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「マントル細胞リンパ腫」の症状・原因・生存率はご存知ですか?医師が監修!

 公開日:2023/09/28
「マントル細胞リンパ腫」の症状・原因・生存率はご存知ですか?医師が監修!

首や脇の下に身に覚えのないしこりがあって不安ということはありませんか。

マントル細胞リンパ腫の初期症状として、痛みや違和感のないしこり・腫れというものがあります。

この記事ではマントル細胞リンパ腫の原因・生存率・診断方法・治療法について解説しています。

ぜひこの記事を活用して自分の体調と照らし合わせてみてください。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

マントル細胞リンパ腫の原因や生存率

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マントル細胞リンパ腫とはどのような病気ですか?

白血球中のBリンパ球という血液細胞がガンになる病気のことです。リンパ腫は主に速く進行するアグレッシブリンパ腫・遅く進行するインドレントリンパ腫に分かれ、マントル細胞リンパ腫はアグレッシブリンパ腫に分類されます。
また、マントル細胞リンパ腫を発症しているときにそのうち「約50%が骨髄病変」の「脾腫は30%以上,消化管浸潤も30%以上に認められる」(血液学会HP 2018ガイドラインより引用)など、節外病変が起きることが多い病気です。

原因を教えてください。

明確な原因は現在では分かっていませんが、染色体異常によって細胞分裂に関わる特定の遺伝子が通常よりも多く増えることが原因と考えられています。

どのような症状が出るのですか?

初期の段階として、リンパ節の多いところ(首・脇の下)に腫れ・しこりができます。この腫れ・しこりは痛みを伴わないことが多く、発見しづらいという点が問題です。
しかし、B症状という発熱・体重軽減・大量の寝汗という症状が現れることがあるため、これにより初期の段階で発見できることがあります。
早期発見のためには体に異変がないか日々意識を剥けることが大切です。また、ガンが進行していくと腫れ・しこりが大きくなり、近くにある臓器(尿管・静脈・脊髄)が圧迫されて水腎症・むくみ・麻痺・かゆみ・発疹などの症状がでることもあります。
この段階になると早急に治療が必要な場合があるため、このような症状がでたら早めに病院を受診するようにしましょう。
通常の急性硬膜外血腫では数時間以内に激しい頭痛・嘔吐・意識障害などが見られますが、慢性硬膜外血腫ではそのような激しい症状は見られません。数日から数週間ほど経ってから頭痛などの軽度な頭蓋内圧亢進症状が現れます。
慢性硬膜外血腫の症状は軽度ですが手術が必要となるケースもあります。頭部打撲後に頭痛などの違和感を覚えたらそのまま放置せずに医療機関で検査を受けるようにしてください。

マントル細胞リンパ腫の発症率はどのくらいですか?

全悪性リンパ腫のうち約3%の発症率です。発症年齢は60代の男性に多く、診断の時点で既に進行している場合がほとんどとなっています。

生存率について教えてください。

生存率は発症者のうち3割が5年程生存可能という極めて低い割合となっています。しかし、マントル細胞リンパ腫はアグレッシブリンパ腫でありますが、一部緩やかに進行する場合もあるためその場合には生存率は高まります。
また、造血幹細胞移植などの治療方法によって生存率が高まるという事例もあるため、病気へのアプローチの選択が生存率を高めるうえで重要です。
生存率が低い病気ではありますが、治癒率・生存率を高めるために治療方法をよく主治医の方と相談し、最善の選択をするようにしましょう。

マントル細胞リンパ腫の検査や治療方法

健康診断や大腸がん検診イメージ・検便容器

どのような検査が行われますか?

