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「色素沈着」の原因や予防法はご存知ですか?洗顔やスキンケアの注意点も解説!

 公開日:2023/08/25
「色素沈着」の原因や予防法はご存知ですか?洗顔やスキンケアの注意点も解説!

肌トラブルが起きてしまい症状は無事に治ったものの、炎症後の色素が肌に残ってしまう、いわゆる色素沈着の状態になってしまうと気持ちが沈んでしまいがちです。

色素沈着は肌荒れ・シミ・傷跡など様々な原因で発生してしまいます。一体どのようなメカニズムで色素が残ってしまうのでしょうか。予防方法がわかれば色素沈着しないよう、あらかじめ対処できるでしょう。

本記事では色素沈着の原因についてメカニズムを解説するとともに、どのような種類があるのか、また予防方法についても詳しく説明していきます。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

色素沈着の原因や種類

考える女性

色素沈着とはどのような状態ですか?

色素沈着は肌が炎症を起こした後や過剰な刺激を受けた際に、メラニン色素が発生することで、褐色や赤黒い色素が肌に残ってしまう状態のことです。
肌はダメージを受けても、ターンオーバーが正常に働いていれば、自然と新しい肌が再生される仕組みになっています。しかし何らかの原因で肌のサイクルが乱れてしまうと、肌に受けたダメージが部分的に残ってしまい、シミ・黒ずみなどの色素沈着として現れてしまうのです。

色素沈着の原因は?

色素沈着が起こってしまう原因はいくつかあり、主に次のとおりです。

  • 紫外線
  • ホルモンバランスの乱れ
  • 固いもので肌を摩擦する
  • 肌に炎症が起きた箇所を触ってしまう(ニキビなど)
  • 合わない化粧品などによる肌荒れ
  • 化学繊維を継続的に使用する(下着など)

紫外線やホルモンバランスの乱れによる色素沈着は主にシミとなって現れるのがほとんどです。またニキビや吹き出物などができてしまった際に、患部を過度に触ってしまうと、症状は治ったとしてもニキビ跡として赤黒く色素が残ってしまいます。
スキンケアもやり方を間違えてしまうと、色素沈着の原因となります。マッサージやフェイスブラシなどでファイシャルケアを行う際に力を入れてしまうと、摩擦や刺激による色素沈着が現れやすくなるでしょう。
肌に合わない化粧品で肌荒れを引き起こしてしまい、その炎症が色素として残ってしまうケースも見受けられます。意外な原因かもしれませんが、化学繊維の下着を継続して着用すると刺激や摩擦で色素沈着することがあるので注意が必要です。

色素沈着のメカニズムを教えてください。

紫外線・肌荒れ・外部からの摩擦などによる刺激を受けると、肌が炎症を起こしメラニン色素が発生します。このメラニンが色素沈着の元になっているのです。メラニンは肌の一番深い部分に溜まるのですが、肌のターンオーバーが正常に働いていると、メラニン色素は肌のサイクルに合わせて少しずつ表皮に押し上げられていきます。
そして最後に角質となって剥がれ落ちていくので、色素沈着せずに新しい肌が出てくるのです。しかしターンオーバーが乱れると、メラニンが過剰に生成されたり新しい肌の再生が上手くいかなかったりするので、色素沈着してしまいます。つまりメラニン色素がスムーズに排出されないと、色素沈着してしまうメカニズムになっています。

色素沈着にはどのような種類がありますか?

