたことがない方でも、口腔がんという名前は聞いたことがあるかもしれません。

頬粘膜がんは口腔がんの一種で、口の中でも頬の内側にできるがんのことを指します。

この記事では、聞きなれない頬粘膜がんの原因や症状・検査方法・治療方法を解説します。ぜひ最後までご覧ください。

坪光 玄義

監修歯科医師
坪光 玄義(歯科医師)

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鶴見大学歯学部 卒業 / 平成24年歯科医師免許証 取得 / 現在は地挽歯科医院、蕨にしき町歯科・口腔外科(いずれも非常勤)

頬粘膜がんの原因や症状

人形

頬粘膜がんとはどのような病気ですか?

頬粘膜がんは、舌がん・口腔底がん・口唇がん・上歯肉がんなどと並ぶ口腔がんの一種です。その中でも、頬粘膜がんは頬の内側に悪性の腫瘍ができるがんのことを指します。
口腔がんの90%が扁平上皮がんと呼ばれる粘膜組織から発生するがんに分類されます。扁平上皮がんに分類される食道がん・肺がん・子宮頸がんなどを思い浮かべるとイメージしやすいのではないでしょうか。
詳しい解説は後述しますが、頬粘膜がんは初期症状がほとんどなく自分では気付きにくい病気です。口の中に違和感をおぼえ、口内炎だと思ってそのままにしていたらがんが進行していたという場合も少なくありません。口の中に違和感をおぼえたら、早めに病院を受診しましょう。

頬粘膜がんの原因は?

頬粘膜がんを含む口腔がんの原因は、主に以下の4つが挙げられます。

  • 喫煙
  • 飲酒
  • 慢性刺激と炎症
  • 口腔内不衛生

その中でも喫煙は口腔がんの発がんリスクを上げる大きな要因といえます。ご存知の通り、タバコには多くの発がん物質が含まれており、口腔がんだけでなく様々ながん疾患の原因となります。
続いて、飲酒も発がんリスクを上げる要因のひとつです。お酒を飲む人は飲まない人に比べて口腔がんの発がんリスクが3.8倍という研究結果もあり、習慣的に飲酒する喫煙者の発がんリスクは4.1倍ともいわれています。
それ以外にも、虫歯や入れ歯による慢性的な刺激など、口の中の健康状態も関係しています。

症状について教えてください。

頬粘膜がんの症状には、しこり・違和感・口が開けにくくなるなどがあります。発生したしこりを誤って噛んでしまうため、出血したり痛みを感じたりするなどの症状が現れます。
初期症状はほとんどなく、腫瘍部分の粘膜の色が赤色や白色に変色する場合もありますが、自分で気付くことはほとんどありません。頬粘膜がんとよく似た症状に口内炎があります。
最初の診察では口内炎と診断される場合もありますが、薬を塗っても2週間以上治らない場合は、病院に行きましょう。

頬粘膜がんは口腔がんの中でどのくらいの割合ですか?

頬粘膜がん発生率は口腔がん全体の約10%です。口腔がんには舌がん・口腔底がん・上歯肉がんなど様々な種類があり、悪性の腫瘍ができた場所によって細かく分類されています。
口腔がんとして有名な舌がんは全体の約60%ですので、比較すると頬粘膜がんは珍しいがんだといえるでしょう。年間約200〜300人が診断され、60〜70代がかかりやすいという特徴があります。

頬粘膜がんの検査や手術

医療機器

頬粘膜がんの検査について教えてください。

口の中は目で見たり手で触れたりできるので、まずは視診と触診でしこりの状態やリンパ節への転移がないか確認します。その後、他のがんと同じように問題のある腫瘍の一部を採取し、生検と呼ばれる病理検査が行われ、がん細胞の有無を調べます。
より詳しい診断のために、MRI検査やCT検査が行われる場合がありますが、これらはがんの大きさやリンパ節への転移を調べるために大切な検査です。今後の治療方法を決める重要な検査になりますので、しっかりと検査しましょう。

どのような治療が行われるのですか?

