「虫垂がん」になると現れる症状や原因はご存知ですか?ステージについても解説!
公開日:2023/05/12

虫垂とは、盲腸からしっぽのように突出した管状の部位のことです。 虫垂がんの初期は症状がほとんどなく、気づいて病院に行く頃には、かなり進行してしまう非常に厄介な病気になります。 虫垂がんは、大腸がんの中では稀な病気ですが、治療後の5年生存率が61.6〜64.0%といわれています。 虫垂がんの生存率は、他の大腸がんである結腸がんや直腸がんと比べると、やや予後不良な傾向にあるのです。 今回の記事では、虫垂がんの症状・原因・なりやすい方の特徴・初期症状・検査・治療方法・予後について解説します。 気になる症状のある方は、お近くの医療機関にご相談ください。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
目次 -INDEX-
虫垂がんの症状
虫垂がんの特徴を教えてください。
虫垂がんは、大腸がんの中でも稀な病気になります。また初期の自覚症状がほとんどなく、進行してから右下腹部の違和感・痛み・しこりを感じる場合が多いです。
そのため、診断を受けるまでに進行してしまい、重症化しやすいのが特徴です。
そのため、診断を受けるまでに進行してしまい、重症化しやすいのが特徴です。
発症した場合、どのような症状がみられますか?
虫垂がんの症状は以下のようなものがみられます。
また、虫垂がんが進行すると便の通り道が狭くなります。それによって、血便・便が出にくい・便が細くなるなどの症状も表れるのです。
- 右下腹部痛
- 右下腹部にしこりを感じる
- 血便
- 便が出にくい
- 便が細くなる
- 体重減少
また、虫垂がんが進行すると便の通り道が狭くなります。それによって、血便・便が出にくい・便が細くなるなどの症状も表れるのです。
原因を教えてください。
虫垂を含めた大腸がんの原因は、以下の通りといわれます。
また、大腸がんの発症は遺伝的な要素もあり、近親者の病歴によっては自身が罹る可能性が上がります。このように、大腸がんの原因には様々なものがあるのです。
- 喫煙
- 飲酒
- 肥満
- 加工肉や赤肉の過剰な摂取
- 運動不足
- 野菜の摂取・不足
- 遺伝的なもの
また、大腸がんの発症は遺伝的な要素もあり、近親者の病歴によっては自身が罹る可能性が上がります。このように、大腸がんの原因には様々なものがあるのです。
虫垂がんはどのような方がなりやすいのでしょうか?
虫垂がんは40〜70代に多いといわれています。また、喫煙習慣のある人・野菜や果物が摂取不足している人・肥満や運動不足な人・家族の中に大腸がんになったことがある人などは、大腸がんや虫垂がんに罹りやすい傾向にあります。
つまり、虫垂がんを防ぐには、定期的な検診・健康的な食生活・日常的な運動・禁煙などを行う必要があるのです。
つまり、虫垂がんを防ぐには、定期的な検診・健康的な食生活・日常的な運動・禁煙などを行う必要があるのです。
虫垂がんの検査と治療方法
受診を検討するべき初期症状はありますか?
虫垂がんになっても、初期は症状が出ないことが多いです。しかし、病気が進行すると次のような様々な症状が表れます。
このような症状が出た場合は、すぐに受診することをおすすめします。
- 右下腹部の痛み
- 右下腹部の腫れ・しこり
- 発熱
- 食欲低下
このような症状が出た場合は、すぐに受診することをおすすめします。
虫垂がんはどのような検査で診断されるのでしょうか?
虫垂がんの検査には、下記のようなものがあります。
そして、CT・MRI検査による画像診断も行われます。CT・MRI検査は、身体の外側から腸の状態が確認できるので、患者の負担も少なくて済みます。
これらの検査の他に、より腫瘍の大きさ・位置・進行度を確認するために、PET検査や腫瘍マーカー検査も行われることもあります。
- 注腸造影検査
- CT検査
- MRI検査
- PET検査
- 腫瘍マーカー検査
そして、CT・MRI検査による画像診断も行われます。CT・MRI検査は、身体の外側から腸の状態が確認できるので、患者の負担も少なくて済みます。
これらの検査の他に、より腫瘍の大きさ・位置・進行度を確認するために、PET検査や腫瘍マーカー検査も行われることもあります。
治療方法を教えてください。
虫垂がんの治療方法には、下記のようなものがあります。
次に薬物療法は、抗がん剤・分子標的薬などを用いてがんを縮小させる治療方法です。しかし、薬物療法には強い副作用があり、吐き気・便秘・下痢・倦怠感が出る場合があります。
- 外科手術
- 薬物療法
次に薬物療法は、抗がん剤・分子標的薬などを用いてがんを縮小させる治療方法です。しかし、薬物療法には強い副作用があり、吐き気・便秘・下痢・倦怠感が出る場合があります。
虫垂がんの化学療法について教えてください。
虫垂がんの化学療法は、抗がん剤や化学物質を用いて、全身にあるがん細胞を縮小させたり破壊したりする方法です。化学療法の具体的な薬剤や方法は、症状や患者の状態によって様々です。
化学療法のメリットは、転移した全身のがんにも効果があることと、効果が高いことです。しかし、化学療法は悪心・吐き気・脱毛などの副作用が強く表れる場合があります。
近年徐々に副作用の少ない薬の開発が進んでいますが、残念ながら現段階では副作用のない薬は開発できていません。
化学療法のメリットは、転移した全身のがんにも効果があることと、効果が高いことです。しかし、化学療法は悪心・吐き気・脱毛などの副作用が強く表れる場合があります。
近年徐々に副作用の少ない薬の開発が進んでいますが、残念ながら現段階では副作用のない薬は開発できていません。
虫垂がんの予後
虫垂がんは治る病気でしょうか?
