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「感染性関節炎」の原因・予防法はご存知ですか?医師が監修!

 更新日:2024/01/09
「感染性関節炎」の原因・予防法はご存知ですか?医師が監修!

感染性関節炎はどんな病気なのかご存じですか?
本記事では感染性関節炎はどんな病気?原因や症状、治療法を以下の点を中心に紹介します。
・感染性関節炎とは
・感染性関節炎の症状と診断
・感染性関節炎の治療法や予後、予防策
感染性関節炎について知るためにぜひ最後までお読みください。

郷 正憲

監修医師
郷 正憲(徳島赤十字病院)

プロフィールをもっと見る
徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

感染性関節炎とは

感染性関節炎とは

感染性関節炎の原因について教えてください

感染性関節炎は、関節に細菌やウイルスが侵入し、炎症を引き起こす病気です。主な原因は以下のとおりです。

細菌感染:
通常、口腔や皮膚からの細菌が血流に乗って関節に到達し、感染を引き起こすことがあります。歯周病や口内感染症、皮膚の創傷や感染などが関節への感染源となる可能性があります。

外傷や手術:
関節への外傷や手術によって、細菌が関節内に侵入することがあります。手術部位や創傷が感染した場合、関節炎のリスクが高まります。

免疫力の低下:
免疫力が低下している人は感染性関節炎にかかりやすくなります。免疫機能の低下は、慢性疾患や免疫抑制剤の使用、高齢などによって引き起こされることがあります。

感染性関節炎の危険因子について教えてください

以下は、感染性関節炎の危険因子の一部です。

外傷や手術:
関節に外傷や手術があると、細菌が侵入しやすくなります。

免疫不全:
免疫機能が低下している場合、感染リスクが高まります。免疫不全の原因には糖尿病やHIV感染、免疫抑制薬の使用などがあります。慢性疾患(例: 関節リウマチ、慢性腎臓病)がある場合、関節に感染が及びやすくなります。

入院や医療処置:
長期の入院や留置カテーテルの使用、人工関節置換手術など、医療施設での処置は感染リスクを増加させます。

高齢:
年齢が上がるにつれ、関節の健康状態が低下し感染リスクが上がる場合があります。

これらの危険因子は感染性関節炎の発症リスクを増加させる要素です。感染性関節炎を予防するためには、感染対策の徹底やリスク因子の管理が重要です。

感染性関節炎の診断について教えてください

感染性関節炎の診断は、病歴や身体診察、検査結果などを総合的に評価して行われます。まず、患者の症状や病歴を詳しく聞き取り、関節の腫れや熱感、痛みの程度などを確認します。身体診察では、関節の可動域や圧痛の有無、皮膚の状態などを観察します。診断には、血液検査や関節液検査が行われることがあります。血液検査では、白血球数や炎症反応のマーカーなどがチェックされます。関節液検査では、関節から液体を採取し、細菌や炎症細胞の存在を調べます。さらに、画像検査としてレントゲン、超音波、MRIなどが使用されることもあります。これによって関節の状態や病変の有無を確認し、感染の範囲や重症度を評価します。

感染性関節炎の治療法や予後、予防策

感染性関節炎の治療法や予後、予防策

感染性関節炎の治療法について教えてください

感染性関節炎の治療法は、感染の種類や進行度合いによって異なりますが、一般的な治療方法には以下のようなものがあります。

抗生物質の使用:
細菌感染による感染性関節炎では、適切な抗生物質の使用が重要です。感染の原因菌に抗生物質を投与し、感染を駆除することが目的です。

関節液の排出:
感染が進行している場合、関節内の膿や炎症物質を排出するために関節液を抜くことが行われる場合があります。

抗炎症薬の使用:
炎症を抑えるために、ステロイドや非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が処方されることがあります。

関節の安静化:
関節の負担を軽減するため、関節を安静にすることが勧められる場合があります。具体的には、固定具やサポート具の使用、身体活動の制限などが行われます。

フィジカルセラピー:
関節の機能回復や筋力強化のため、物理療法士による運動療法やリハビリテーションが行われることがあります。

重症な場合には、外科的処置が必要となる場合もあります。感染性関節炎の治療は早期の診断と適切な治療が重要であり、医師の指示に従うことが必要です。

感染性関節炎の予後について教えてください

感染性関節炎の予後は病原体の種類、早期の診断と治療、患者の免疫状態などによって異なります。

適切な治療が行われた場合、早期に症状が改善し、関節機能の回復が期待できます。しかし、感染性関節炎は進行性の病気であり、早期の治療が重要です。遅延すると、関節の破壊や機能障害が生じる可能性があります。一部の患者では、予後が悪くなる場合もあります。高齢者や免疫機能が低下している人、合併症を持っている人は、治療により完全な回復が難しい場合があります。予後を改善するためには、早期の診断と適切な抗生物質の投与が重要です。また、関節の安静と適切なリハビリテーションも必要です。感染性関節炎は重篤な疾患であり、予後は個人によって異なります。治療を早めに受けることが予後の改善につながるため、症状が疑われる場合は速やかに医師の診察を受けるようにしましょう。

感染性関節炎の予防策について教えてください

感染性関節炎の予防策として以下のことに注意する必要があります。まず、手洗いやアルコール消毒を習慣化し、細菌やウイルスの感染を防ぎます。また、傷口や手術部位の適切な清潔管理が重要です。感染リスクの高い環境では、マスクや手袋の着用も推奨されます。免疫力を高めるためにはバランスの取れた食事や適度な運動、十分な睡眠が必要です。また、感染症予防接種を受けることも大切です。医師の指導の下で適切な抗生物質の使用や手術前の感染予防策も重要です。感染性関節炎の予防には、個人の衛生管理と医療機関での感染対策が組み合わさった総合的なアプローチが求められます。

最後に、読者へメッセージをお願いします

感染性関節炎は早期の診断と治療が重要です。関節の炎症、腫れ、赤み、痛みがあり、関節の動きに制限が生じることもあります。医師の指示に従い、適切な薬物療法と安静が必要です。合併症を避けるため、早期の治療と適切なケアをおすすめします。専門家の助言を受けて、健康な関節を取り戻しましょう。

編集部まとめ

感染性関節炎
感染性関節炎はどんな病気なのか紹介してきました。

・感染性関節炎は、関節に細菌やウイルスが侵入し、炎症を引き起こす病気
・症状は、関節が赤く腫れ、触ると痛みを感じる。
・治療法は、「抗生物質の使用」「関節液の排出」「抗炎症薬の使用」「関節の安静化」「フィジカルセラピー」などがある。

これらの情報が感染性関節炎はどんな病気なのか知りたい方の参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事の監修医師