まず、診断を確定するために病変組織を採取し顕微鏡などで調べる生検組織診断を行います。この検査によって分かるのはガンであるかどうか、またガンである場合には悪性であるかどうかなどです。
消化管病変は高率に認められ、大腸病変においては検診の便潜血反応が契機に発見される場合があります。検査方法を具体的にいうとリンパ節の状態によって一部を切り出す・丸ごと切り出すを選択し、麻酔をして採取するというものです。
基本的には局所麻酔で行いますが、症状のあるリンパの部位によっては全身麻酔を行う事もあります。次に、薬を投与する前に副作用の予測のために血液検査をします。
細胞障害性抗ガン剤を使用する際、血液検査をしなければ判断できない副作用は肝機能障害・腎機能障害・血液の異常(白血球減少・血小板減少・貧血)などです。
白血球が減少すると病原体に対する抵抗力が下がり感染症になりやすくなったり、血小板が減少すると体内外で組織に傷ができたとき治癒が遅くなったりします。そのため、適切な治療を行うためには事前に投与した際にどのような副作用が出るのか把握することが大切になるため、血液検査を行います。

治療方法を教えてください。

治療には分子標的薬(イマチニブ)・細胞障害性抗がん薬を使用します。分子標的薬とはがん細胞に関わる分子だけに作用することによって、がん細胞の増殖・転移をピンポイントで抑えることができる薬のことです。
従来の抗がん剤と比べて正常な細胞への作用がないため体の負担が少ない点がメリットとして挙げられます。しかし、副作用として肺炎・皮膚炎などの有害事象が発生する可能性があるという点が問題点です。
この有害事象が重症化することもあり、その場合には分子標的薬の使用を中止し、他の薬剤でのアプローチを試みます。
また、細胞障害性抗ガン薬とは細胞増殖の仕組みの一部を抑えることによってがん細胞に作用する薬のことです。これは分子標的薬と違い、正常の細胞にも攻撃するため体への負担が大きくなります。
副作用は使用する薬によって異なりますが、主に投与直後に現れるアレルギー反応・投与から1~2週間で現れる吐き気・食欲低下・だるさ・口内炎・下痢・投与から2週間後に現れる皮膚の異常(色素沈着・乾燥)が共通する症状です。
分子標的薬・細胞障害性抗ガン薬は人によって副作用の強さや効果が変わってくるので、治療前に主治医の方とよく相談するようにしましょう。

造血幹細胞移植が行われるケースもあるのですか?

地固め療法として造血幹細胞移植を行うことがあります。この治療を行うと生存確率が上がることが試験の中で分かっており、初回治療をした後に奏効が認められた場合に主に行う理療です。
また、この治療後に併用してリツキシマブ維持療法を行うとPFS期間・OS期間(全生存期間)が改善するため、併用して行う場合もあります。

マントル細胞リンパ腫の予後や注意点

入院している女性の手を握る

マントル細胞リンパ腫の予後について教えてください。

マントル細胞リンパ腫の予後の生存率は低く、中央値は30〜43か月程となっています。

日常生活での注意点を教えてください。

この病気は人に移るものではなく、また食生活が原因となるものでもありません。そのため、日常生活の中で特に気をつけることはありませんが長く治療生活を続けていく病気です。
そのため、体への負担を減らすためには健康的な食生活や睡眠をとるように心がけましょう。また、食事に関しては食べられるときに間を開けつつエネルギーの高い食べ物を摂ることが良いです。
ガンの治療時には食欲があまりなく体重減少・吐き気・嘔吐といった症状が起きます。体を元気にするために無理に食べてしまうとストレスとなり、問題が悪化しかねません。そのため、自分の体の現状に合わせつつ食べやすい形でエネルギーを補給していきましょう。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

マントル細胞リンパ腫は稀な病気な上、進行速度の速い病気です。リンパ部分にしこり・腫れを感じたら放置せずにすぐに受診するようにしましょう。早めの対応が生存率を高めることに繋がります。
また、受診しマントル細胞リンパ腫であると診断された場合、治療方法によって生存率が異なりますので主治医の方とよく相談するようにしましょう。

編集部まとめ

女性医師
今回の記事ではマントル細胞リンパ腫について・原因・治療方法について解説しました。

生存率が低い病気ですが、早期発見・早期治療で生存率を高めることができます。

また、個々に合った治療方法は異なるのでマントル細胞リンパ腫と診断された場合には、主治医とよく話し合って判断していくようにしましょう。

この記事の監修医師