色素沈着といっても様々な原因によって引き起こされるので、種類も複数存在します。主な種類は次のとおりです。

  • 紫外線による色素沈着
  • 摩擦性黒皮症
  • 炎症性色素沈着

紫外線による色素沈着はいわゆる日焼けにあたります。過度に紫外線を浴びると肌は赤く炎症を起こし、その後サンタンと呼ばれ褐色に変化していきます。摩擦性黒皮症は適切な手順で行わず過剰に力が加えられてしまったマッサージなどで肌が刺激を受け、薄い褐色などに色素が残ってしまうことです。
また化学繊維の衣類や下着などを継続着用することで、締め付けがある部分が刺激を受けてしまい黒ずみとなって色素沈着してしまいます。炎症性色素沈着は肌荒れ・ニキビなど炎症を起こした患部を触ることで、炎症を起こした患部にメラニンが溜まり、赤黒い跡として残ってしまうことです。
肌荒れやニキビ以外でも、化粧品・合成洗剤・動物や植物へのアレルギーなどで炎症が引き起こされ、その後肌が正常に再生されないと色素沈着するケースもあります。

色素沈着が起こりやすい部位を教えてください。

色素沈着が起こりやすい部位がわかれば、色素が残らないよう気をつけられるでしょう。色素沈着には様々な種類があり、その発生部位も比較的幅広い範囲に及んでいます。色素沈着は肌に発生するものなので、顔や全身の肌がその対象になりえます。
特に顔は外に晒されるパーツなため、色素が残らないようにするには、丁寧に触ること・適切な防御が必要です。全身の肌は特に紫外線が強くなる夏に、薄着になったり水着を着用したりする機会が増えるので、日焼けからの色素沈着が起こりやすいです。
また肘や膝も色素沈着しやすい部位になります。特に肘は無意識のうちに頬杖をつく癖があるような方は要注意部位です。肘を頻繁についてしまうと、黒ずんでいってしまいます。見落としがちな部位でありながらも、黒ずみが目立ちやすいので、気をつけると良いでしょう。
脇・ビキニライン・デリケートゾーンの衣類や下着で隠された部位も色素沈着しやすいです。一番の原因として挙げられるのが、衣服や下着の締め付けによるものです。これらの部位は締め付けや摩擦で継続的に刺激が加わっている状態になっています。また、お手入れでカミソリ等を使用すると、その刺激で肌に黒ずんでしまいます。

色素沈着の受診や治療

エステ器具

医療機関を受診する目安を教えてください。

色素が残ってしまいそうな状況になったとしても、肌のターンオーバーが正常に働いて入れば、メラニンは角質となって剥がれ落ち新しい肌へ生まれ変わります。20代くらいまでは28日周期で入れ替わるのが一般的なサイクルとされています。しかし、年齢を重ねるにつれて40日・55日と周期は長くなっていくのが特徴です。
肌の入れ替わりのサイクルを待ち、それでも色素が残ってしまうようであれば、すぐに医療機関へ受診すると良いでしょう。しかし炎症性色素沈着のように、炎症している部位がある状態で紫外線を浴びてしまうと、シミや色素沈着しやすくなる場合があります。酷くなる前に治療をしておきたいとお考えであれば、皮膚サイクルを待たずに受診することをおすすめします。
また色素沈着やシミが濃くなってからの治療は、一般的に時間がかかってしまいがちです。早めに対処されたい方は、色素沈着を引き起こす要因が発生した段階で医師に相談しても良いでしょう。

どのような治療が行われますか?

治療は色素沈着の種類や状態に適したもので行われますが、美容医療のジャンルに含まれる治療がほとんどです。シミのように比較的ピンポイントで現れている色素沈着にはレーザー治療が適しています。レーザーは肌の深い部分に発生したメラニン色素に照準を合わせられるので、シミ状態になっているものに効果が期待されます。
ニキビ跡には、ピーリングやトーニングがおすすめです。特にトーニングは炎症性色素沈着を起こしにくくする作用もあるので、予防も兼ねた治療です。肘の黒ずみにはピーリングが適しています。古くなった角質を除去し、新しい肌への生まれ変わりを促進していきます。
また、外用薬も色素沈着の治療に有効的です。トレチノインやハイドロキノンは炎症性色素沈着の治療に使用される薬です。色素の濃さに応じて薬の濃度が決定されます。非常に強い薬なので、使用に際しては医師の処方が必要になります。
予防と美白という観点から、高濃度のビタミンC注射・点滴が選択される場合もあるでしょう。ビタミンCはメラニンの生成を抑える効果があり、コラーゲンの生成を促すので、ダメージを受けた肌の回復を助けてくれます。このように色素沈着の種類や症状の度合いに応じた治療方法が用意されているのです。