ほとんどの場合外科手術による摘出が標準治療となりますが、治療法はがんができている場所や大きさによって変わります。進行の度合いによって放射線治療や化学療法(抗がん剤)を術後に使用したり、痛みを和らげるための緩和治療を併用したりする場合があります。
また、口腔がんは再発する可能性が高いがんです。そのため初期治療をしっかりと行うことが大切ですが、再発リスクを減らすために術後も放射線治療や化学療法をすすめられる場合があります。
ただし、副作用が伴う治療法ですので、気になる症状が現れたときは医師に相談しながら進めていきましょう。

頬粘膜がんの手術について教えてください。

がんが頬粘膜のみだった場合でも、がん細胞を完全に取り除くために周辺の健康な組織も一緒に切除します。リンパ節への転移がある場合は、周囲の組織ごと取り除いていく必要があります。組織を大きく切除するので、人工の皮膚や頬の脂肪を使って欠損部分を補う再建手術が行われるのが一般的です。
がんの範囲によっては、手術で取り切れない場合があるので注意が必要です。その場合は術後科学放射線治療が用いられます。
いずれの場合も、回復するまで食べ物を噛んだり飲み込んだりする動作に影響が出ることは避けられません。後遺症の程度によってはリハビリテーションが必要になります。

頬粘膜眼の予防や早期発見

たばこ

頬粘膜がんを予防する方法はありますか?

先述した通り頬粘膜がんの一番の要因は喫煙です。喫煙は頬粘膜がんだけではなく様々ながんを引き起こします。習慣的に喫煙する方は、禁煙が一番の予防方法でしょう。
すぐに禁煙するのが難しいという方は、ほかのストレス発散の方法を試してみましょう。音楽を聴いたり体を動かしたり、自分に合った方法で気分転換するのがおすすめです。日常的にお酒を飲む方は、飲む量を減らしたり飲まない日を設けたりしてみましょう。お酒に合うような味の濃い食事を控えるだけでも、飲む量を減らすことができます。
口の中の衛生状態を清潔に保つためには、歯磨きの習慣だけでなく歯科医院での検診などが大切です。かかりつけの歯科医院がある場合は、定期的に検診に行きましょう。

頬粘膜がんを早期発見する方法を教えてください。

口の中は自分の目で見て触ることができます。普段から口の中の健康状態に興味を持ち観察しておけば、小さな変化にすぐ気付き早期発見に繋がります。
がんは進行してしまうと治療期間が長くなり、肉体的にも精神的にも負担が大きくなります。少しでも早く治療を開始することが大切です。粘膜の色が変化している・違和感がある・口内炎がなかなか治らないなどの症状が現れたら、すぐに病院を受診しましょう。
ただの口内炎だと思っていたら、実は頬粘膜がんのような大きな病気が隠れていることがあります。自分で判断せず、しっかりと検査をすることが頬粘膜がんの早期発見につながります。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

食べる・飲む・会話することは健康的で明るい毎日を送る上で欠かせません。そのため、口の中の健康は生活の質に直結しているといえるでしょう。頬粘膜がんは聞きなれない病気ですが、誰にでも発症する可能性のある病気です。
日ごろから口の中をチェックし、粘膜の変色や違和感があれば手で触ってみましょう。しこりが感じられた場合、頬粘膜がんの可能性があります。特に喫煙や飲酒の習慣がある方は発がんリスクが高くなります。一度、生活習慣を見直してみましょう。
それ以外にも、虫歯や自分に合っていない入れ歯による慢性的な刺激が頬粘膜がんを引き起こす可能性もあります。口の中の小さな変化を見逃さず、気になる症状があったらすぐに病院を受診しましょう。

編集部まとめ

医療従事者
この記事では頬粘膜がんの原因や症状と検査や治療方法について解説してきました。

頬粘膜がんは頬の内側に悪性の腫瘍ができる病気です。口腔がんの中でも珍しいがんですが、発症すると手術が必要になり、その後の日常生活にも影響が出ることは避けられません。

主な発がん原因は喫煙や飲酒です。日常的に喫煙・飲酒をしている方は、生活習慣を見直すことが予防に繋がります。

また歯磨きの習慣だけでなく、歯科医院での定期的な検診など、口の中の衛生状態を清潔に保っておくことも大切です。

口の中の健康状態を日ごろからチェックし、異常を感じたらすぐに病院に行きましょう。

この記事の監修歯科医師