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「ジャーキング」の原因・発症しやすい人の特徴はご存知ですか?医師が監修!

 公開日:2023/05/29
「ジャーキング」の原因・発症しやすい人の特徴はご存知ですか?医師が監修!

ジャーキングによって眠りが浅くなってしまい悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

ジャーキングとは英語で「けいれん」を意味する言葉で、一瞬体がぴくつくことを指します。

睡眠時はレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返すことで、平衡を保っています。

レム睡眠とノンレム睡眠が切り替わるとき、または入眠時の覚醒状態からノンレム睡眠に入るときに起こるのがジャーキングです。

ですが、ジャーキングが不眠の原因になっている方は治療が必要な場合もあるのです。

本記事では、ジャーキングの症状・原因・治療法などについて詳しく解説しています。ジャーキングに悩んでいる方はぜひご一読ください。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

プロフィールをもっと見る
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

ジャーキングの症状と原因

疑問の女性

ジャーキングはどのような症状でしょうか?

ジャーキングとは入眠時にけいれんを起こして目が覚める状態です。睡眠時ミオクローヌスともいいます。誰にでも起こる可能性があるため、通常は病気としてとらえられないことが多いです。
筋肉がけいれんするため、筋肉がある部位はどこでも起こる可能性があり、発生する回数も決まっていません。しかし、あまりにも発生回数が多い場合にはジャーキングに似た病気を疑う必要がでてくるでしょう。

ジャーキングが起こる原因を教えてください。

ジャーキングは、入眠時のノンレム睡眠とレム睡眠が切り替わるタイミングで発生します。睡眠時にノンレム睡眠からレム睡眠へと変わる瞬間、脳は覚醒状態から落ちます。すると、筋肉が反射的に縮むことでジャーキングが起こります。
ノンレム睡眠やレム睡眠中は無意識の状態にありますが、レム睡眠は浅い眠りのため目が覚めやすく、筋肉も活発化している状態です。そのため、ジャーキングが起こることで目が覚めてしまうわけです。
ジャーキングは自律神経が乱れている方であれば、誰にでも起こる可能性があるため注意しましょう。

起こりやすい方の特徴を教えてください。

ジャーキングの起こりやすい方の特徴として以下の3つが挙げられます。

  • 睡眠時の体勢が悪い
  • 疲労がたまっている
  • ストレスが多い

睡眠時の良い姿勢は立った姿勢をそのまま寝かせた状態です。対して悪い姿勢は、机に伏して寝る状態です。学生が勉強しているときや、社会人であればデスクワークをしている最中にみられます。
また電車通学や通勤時に、そのまま電車で寝てしまうケースです。これは疲労が溜まっている場合に起こります。自宅にいる場合は寝室に行けますが、電車の中では家に帰るまで睡魔に襲われているからです。
さらに日々の社会生活を送る中で、ストレスや疲労が溜まってくるとジャーキングが起こる可能性が高まります。またジャーキングにとどまらず病気と診断される場合もあるでしょう。ジャーキングには似た病気もあるため、しっかりと確認する必要があります。

ジャーキングに似た病気があると聞いたのですが…。

ジャーキングに似た病気には周期性四肢運動障害(PLMD)があります。
周期性四肢運動障害とは周期的に両手両足にけいれんが起こる障害です。ジャーキングと似ていますが、周期的にビクビクと異常にけいれんが起こる場合は周期性四肢運動障害を疑う可能性がでてきます。
自分では気づかない場合が多いですが、症状が悪化してくると睡眠障害にまで及ぶケースもあります。また日中に過眠が多くなってしまうことも考えられるため、仕事や授業の最中には注意が必要です。
しかし、ジャーキングや周期性四肢運動障害と区別のつきにくい病気にてんかんなどが挙げられます。

てんかんなど他の病気との見分け方はありますか?