転移のない虫垂がんで、摘出手術などでがんを除去できれば完治も目指せます。しかし、症状に気づかず放置すると重症化し、場合によっては重篤な状態になってしまう場合もあるのです。
重篤な状態にならないためには、規則正しい食事・運動・禁煙などで病気を予防する必要があります。また、初期にほぼ自覚症状のない病気のため、定期的な検診を受けることも重要です。
重篤な状態にならないためには、規則正しい食事・運動・禁煙などで病気を予防する必要があります。また、初期にほぼ自覚症状のない病気のため、定期的な検診を受けることも重要です。
虫垂がんのステージと生存率を教えてください
虫垂がんの病期によるステージは以下の通りです。
そして、虫垂がんの治療後の5年生存率は61.6〜64.0%といわれています。この生存率は、結腸がんや直腸がんと比べると、やや予後不良とされています。
虫垂がんが他の大腸がんとくらべて予後不良な理由として、通常の大腸がんと同じ性質を持った腺がん以外にも、粘液を産生する「粘液がん」などの異なる種類があることが挙げられます。このようにがんの種類が複数あると、それらにあわせた抗がん剤治療も必要になることから、困難な治療になる場合が多いです。
このように虫垂がんは、大腸がんの中では生存率の低いがんといわれているのです。
- ステージ0:がんが大腸粘膜内に留まるもの
- ステージ1:がんが固有筋層までに留まるもの
- ステージ2:がんが漿膜下層を超えて浸潤しているもの
- ステージ3:癌の深さに関わらず、リンパ節への転移を認めるもの
- ステージ4:癌の深さやリンパ節転移に関わらず、他臓器への転移を認めるもの
そして、虫垂がんの治療後の5年生存率は61.6〜64.0%といわれています。この生存率は、結腸がんや直腸がんと比べると、やや予後不良とされています。
虫垂がんが他の大腸がんとくらべて予後不良な理由として、通常の大腸がんと同じ性質を持った腺がん以外にも、粘液を産生する「粘液がん」などの異なる種類があることが挙げられます。このようにがんの種類が複数あると、それらにあわせた抗がん剤治療も必要になることから、困難な治療になる場合が多いです。
このように虫垂がんは、大腸がんの中では生存率の低いがんといわれているのです。
再発することもあるのでしょうか?
虫垂がんは再発することもあります。他の大腸がんの種類である結腸や直腸がんに比べると生存率が低く、再発も多いのです。
再発の予防には、日々の生活習慣の見直しと定期的な検診が重要になります。
再発の予防には、日々の生活習慣の見直しと定期的な検診が重要になります。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
虫垂がんの初期は自覚症状がなく、重症化するまで気が付かない病気です。そして、大腸がんの中では生存率の低いがんといわれています。
そのため、虫垂がんは予防・早期発見・早期治療が重要になるのです。予防するには、日々の生活習慣の見直しと定期的な検診が重要になります。
虫垂がんを予防し、健康的な生活を1日でも長く過ごしましょう。
そのため、虫垂がんは予防・早期発見・早期治療が重要になるのです。予防するには、日々の生活習慣の見直しと定期的な検診が重要になります。
虫垂がんを予防し、健康的な生活を1日でも長く過ごしましょう。
編集部まとめ
ここまで、虫垂がんの症状・原因・なりやすい方の特徴・初期症状・検査・治療方法・予後について解説しました。
虫垂がんの初期はほとんど症状がなく、進行していくと右下腹部の違和感・痛み・しこりを感じるようになります。
発症には喫煙・飲酒・肥満・運動不足・食生活との関連が大きく、予防のためには、生活習慣を見直す必要があります。
また、発症には遺伝的な要素もあり、家族の病歴に大腸がんなどがあったら注意が必要です。
虫垂がんは、40〜70代に発症する場合が多いので、そのくらいの年齢になったら定期的な検診が必要になります。
このような日常生活の見直しと定期的な検診を受けることによって、虫垂がんを予防または早期発見することが大切です。
参考文献




