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「包茎」とは?症状・原因についても詳しく解説!

 更新日:2023/03/27
「包茎」とは?症状・原因についても詳しく解説!

周りに悩みを打ち明けにくい男性の悩みとして知られる包茎は、必要に応じて手術で改善することができます。真性包茎の場合、性交渉にも影響を及ぼすため、適切な治療を受けることが大切です。また、痛みや排尿障害などの症状を伴うこともあります。
今回は、包茎とはどのような状態か、症状や原因、受診科目などを解説します。

竹内 尚史

監修医師
竹内 尚史(新松戸中央総合病院)

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東京医科大学卒業。その後、複数の病院を経て、2021年より新松戸中央総合病院にて泌尿器科医として勤務。ダヴィンチ手術を多く手がけている。著書は「前立腺がんは「ロボット手術」で完治を目指す!青月社(共著、改訂版)」。日本泌尿器科学会泌尿器科専門医・指導医、日本性機能学会性機能専門医、日本内分泌学会内分泌代謝科(泌尿器科)専門医、日本泌尿器内視鏡学会 泌尿器ロボット支援手術プロクター認定医(手術指導医)、日本ロボット外科学会Robo Doc認定医・ロボット(da Vinci)手術認定医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医 、日本メンズヘルス医学 テストステロン治療認定医、日本医師会認定産業医。

包茎とは

包茎とはどのような状態ですか?

包茎はペニスが包皮に包まれており、勃起したときに亀頭が完全にむき出せていない状態をいいます。包茎自体は病気ではなく生理的な状態です。新生児はほぼ100%包茎の状態で生まれてきます。
本来は成長に伴い、包皮が自然にむけて包茎ではなくなるものです。しかし、亀頭が成長しても包皮がむけないことがあり、大人になっても包茎のままになっている場合があります。
日本人の包茎の割合は60〜70%です。目立った症状がないために治療を行っていない人も多くいます。
包茎はむけ方によって、仮性包茎、真性包茎、カントン包茎の3つに分けることができます。

仮性包茎

仮性包茎とはどのような状態ですか?

仮性包茎は、普段は亀頭が包皮に覆われているものの、勃起時には皮がむけて亀頭が露出できる状態です。しかし、勃起だけで亀頭がすべて露出するわけではありません。亀頭をすべて露出させるには、手でむく必要があります。
仮性包茎は、目立った症状がないため特に治療は必要としません。しかし、陰部の衛生状態が悪いまま放置すると、炎症を引き起こし、かゆみが出て赤く腫れたり悪臭の原因になったりすることがあります。
さらに、炎症を繰り返すことで、カントン包茎に移行する場合もあるため、治療が必要になる場合があります。
性行為は行えますが、亀頭や亀頭粘膜が弱いため、包茎ではない人に比べて性感染症に感染しやすくなっています。包茎の種類の中では一番多いタイプです。

真性包茎

真性包茎とはどのような状態ですか?

真性包茎は、亀頭が全く露出しない、もしくは亀頭の先端が少ししか露出していない状態です。包皮の先端が狭いため、包皮に隠れている亀頭を見ることができません。
手でも亀頭を露出できないので、包皮と亀頭の間にごみが溜まりやすく悪臭の原因にもなります。不衛生な状態が続くと、炎症が起こりやすく痛みやかゆみを伴うこともあり、亀頭炎や包皮炎、性感染症などを引き起こす恐れがあります。
陰茎がんの発症率も高まります。またパートナーとの性行為が難しく、女性の不妊症や子宮頚がんにつながる恐れもあります。
真性包茎は重症タイプの包茎で、さまざまな病気を発症するリスクがあるため、早期の治療が必要です。

カントン包茎

カントン包茎とはどのような状態ですか?

カントン包茎は仮性包茎の一種です。包皮を無理にむいて亀頭を露出させたことで、元の状態に戻せなくなり、亀頭の根元が包皮で締め付けられてうっ血してしまう状態です。うっ血すると、包皮は膨れ上がってしまいます。そのまま放置すると、亀頭が壊死してしまうためすぐに外科的な治療が必要です。
性交渉は可能ですが、亀頭の根本が包皮に締め付けられることで痛みがでたり、皮膚が引き伸ばされるような痛みがでたりすることが多いです。無理に露出させたことで、炎症を起こしやすくなり、また元の状態に戻せなくなるため注意が必要です。

包茎の症状

包茎になるとどのような症状が起こりますか?