てんかんは脳の神経細胞の過剰発作によって起こる病気です。筋肉の反射運動によって起こるジャーキングとは異なります。
また周期性四肢運動障害との違いは、周期的に発作があるかどうかです。くわえて、てんかんは睡眠時だけに限らずに起きているときにも起こる病気です。
てんかん以外でジャーキングに似ている病気には、むずむず脚症候群があります。寝ているときに不快な感覚が慢性的に訪れる症状が特徴です。
てんかんには、抗てんかん薬という治療法があります。また、周期性四肢運動障害やむずむず脚症候群は鉄分を摂るという治療法が効果的でしょう。

ジャーキングの治療

医師

受診を検討するべき症状はありますか?

ノンレム睡眠時に周期的に体のけいれんが起こる方は注意が必要です。
この場合は周期性四肢運動障害の疑いがありますので、受診を検討するべき症状に当たります。自覚することは難しいので、身内の方に睡眠時にけいれん状況が続いているようであれば教えてもらう必要があるでしょう。
または入眠後すぐや覚醒して起きる前にけいれんや発作があった場合は睡眠時てんかんの疑いがあるので、受診を検討しましょう。

何科を受診すれば良いでしょうか?

周期性四肢運動障害は脳神経内科か精神科を受診すると良いでしょう。また周期性四肢運動障害に似たむずむず脚症候群は神経内科や心療内科になります。
てんかんはてんかんの専門医が良いでしょう。ただし、精神科・神経内科・脳外科・小児科でも診断可能です。また睡眠科という科ができている病院もあります。
症状によって受診する診療科が異なりますので、事前に自身の症状と診療科をしっかりと確認しておくと良いでしょう。

どのような治療を行いますか?

周期性四肢運動障害やむずむず脚症候群の治療には主に鉄分を補うビタミン剤やドパミンを補う薬剤が使われます。ドパミン薬剤はパーキンソン病の治療にも使われる薬剤として関連性はありますが、適切なものかは医師の診断が必要となります。
てんかんは抗てんかん薬を毎日投与する方法が一般的です。ただし、てんかんは治療に2~5年程度かかることもあるので、定期的に医師に診断してもらう必要があるでしょう。
したがって、ジャーキングやジャーキングに似た病気にならないために予防が大事です。

ジャーキングの予防方法

リラックスする女性

ジャーキングを予防する方法はありますか?

ジャーキングを予防する方法は就寝時間と起床時間の見直しです。睡眠時間が毎日一定の時間を取れないようになっていると、生活リズムが不規則になってしまいます。
就寝時間と起床時間を毎日決まった時間に合わせることで、規則正しい生活リズムになります。また労働時間の見直しも重要です。
日々の残業が多いと疲労やストレスが溜まります。そのストレスにより体に影響が出ているときは健康面を意識して仕事量を調節するようにしましょう。

生活リズムを整えることが重要なのですね。

生活のリズムはジャーキングに限らず、健康面にとっては非常に大事になってきます。生活のリズムを見直すことは生活習慣病の予防にもなります。
なかなかできないことではありますが、生活のリズムの改善によってさまざまな病気の予防になるので積極的に取り入れていくとよいでしょう。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

ジャーキングは病気ではありませんが、頻繫に起こる場合は何らかの病気かもしれないという認識をもつようにしましょう。何でもないことと放置してしまい、対処が遅れてしまう恐れもあります。
そのようなことがないように、本記事で解説したジャーキングについてのことを目に留めておいてください。

編集部まとめ

医師
本記事ではジャーキングの症状から原因を追求し、治療法や予防法について解説しました。

ジャーキングは自律神経が乱れている方であれば誰でも起こる生理現象です。

病気ではありませんが、ジャーキングの回数が多い方は体に異常がみられる場合があります。

周期性四肢運動障害(PLMD)やてんかんといった病気の可能性もあるため、脳神経内科か精神科での受診をおすすめします。

ジャーキングの予防法としては、生活リズムの改善バランスの良い食生活です。

どちらもすぐに変えるのは難しい習慣ですが、無理のない範囲で少しずつ改善していきましょう。

本記事がジャーキングで悩む方の参考になれば幸いです。

この記事の監修医師