「ドライマウス」とは?対策・治療法・原因・症状についても解説!
何らかの原因によって口の中が乾燥する状態を「ドライマウス」といいます。口の乾きは、病気としての認知度が低く、ドライマウスになっていることを見逃してしまうこともあるでしょう。心配なのは、ドライマウスを放っておくと、リスクを生じるおそれがあることです。
今回は、ドライマウスの症状や原因、検査や治療方法などを紹介します。
監修歯科医師:
柴原 孝彦(東京歯科大学名誉教授)
著書は「口腔顎顔面外科学(医歯薬出版)」「標準口腔外科学(医学書院)」「カラーアトラス コンサイス口腔外科学(学建書院)」「口腔がん検診 どうするの、どう診るの(クインテッセンス出版)」「衛生士のための看護学大意(医歯薬出版)」「かかりつけ歯科医からはじめる口腔がん検診step1/2/3(医歯薬出版)」「エナメル上皮腫の診療ガイドライン(学術社)」「薬剤・ビスフォスフォネート関連顎骨壊死MRONJ・BRONJ(クインテッセンス出版)」「知っておきたい舌がん(扶桑社)」「口腔がんについて患者さんに説明するときに使える本(医歯薬出版)」など。
ドライマウスとは
ドライマウスとはどのような病気でしょうか?
虫歯や口臭の原因にもなり、進行すれば摂食・味覚・発音の障害が現れることもあるので、注意しましょう。他の疾患の症状の一つとして現れることもあります。
ドライマウスの症状
ドライマウスではどのような症状が現れますか?
心配がない症状
心配しなくてもいい症状とはどのようなものですか?
注意すべき症状
注意した方がいい症状はありますか?
唾液には粘膜保護作用や潤滑・洗浄・消化・溶解・緩衝など、創傷作用や免疫反応がありますが、唾液の分泌が少ないことで虫歯や舌の異常、口臭が悪化する場合があります。唾液の清掃効果の低下により、歯垢(プラーク)が付きやすくなるのもそのためです。
虫歯や舌のひび割れや痛みなどの症状が進んでいる場合、そのまま放置すると摂食障害・味覚障害・発音障害を発症する場合があります。症状が長引いている場合は、医療機関への受診を考えてください。
ドライマウスの原因
ドライマウスの原因はどのようなことが考えられるでしょうか?
身体的な変化が原因
身体的な変化が原因とは、どのようなことがあげられますか?
また、過度なストレスや緊張によって、交感神経が刺激されることで唾液が出にくくなり、ネバネバした唾液になる場合もあるので、リラックスすることも大切です。
薬の副作用が原因
薬の副作用が原因とは、どのようなことがあげられますか?
他の病気による症状が原因
他の病気による症状が原因とは、どのようなことがあげられますか?
ドライマウスの受診科目
ドライマウスが疑われる場合には、何科を受診すればいいのでしょうか
ドライマウスで行う検査
ドライマウスでは、どのような検査を行いますか?
問診、視診
問診、視診とはどんな検査ですか?
唾液分泌検査
唾液分泌検査とはどんな検査ですか?
刺激時唾液検査では、ガムテストを行います。ガムを噛むことで唾液腺を刺激して分泌する唾液の量を測定する方法です。安静時唾液検査では、座ったまま安静にして自然に出てくる唾液の量を測ります。
口の中を酸性から中性に戻すのが緩衝能という唾液の機能です。唾液緩衝能検査では、緩衝能が正常に働いているか値を測定します。唾液緩衝能が低いと口の中が酸性に傾き、さまざまな症状が現れます。
シェーグレン症候群の検査
シェーグレン症候群の検査とはどんな検査ですか?
ドライマウスの性差・年齢差など
ドライマウスでは、性差・年齢差がありますか?
ドライマウスの治療方法
ドライマウスにはどのような治療方法がありますか?
医療機関への受診
医療機関を受診すると、どのような治療が行われますか?
鼻づまりや鼻炎が原因なら、まずは、耳鼻科で治療し口呼吸を減らしていくことが必要です。シェーグレン症候群や糖尿病などが疑われる場合には、原因となる疾患の治療と並行してドライマウスの治療を行います。
唾液腺のマッサージ
唾液腺のマッサージとは、どのようにするのですか?
耳下腺は、耳たぶの前方上の奥歯がある部分を指で回してマッサージをします。顎下腺は、顎の骨の内側を耳下から顎先まで押すようにマッサージすることがポイントです。舌下腺は、顎先の内側のちょうど舌の付け根の下あたりを押し上げるように親指で押します。
ドライマウス用のケア用品
ドライマウス用のケア用品とは、どのようなものがありますか?
スプレータイプは、口の中にシュッとひと吹きします。マウスウォッシュタイプは、口の中に入れてブクブクと含ませて使用します。レモンや梅など酸味のあるガムなら、より唾液分泌が促されるでしょう。
編集部まとめ
口の中が乾燥するのは、病気ではなく、そもそもの水分摂取量が不足している可能性もあります。まずは、水分補給を行いましょう。
ドライマウスは、口の中が乾燥することでさまざまなトラブルを引き起こしますが、悪化すると危険な場合もあるので、しっかりと治療や対策をすることが大切です。
病変がなくても、気になる症状があれば歯科や口腔外科、耳鼻咽喉科のある医療機関を受診してください。リラックスや口呼吸を減らすなど、家庭でできることもありますが、医療機関で相談し、唾液分泌量検査や適切な治療を受けることも必要です。
参考文献