包茎になると、亀頭包皮炎、尿路感染症、排尿障害、紅色肥厚症などがあります。子どもの包茎は、経過観察がほとんどですが、大人の場合、症状の有無に関わらず治療を行うことがあります。

亀頭包皮炎

亀頭包皮炎とはどのような病気ですか?

亀頭包皮炎は、性行為や自慰行為などで亀頭や包皮にできた小さな傷や性感染により亀頭に生じる炎症です。包茎の男性に多い病気です。
連鎖状球菌や腸内細菌、真菌などのさまざまな菌が原因となって起こります。女性からカンジダや淋菌が感染することもあります。
症状は、患部の赤み、ただれ、かゆみ、痛みなどで原因となる菌によって症状が異なります。自覚症状があれば、医療機関を受診しましょう。

尿路感染症

尿路感染症とはどのような病気ですか?

尿路感染症とは、尿路に住みついた細菌が増殖して炎症を起こした状態です。代表的な病気には膀胱炎や腎盂腎炎があります。
細菌が尿道の出口から侵入し、膀胱や腎盂に達して増殖することで起こります。尿路感染症の原因の大半が大腸菌で、残りは尿道の出口付近に住みついている常在菌です。
症状は、感染が起こる場所で異なります。膀胱炎では排尿痛や残尿感、頻尿、尿の混濁が見られます。腎盂腎炎では、発熱や腎臓の痛みなどの症状が特徴です。

排尿障害

包茎の排尿障害はなぜ起こるのですか?

包茎の排尿障害は、包皮輪という包皮の一部が狭くなるために起こります。トイレの際に、包皮に尿が溜まって膨らんでしまいます。

紅色肥厚症

紅色肥厚症とはどのような病気ですか?

紅色肥厚症とは、ボーエン病の一つで、皮膚内がんの一種です。紅色肥厚症は亀頭と包皮の間に蓄積した垢が、炎症を起こすことが原因で起こります。また、HPV(ヒト乳頭種ウイルス)や、放射線、ヒ素などの影響で発症する場合があります。
正常の皮膚との見分けがつけやすく、炎症が起きている部位は、皮膚表皮が乾燥しており、かさぶたがはがれやすくなっています。

包茎の原因

包茎はなぜ起こるのですか?

包茎は、新生児ではほぼ100%が真性包茎です。海外では、男の子とお風呂に入るときに、親が子どもの包皮をむく習慣があります。しかし、日本にはこのような習慣がないため、我が国の包茎の割合は60〜70%と、習慣がある国と比較して多くなっています。
ただし、包茎は病気ではないため特に症状がなく、性行為に困っていない場合は、治療は必要ありません。包茎により、陰部が不衛生になって炎症が起きている場合は、適切な治療が必要です。

包茎の受診科目

問診

真性包茎やカントン包茎が気になるときは何科を受診すればいいですか?

包茎により陰部に炎症が起きている場合や排尿障害等が起こっている場合は、一度専門医を受診しましょう。皮膚科や泌尿器科が適切ですが、手術が絡む場合は、泌尿器科で診察を受けてください。

包茎の性差・年齢差

包茎の性差・年齢差はありますか?

包茎は男性にのみ起こります。真性包茎は先天性の場合は、年齢が上がるにつれて少なくなります。
新生児ではほぼ100%に見られ、1歳までの乳児では約80%です。1~5歳の幼児では約60%、小学生では約30%でみられます。思春期以降ではさらに少なくなることが分かっています。

編集部まとめ

包茎は、周りに悩みを打ち明けにくい男性の悩みとして知られています。包茎は包皮と亀頭の間が不衛生になりやすく、炎症を引き起こしやすいのが特徴です。真性包茎の場合、性交渉にも影響を及ぼすため、手術で改善することが必要です。
子どもの場合、成長に伴い、亀頭が露出するようになります。大人になっても改善しない場合は、まずは陰部を清潔に保つことが大切です。性行為や繰り返す炎症に悩む場合は、泌尿器科を受診し治療を受けましょう。

この記事の監修医師