「乳様突起炎」の症状・原因はご存知ですか?乳様突起の場所についても解説!
乳様突起とは、耳の後ろに突出した骨のことを指します。
乳様突起炎とは、耳の後ろにある乳様突起の周囲が赤く腫れ、激しい痛みや高熱を伴う病気です。
多くの場合乳幼児の中耳炎が重症化した場合に、乳様突起にまで炎症が広がり、手術や入院を余儀なくされてしまうのです。
今回の記事では、乳様突起炎とはどのような病気なのか・乳様突起の場所・症状・原因・治療方法について解説します。
記事の内容を参考にしていただいて、当てはまる症状がないか確認しましょう。
そして、もし気になる症状がある場合は、重症化するまえにお近くの耳鼻科までご相談ください。
監修医師:
五藤 良将(医師)
目次 -INDEX-
乳様突起炎の症状や原因
乳様突起はどこにありますか?
頭蓋骨にある乳様突起は、頭部を守る骨格であり、脳を守るための重要な役割を担っており、乳様突起は耳管(中耳を空気につなぐ管)に関わる部位です。
乳様突起は、耳管が開いた部分に位置しており、この部位が詰まることで中耳炎や耳管開放障害などの疾患を引き起こします。円錐状をしており、体表からでも容易に触れます。
頭蓋骨の中の側頭骨から出ている突起であり、胸鎖乳突筋などの首の運動に関わる重要な筋肉が付着しているといった特徴があります。
乳様突起炎とはどのような病気ですか?
この病気は、乳様突起の発達が未熟な乳幼児に多いです。成人でもかかる場合があり、場合によっては入院も余儀なくされてしまいます。
そして、耳の痛みや不快感が強い場合は、それらを緩和するために痛み止めや解熱剤などの薬物療法が使用されます。
また、この病気の原因がウイルスや細菌感染の場合は、適切な抗生物質の使用が必要となります。
乳様突起炎の治療法は原因によって異なるため、まずは医師の診察を受けることが重要になります。
乳様突起炎の症状を教えてください。
- 乳様突起の腫れ
- 赤み
- 痛み
- 発熱
乳様突起周辺の炎症は重症化した中耳炎が原因になることが多いので、初期の症状は通常の風邪や中耳炎と似ている場合があります。
上記に紹介した症状が現れた場合は、たとえ症状が軽かったとしても早期に医師の診察を受けることが重要です。
特に乳幼児の場合は、悪化すると重篤な状況になってしまう恐れがあるため、注意が必要です。
乳様突起炎は中耳炎の重症化や治療が不十分だったときに発症することが多いといわれます。
不安がある場合は、自己判断せずお近くの耳鼻科までご相談ください。
乳様突起炎の原因はなんですか?
治療に関しては、脳膿瘍などの重症の可能性があるので適切な医師の判断が重要になります。
乳様突起炎の診断や治療方法
乳様突起炎はどのように診断されますか?
- 問診などによる医師の評価
- CT検査
- 耳だれの細菌検査
まず、医師が問診や視診で耳や喉の状態を観察し、乳様突起の膨潤や赤みを確認します。場合によってはCTによる画像診断が行われる場合もあるのです。
次に原因となっている細菌を特定するために、耳だれを採取し検査を行います。これらの検査によって、乳様突起炎の診断と有効な治療法の決定がなされているのです。
乳様突起炎は自然治癒しますか?
中耳炎を疑って病院に行ったが、なかなか症状が改善せず再び病院に行くと乳様突起の炎症にまで進行してしまったということもあります。
また、激しい痛みや高熱を伴う場合が多いため、入院や手術を余儀なくされてしまうのです。
たとえ症状が軽かったとしても早期に医師の診察を受けることが重要です。症状がある場合は早めに医師の診察を受けましょう。
乳様突起炎の治療方法を教えてください。
- 症状の緩和
- 抗生物質の使用
- 手術
乳様突起炎による痛みや発熱などの症状がある場合は、解熱剤や痛み止めの薬が処方されることがあります。また、乳様突起周辺の炎症の原因が細菌感染であると、抗生物質を処方する場合があります。
皮膚の下に膿が溜まって高熱が続く場合は、手術が必要になるかもしれません。
乳様突起炎の予防や放置するリスク
乳様突起炎の予防方法を教えてください。
- 正しい口腔衛生
- 健康的な生活習慣
- アレルギー対策
- 中耳炎の初期段階で医療機関を受診する
以上のような予防方法を講じることで、乳様突起炎の発症リスクを軽減できます。
また、発熱が長引いていたり、中耳炎の恐れがあったりする場合は、乳様突起周辺の炎症になる前に適切な治療を受けることが重要です。
特に乳幼児は重症化しやすい恐れがあります。症状が進行して手術が必要になる前に、お近くの耳鼻科までご相談ください。
乳様突起炎を放置するとどうなりますか?
さらに、皮膚の赤み・腫れ・激しい耳の痛み・発熱だけでなく、骨が破壊され皮膚の下に膿が溜まるといった重篤な状態に陥ることもあります。乳様突起炎が重症化する前に適切な治療を受けましょう。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
そのため、咳・発熱などの症状が続いていて中耳炎にかかったことのある場合は、乳様突起炎の可能性も視野に入れながらの受診が必要になります。
軽い症状だからといって放置せず、不安な場合は悩まずにお近くの耳鼻科にご相談ください。
編集部まとめ
ここまで、乳様突起炎とはどのような病気なのか・乳様突起の場所・症状・原因・治療方法について解説しました。
乳様突起炎とは乳幼児の中耳炎が重症化したり、治療で完全に治らずに放置されたりすることによって起こる病気です。
軽い症状だからといって放置せず、気になる症状のある場合は積極的に耳鼻科に相談することをおすすめします。