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包茎の症状・治療方法のご紹介

 更新日:2023/03/27

包茎(読み方:ほうけい)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
名城 文雄 医師 なしろハルンクリニック院長

包茎とは

包茎は包皮がきつく、めくって亀頭(円錐形をした陰茎の先端部分)を露出できない状態です。この状態は新生児や年少の男児では正常で、通常は治療しなくても5歳頃までに解消します。それよりも年長の場合は、亀頭と包皮への長期にわたる刺激または繰り返す炎症(亀頭包皮炎)によって、包茎になることがあります。包皮がきつく締まっていると、排尿や性行為の妨げになり、尿路感染症のリスクを高める可能性があります。通常は環状切除で治療します。ただし小児では、コルチコステロイドクリームを毎日2~3回塗布し、定期的に包皮を軽く伸ばす方法が効果的なことがあり、包皮環状切除をしなくて済む場合もあります。このクリームは最長で3カ月間使用することがあります。

引用:MSDマニュアル家庭版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/21-男性の健康上の問題/陰茎と精巣の病気/包茎と嵌頓(かんとん)包茎

名城 文雄 医師 なしろハルンクリニック院長ドクターの解説
包茎とは陰茎の先端である亀頭(きとう)部が包皮で被われて露出していない状態をいいます。新生児では、ほとんどの子が包茎の状態で包皮と亀頭はくっついているのが普通です。では、いくつになると包皮が剥けるようになるのか親御さんとしては気になりますね。日本人の場合、亀頭が露出する割合は6ヶ月未満で5%未満、3~4歳で約50%、15歳では70%以上です。このように子供の包茎は年齢とともに自然に改善していく事が多いためほとんどの子は手術を必要としません。ただし、包皮をめくって元にもどせない嵌頓(かんとん)包茎や包皮が硬く成長してもむけない場合には手術の適応となります。また、成人しても亀頭が露出されない場合は手術の適応と考えます。

包茎の症状

症状
(1)亀頭包皮炎:包皮や全体に赤味や腫れがあり,触らなくても痛かったり,おしっこのときに痛みを感じます.抗生物質をのんだり軟膏を塗って治療します.
(2)嵌頓包茎:包皮を引っ張って無理におちんちんの頭を出そうとすると,狭い皮膚で締め付けられて,亀頭がひどく腫れてしまうようになります(図3).
(3)排尿障害:おしっこをするときに,包皮におしっこがたまってふくらんだり,おしっこが細くしか出なくなることがあります.
(4)尿路感染:新生児や乳児では尿路感染の原因になることがあるとされていますが,わが国では非常に少ないです.

引用:日本小児外科学会
http://www.jsps.gr.jp/general/disease/gu/df4ubw

名城 文雄 医師 なしろハルンクリニック院長ドクターの解説

包茎は前述したように亀頭部が露出していない状態であり、程度によっては日常生活上特に支障を感じていない方も中にはいらっしゃいます。 包茎の方によくある症状を以下に示します。

亀頭包皮炎:包皮が赤くはれ、痛みや痒みがある。亀頭と包皮の間に恥垢(ちこう)と呼ばれる垢やカスがたまる。悪化すると陰茎が腫れあがり、熱が出る事もある。

バルーンニング(風船現象):おしっこを出す際に包皮が風船のようにふくらむ。

排尿障害:尿線が細く、ちょろちょろとしかおしっこが出ない。尿線が上下左右に曲がって便器を汚してしまう。尿の切れが悪い。

尿路感染:膀胱炎や尿道炎をおこしやすい。

嵌頓包茎(かんとんほうけい):包皮をむいた後にもどらなくなる。*早急にもとに戻す必要がありますので早めに泌尿器科または救急外来を受診してください。

埋没陰茎(まいぼついんけい):陰茎皮膚の不足や筋膜の付着異常によって、陰茎が埋没した状態。

包茎の原因

後天性包茎は,包皮が何回もただれたあとや,環状切開術のあとに皮膚が狭くなってできることがあります.

引用:日本小児外科学会
http://www.jsps.gr.jp/general/disease/gu/df4ubw

包茎の検査法

包茎の診断は視診、触診により容易である。
後天性真性包茎では、原因として糖尿病を念頭にいれ、血糖値、ヘモグロビンA1Cをチェックする。

引用:今日の臨床サポート
https://clinicalsup.jp/contentlist/452.html

名城 文雄 医師 なしろハルンクリニック院長ドクターの解説
包茎は視診、触診のみで診断可能ですので特別な検査はありません。診察後に治療の必要性や手術の適応有無について診断いたします。真性包茎や、保存的治療で改善しない包皮炎等の治療は保険の適応となりますが、美容目的で手術を希望される場合、保険は適応しません(自由診療)。

包茎の治療方法

保存療法
毎日両親または患児本人に用手的包皮翻転を行ってもらう。ステロイド軟膏塗布を加える方法もある。包皮翻転の際に包皮の亀裂が起きないように注意する。しかし、包皮翻転を繰り返しても最終的に手術が回避できない症例もある。

手術療法

適応
包茎手術の適応は原則的に真性包茎とされるが、乳幼児の包皮は伸展性に富み、成長とともに自然治癒する可能性が高いという考えもあり、時期や適応については議論が多いところである。一般的な適応として、保存的治療が無効であり、①亀頭包皮炎、尿路感染を繰り返すもの、②排尿障害を有するもの、③嵌頓包茎、 ④家族の希望が強い、などがある。また、イスラム教やユダヤ教では宗教上の理由で包茎の手術(割礼)を行うことがある。

術式
様々な術式があるが、ここでは背面切開法と環状切開法を紹介する
a. 背面切開術(dorsal slit)
包皮の最も絞扼の強い部分を縦に切開し横に縫合する。(図4)
b. 環状切開術 (circumcision)
余剰皮膚を環状に切開する方法である。余剰皮膚を取り過ぎないように注意する必要がある(図5)。

引用:順天堂大学医学部附属順天堂医院 小児外科・小児泌尿生殖器外科
https://www.juntendo.ac.jp/hospital/clinic/shonigeka/concerned/magazine/magazine_iji001.html

名城 文雄 医師 なしろハルンクリニック院長ドクターの解説
小児の包茎は成長と共に自然に改善される事が多く、必要に応じてステロイド軟膏を使用した保存的な治療を行います。嵌頓包茎(かんとんほうけい)や真性包茎は保険診療の対象となります。ところが仮性包茎の方が美容上で手術を希望される場合には保険は適応せず自由診療(自費)となります。仮性包茎の多くは手術が不要で、清潔にしていれば問題はありません。保険診療での手術料金は、全国どの保険医療機関でも一定の費用で行われますが、自由診療の場合には医院によって治療費が異なるため、思いの外高額な治療費を請求されて後々トラブルとならないように施術前に治療の内容と費用については十分なインフォームドコンセントを受けるようにしてください。



包茎に関する症状についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事を参照してください。

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