「ワキガ」とは?原因・治療・手術についても解説!【医師が監修】
自分の臭いが気になり、もしかしたらワキガではないかと気にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ワキガとは、脇が特徴的な悪臭を放つ症状のことをいいます。腋臭症とも呼ばれ、欧米では生理現象の1つとして認識されています。しかし、東アジアでは特徴的な臭いや衣類に付く黄ばみ等に嫌悪感を持つ傾向があるため、悩んでいる方も多いかもしれません。
今回はワキガとはどのような症状なのか、原因や治療法も含めて解説します。
監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
ワキガとは
ワキガとはどのような症状ですか?
また、ワキガの症状の1つとして、衣類に黄ばみが付くこともあります。
症状には個人差があり、程度が強い場合にワキガと診断されます。ワキガの原因となる分泌物には遺伝子が関係するとされています。そのため、ワキガは臭いにより社会生活上の問題を引き起こす遺伝性疾患であるといえるでしょう。
ワキガの原因
ワキガの原因を教えてください。
汗腺は「アポクリン汗腺」「エクリン汗腺」の2種類に分類されます。アポクリン腺は特定の部位に発達する汗腺で、水分だけでなく脂質やたんぱく質、コレステロールといった成分を分泌するのが特徴です。
アポクリン腺からの分泌物は、脇に住み着いている常在菌によって分解され、独特の臭いを発生します。これがワキガの臭いの正体です。アポクリン汗腺からは、臭いの原因となる分泌物だけでなく、衣服が黄ばむ原因となる物質も分泌されます。
アポクリン腺は脇や耳の中、陰部、乳輪等に存在し、思春期に発達します。
食べ物が汗臭さの原因になることはありますか?
ワキガの発生頻度・年齢差
ワキガに悩む人は多いのでしょうか?
日本では、約10%という比較的少数の人のみがワキガであるため、臭いによる社会的な問題や、コンプレックスの原因になりやすいと推察されます。
ワキガになりやすいのはどのような人ですか?
ワキガの原因物質を分泌するアポクリン腺は、耳の中にも存在しています。そのため、耳垢の性状からワキガの有無を推測することが可能で、耳垢に湿り気がある人の約80%がワキガであるともいわれています。
ワキガの受診科目
ワキガを疑ったときは何科を受診すればいいですか?
ワキガの診断はどの皮膚科や形成外科でも可能ですが、治療の選択肢は医療機関によって異なります。それぞれの医療機関がどのような治療を行っているのかを事前に調べたうえで、目的とする治療ができる医療機関を受診するのがおすすめです。
ワキガの検査
ワキガの診察ではどのような検査を行いますか?
自覚症状のみが強い場合は、自臭症などのいわゆる「気にしすぎ」である可能性もあります。他覚症状については、これまでに他人に臭いを指摘されたことがあるかといったことを参考にします。
ガーゼ法とは、どのような検査でしょうか?
ワキガの治療方法
ワキガはどのような治療が行われますか?
保存的治療とはどのような治療法でしょうか?
ワキガの代表的な保存的治療としては、以下が挙げられます。
- 生活習慣の改善
- 塩化アルミニウム液の外用
生活習慣の改善
生活習慣の改善について詳しく教えてください。
具体的には、以下の生活習慣がワキガの改善に効果があるとされています。
- こまめにシャワーを浴びる
- 薬用せっけんで身体を洗う
- 身体を清潔にした状態で制汗剤を使用する
- 脱毛する
- 天然素材の衣類を着用する
- 生活リズムを整える
- 禁煙する
塩化アルミニウム液の外用
塩化アルミニウム液の外用について詳しく教えてください。
効果が出るまでに時間がかかる場合もあるため、継続的に使用することが重要です。
マイクロ波治療機器
マイクロ波を利用した治療機器について詳しく教えてください。
FDA(米国食品医薬品局)で効果と安全性が認められており、米国では腋窩多汗症、ワキガ、減毛の適応で承認を取得しています。日本では腋窩多汗症に対してのみ承認を取得しているため、多汗症を合併しているワキガの人でのみ実施可能な治療法です。
手術療法
ワキガの手術について詳しく教えてください。
医師によってワキガの診断が確定されている場合には、手術は保険適応となります。
皮弁法とはどのような手術ですか?
手術後に再発することはありますか?
子どもでも手術は可能ですか?
編集部まとめ
ワキガは脇の悪臭や衣服の黄ばみといった症状が特徴で、臭いにより社会生活上の問題を引き起こす遺伝性疾患です。
臭いが気になるあまり、自分はワキガであると思い込んでしまう人も多くいますが、ワキガと正しく診断するためには、皮膚科や形成外科で診察を受ける必要があります。
手術のほかにも、症状の改善や軽減を目指すさまざまな治療法が存在します。気になる症状がある場合は、受診を検討してみましょう。
参考文献