色素沈着の予防や注意点

肌トラブル

色素沈着の予防法を教えてください。

色素沈着を予防するためには次の方法が挙げられます。

  • 日焼け止め・帽子・日傘などを使い、紫外線を浴びないようにする
  • 肌への摩擦や刺激を避ける

まず一番肝心なことは、紫外線を浴びないことです。日焼け止めなどを適切に使用して、紫外線を直接浴びないようにすると、肌への刺激が抑えられシミの原因になるメラニン色素の発生を防げます。
また紫外線はできてしまったシミに対しても影響を及ぼしてしまい、色素沈着を引き起こしやすくなります。紫外線対策は色素沈着の原因となるシミの発生を防ぎ、またできてしまったシミに対しては色素沈着化しないようにするための、有効的な予防方法です。
さらに大切な予防方法は、肌へ摩擦や刺激を与えないことです。洗顔・スキンケア・マッサージなどを行う際に、意外と力が入ってしまうことが多いかもしれません。肌への過剰な刺激はシミや黒ずみの原因にも繋がります。またメイクする際にも優しく行うと良いです。既にできてしまったシミや肌の黒ずみを隠そうと、ファンデーションなどを厚く塗ってしまいがちですが、このようなメイク方法が逆に色素沈着の原因にもなります。
できてしまった色素沈着の対策として、スキンケアやマッサージを行う方がいるかもしれませんが、ゴシゴシと力を入れてしまうと逆効果です。スキンケア・メイク・マッサージなどを行う際には、力を入れずに優しく肌に触れることをおすすめします。

洗顔やスキンケア時の注意点を教えてください。

洗顔やスキンケアで色素沈着を改善しようとする方もいるかもしれません。しかし、洗顔やスキンケアは正しい方法で行わないと、かえって症状を悪化させる恐れがあります。汚れや過剰な皮脂は肌荒れを引き起こしやすくなり、色素沈着の原因の一つです。
洗顔は石鹸をよく泡立てて、ゴシゴシと擦らないように優しく洗っていきます。優しく丁寧に洗顔することで肌のターンオーバーが正常な状態になるでしょう。フェイスブラシなどは過度に使用すると、黒ずみの原因にもなります。使用頻度は肌状態を見極めることが大切なポイントです。
化粧水は保湿力のあるものを選び、優しくつけていきましょう。また、化粧水だけでなく高濃度ビタミンCが配合されている化粧水を利用するのもおすすめです。ピーリング効果のあるスキンケアもおすすめですが、肌状態によっては肌荒れを引き起こしかねません。特に治療を受けている際は医師に相談のうえ使うと良いでしょう。
色素沈着させない、もしくは悪化させないようにするには紫外線対策も重要です。日焼け止めクリームを適切に使用することをおすすめします。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

肌への色素沈着は様々な原因で発症してしまう症状です。また原因は日常の些細な行動によっても引き起こされてしまいます。肌荒れを起こしたら炎症が悪化する前に医療機関を受診する、日頃のスキンケアや紫外線対策に気をつける、黒ずみを招いてしまうアイテムの使用は控えるなど事前に対処できる方法もあります。
肌トラブルが無くても色素沈着があることで、肌の印象を左右してしまうでしょう。適切に予防しながらも色素沈着が起きてしまった場合は、医療機関で治療を受けると症状の早い改善に繋がります。

編集部まとめ

スキンケア
ここまで色素沈着について、発症の原因やメカニズムを説明してきました。色素沈着は些細なことがきっかけで起こりやすい症状です。

本記事では予防方法に関する疑問についてもお答えしてきました。症状を悪化させないよう日頃から予防をしていると、いざ症状が発症しても治療経過のスピードも違ってくるでしょう。

しかし色素沈着の治療をスムーズに進められたい場合は、適切なタイミングで医療機関を受診されることをおすすめします。

この記事の監修医師